145 / 984
144
しおりを挟む
「……って、おい! 俺だけがやらかしたみたいになってるぞ! 周だってクソ変態言ってたじゃねぇか! ついでに言ったら雪也だってクソ変態連呼どころか、クズクソ変態って言ってただろ!」
「お願い由弦、ちょっと黙って」
由弦の叫びに雪也が額に手を当てながら俯くが、一度声にされた言葉は戻らないし、聞こえなかったことにもならない。弥生たちの視線が雪也に向けられた。
「随分と雪也も言うようになったな。優の影響だろうか」
「いや、これは弥生でしょ? 僕には微笑みながら〝クズクソ変態〟なんて言う度胸はないよ」
「嘘八百もここまで堂々とされると、いっそ清々しいものだ」
「嘘じゃないけどね。僕はほら、臆病だから。きっともう少し前にここに来ていたら恐ろしくて声もでなかったと思うよ」
「むしろお前は嬉々として言うだろう。〝クズクソ変態〟なんて可愛らしいと思えるくらい、エゲつないことを言うだろう。断言してやっても言い」
「まさか。弥生には負けるよ」
ふふふ、あはは、と笑いながら交わされる弥生と優の顔に雪也達が顔を引きつらせる。そんな彼らを見て、紫呉はため息をつきながら主と同胞に視線を向けた。
「おい、そこらへんにしとけって。心配しなくても、普通にお前ら二人ともエゲつねぇし、容赦もねぇよ。胸張っていいぜ」
弥生や優に比べれば雪也たちの悪態など可愛いものだ。そう言い切った紫呉に弥生も優もそろって「そんなことは無い」と否定するが、残念ながらその言葉を信じる者はこの場に一人もいないだろう。
「お願い由弦、ちょっと黙って」
由弦の叫びに雪也が額に手を当てながら俯くが、一度声にされた言葉は戻らないし、聞こえなかったことにもならない。弥生たちの視線が雪也に向けられた。
「随分と雪也も言うようになったな。優の影響だろうか」
「いや、これは弥生でしょ? 僕には微笑みながら〝クズクソ変態〟なんて言う度胸はないよ」
「嘘八百もここまで堂々とされると、いっそ清々しいものだ」
「嘘じゃないけどね。僕はほら、臆病だから。きっともう少し前にここに来ていたら恐ろしくて声もでなかったと思うよ」
「むしろお前は嬉々として言うだろう。〝クズクソ変態〟なんて可愛らしいと思えるくらい、エゲつないことを言うだろう。断言してやっても言い」
「まさか。弥生には負けるよ」
ふふふ、あはは、と笑いながら交わされる弥生と優の顔に雪也達が顔を引きつらせる。そんな彼らを見て、紫呉はため息をつきながら主と同胞に視線を向けた。
「おい、そこらへんにしとけって。心配しなくても、普通にお前ら二人ともエゲつねぇし、容赦もねぇよ。胸張っていいぜ」
弥生や優に比べれば雪也たちの悪態など可愛いものだ。そう言い切った紫呉に弥生も優もそろって「そんなことは無い」と否定するが、残念ながらその言葉を信じる者はこの場に一人もいないだろう。
3
あなたにおすすめの小説
君に不幸あれ。
ぽぽ
BL
「全部、君のせいだから」
学校でも居場所がなく、家族に見捨てられた男子高校生の静。
生きる意味を失いかけた時に屋上で出会ったのは、太陽に眩しい青年、天輝玲だった。
静より一つ年上の玲の存在は、静の壊れかけていた心の唯一の救いだった。
静は玲のことを好きになり、静の告白をきっかけに二人は結ばれる。
しかしある日、玲の口から聞いた言葉が静の世界を一瞬で反転させる。
玲に対する感情は信頼から憎悪へと変わった。
それから十年。
かつて自分を救った玲に再会した静は玲に対して同じ苦しみを味合わせようとする。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
運命よりも先に、愛してしまった
AzureHaru
BL
幼馴染で番同士の受けと攻め。2人は運命の番ではなかったが、相思相愛だった。そんな時、攻めに運命の番が現れる。それを知った受けは身籠もっていたが、運命の番同士の子供の方が優秀な者が生まれることも知っており、身を引く事を決め姿を消す。
しかし、攻めと運命の番の相手にはそれぞれに別の愛する人がいる事をしり、
2人は運命の番としてではなく、友人として付き合っていけたらと話し合ってわかれた。
その後、攻めは受けが勘違いしていなくなってしまったことを両親達から聞かされるのであった。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
末っ子王子は婚約者の愛を信じられない。
めちゅう
BL
末っ子王子のフランは兄であるカイゼンとその伴侶であるトーマの結婚式で涙を流すトーマ付きの騎士アズランを目にする。密かに慕っていたアズランがトーマに失恋したと思いー。
お読みくださりありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる