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「ほぉ、ここではあまり見かけぬ顔だが、その美しさを見るに男娼あがりか? どのみち下賤の者であるにもかかわらず、儂に盾突こうと言うのか」
男の身で娼婦のように男へ春をひさぐ男娼と蔑まれても、雪也は顔色ひとつ変えない。
「この顔とこの子に起こった苦しみは関りありますまい。私は助けた以上、この子を庇護する責任があります。必要とあらば、しかるべき場所で真実を述べる義務も」
雪也は老人の傘下で仕事をしているわけではないし、もしも老人が逆恨みで手を回し雪也の仕事をことごとく潰したとしても、別の場所でまた一から頑張ればいい。
仕事と周の命。それは比べるべくもない。
決して思い通りにはならない。それは老人も理解せざるを得なかったのだろう。顔を真っ赤にしながらも、何を言うこともできない。そんな老人に、雪也は鋭い視線を向けた。
「今一度問いましょう。あなたは、この子のお身内ですか?」
逸らされることなくジッと見つめてくるその瞳に、老人は怒りで震えながらも杖を下ろした。
「いや……、人違いだったようだ」
屈辱に塗れ絞り出すように紡がれたその言葉に、雪也はひとつ頷く。
「そうでしたか。では、我々はこれで」
男の身で娼婦のように男へ春をひさぐ男娼と蔑まれても、雪也は顔色ひとつ変えない。
「この顔とこの子に起こった苦しみは関りありますまい。私は助けた以上、この子を庇護する責任があります。必要とあらば、しかるべき場所で真実を述べる義務も」
雪也は老人の傘下で仕事をしているわけではないし、もしも老人が逆恨みで手を回し雪也の仕事をことごとく潰したとしても、別の場所でまた一から頑張ればいい。
仕事と周の命。それは比べるべくもない。
決して思い通りにはならない。それは老人も理解せざるを得なかったのだろう。顔を真っ赤にしながらも、何を言うこともできない。そんな老人に、雪也は鋭い視線を向けた。
「今一度問いましょう。あなたは、この子のお身内ですか?」
逸らされることなくジッと見つめてくるその瞳に、老人は怒りで震えながらも杖を下ろした。
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