必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 華都とのやり取りだけでも面倒なことが多いというのに、これで随ってきた各領主さえもが見方を変えるだろう。年若い将軍を見限る可能性も高くなった。たった一人で一国を治めるのが不可能であるように、領主の協力は必要不可欠。だというのに衛府の置かれた現状を見せつけてしまった形になった今、野心を抱く者が動き始めるだろう。
「物事において楽観視はしない主義だが、今回ばかりは帝の動きに願いを託すしかあるまい。幸いに、今上帝は尊皇を目的にされていても、まだ衛府に寛容な方だ。姫宮様も衛府側にいらっしゃる以上、無茶はされない……と、願っている」
 弥生の知る今上帝は穏やかで、妹を慈しんでいた。帝位を継いだ今、彼がどのような考えをもっているのか、もはや知ることはできないが、それでも幼き日の心がまだ帝の中に残っていることを願わずにはいられない。
「……庵に行きたいな」
 ポツリと零されたその言葉に、優は弥生の髪を撫でていた手を止めた。チラと瞼を閉ざす弥生に視線を向ければ、その目元は微かに黒くなっている。
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