大嫌いなこの世界で

十時(如月皐)

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 ヒバリの調査に付き合っているとはいえ、動くのは彼で凪は何もしていない。ただ見守っているだけだ。それゆえにヒバリが何を考えているのかも、何を感じとっているのかもわからない。凪の中では昼に街を歩き、夜に店で食事をしているだけで何も進展しているようには見えないまま数日が過ぎた。
 相変わらずヒバリ優先ではあるが、彼も四六時中動いているわけではない。時折部屋に篭っては警察の資料などにも目を通しているようだ。そんな時は側についている必要もないからと、凪はサーミフの側に戻る。サーミフは凪が戻ると決まって侍従長以外は人払いをし、凪の報告を聞きたがった。彼も王子として早急なる解決を願っているのだから当然だと、凪も可能な限り報告する。しかし、いつからかサーミフは凪の報告を聞き終えると何かを疑うような、あるいは不機嫌であるような眼差しを向けてきた。
「本当にそれだけなのか? 侍従長からお前たちが出ていた時間は報告されているが、あれだけの時間を使って、ただ店の者と雑談しただけだと?」
 そしてその雑談内容も随分と薄っぺらい。たったそれだけのことに時間のすべてを費やしたなどあり得るのか? とサーミフは眉間に皺を寄せる。チラと視線を向ければ、控えていた侍従長もまた、疑わしげに目を細めていた。
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