必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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 弥生の言葉に肩をピクリと震わせて、頷くことも笑うこともせず、離してくれるなと言わんばかりに弥生の袖をギュッと握りしめるその姿が痛々しい。この子が心の底から安心し、恐れることなく過ごせる日が早く来るようにと、弥生は祈るようにゆっくりと瞼を閉じた。

 弥生の腕に抱かれて静かに涙を流す雪也を、茂みに隠れながら周と優は見つめていた。帰ってこない雪也と弥生を心配してソワソワと落ち着きのない周を見かね、蒼と湊がそんなに気になるのなら様子を見てくればいいと背中を押したのだ。そして弥生は気づかれたとしても問題はないかもしれないが、流石に雪也に気づかれるのは不味かろうと優もついてきて、このようにこっそりと息をひそめて隠れながら二人の様子を見ていた。
 これ以上近づいては流石に気づかれると優が言うので少し距離があるが、それでも弥生が何を言ったのかは微かに聞こえてきた。こうすれば良かったのかと弥生の言葉に驚くと同時に、モヤモヤと気持ちの悪いものが胸の奥から沸き上がってきて周は顔を顰める。そんな周の様子に、優はクスリと笑った。
「好きな人が自分以外の腕の中にいるのは面白くないだろう? 大丈夫、僕も恋人が自分以外を腕に抱いているのは少しばかり面白くはないよ。でも周、これだけは許してやって。あの二人に恋愛感情なんてこれっぽっちも無いから」
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