必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「ありがとうございます弥生兄さま。助かりました」
 地面に置いたままになっていたカゴを拾いながら近づいてくる雪也に、弥生は微笑んで頭を撫でる。
「丁度庵に行こうとしていたのだ。よくわからんが、役にたったのならなによりだな。紫呉の食欲に感謝」
 どうやら弥生や優はともかくとして、紫呉はよく食べるから食料を買い込んでから庵に向かおうとして出くわしたらしい。確かに、弥生たちが来てくれなければ男は完全に雪也達を侮っていたので話は長くなっていただろう。弥生の言うとおり、紫呉の果てなき食欲に感謝である。当の紫呉は言いたい放題だと肩を竦めていたが、思い出したように雪也に視線を向けた。
「にしても雪也、買い物だかなんだか知らねぇけど、あんまり厄介ごとに巻き込まれんなよ。刀持ってる奴に丸腰で相対するなんぞ無謀だ」
 いくら雪也が自分で薬を作れるといっても怪我をしないに越したことはなく、すべてが薬でどうにかなるものでもない。雪也に戦う術を教えたのは紫呉であるが、それも刀を持っている前提だ。丸腰で、周と由弦どころか町人たちを庇いながら相対するなど切ってくださいと言っているようなもの。危険極まりない。まさか自分は相手よりも強いなどと過信しているわけでもあるまいに、と渋面を作る紫呉に、雪也は苦笑しながら小さく頭を下げた。
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