必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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「お前は先程、春風の側にいた者だな。衛府の手先が私に何用か」
 流石に弥生の側にいたことは知られているか、と苦笑して、紫呉は彼が佩いた刀に視線を向ける。
「別に用ってほどじゃねぇよ。俺は戦うことだけが唯一の取柄なんでな、言葉で何かするには向かねぇ。とはいえ、ここでお前と戦うつもりもない。今はな」
 その証拠、とでも言うように紫呉は今もゆったりと塀に背中を凭れさせ、槍を構えようともしない。ではいったい何故自分にわざわざ声をかけてきたのかと眉間に皺を寄せた時、紫呉は浩二郎の向こう、血に塗れた籠を見て、再び「これで満足か」と問いかけた。
「あの籠には現将軍・芳次公の懐刀である卯領の大臣が乗っていた。それを知っていて、あんな風にしたんだろ? 見たところ、卯領の大臣や家臣たちは全滅のようだが、お前たちの方も無傷ではなかったみたいだ。同志という大きな犠牲を払って将軍の懐刀を暗殺し、お前たちは満足したのか?」
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