猫たちのハロウィン

hanahui2021.6.1

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① ぼやき

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『あーぁ つまんねーなー』
ため息をつきながら、チラリとかたわらを見た。
そこに居たのは、【めがね】 と 【ナース】 という2匹の猫。
めがねの仮装は、たぶんゾンビだろう。
今は 全身に包帯を巻いていて、
彼の最大のトレードマークである メガネを掛けたような模様を おがむことはできない。
一方、一緒にいるナースは、真っ白なペルシャ猫。
黒いマントを羽織り 手にはほうきを持ち、典型的な魔女の格好をしている。
『う、うわっ…かわいい‼』
下に同じ色のワンピースを着ているのか
【コンパクトな黒づくめ】 に仕上げられた全身は 
ツンとした おすまし顔と 妙にマッチしてて 
ものすごくキュート!
実は彼女に、ひそかに恋心を抱いているオイラの心を 見事に ぶち抜いた。
ついでにオイラは、ホワイトソックスの黒猫で、名前は 【またたび】 という。
名前の発案は、和装の時にく 【足袋タビ】からとった。


++++++++==

ココは、猫がたくさん住んでいる猫の国。
 妖怪 猫又の 【まねき】 が治めている。
この国の猫たちは、体(上半身)を起こし 二足歩行し 
日々の暮らしを楽しんでいた。

ひどく暑かった夏が  ようやく過ぎ去り、ひと心地ついた頃。
まねきの屋敷で ハロウィンパーティが開かれることになった。パーティの催しに クイズ大会が企画されている。
問題数は、全部で10問。
景品は、クイズの正解数に応じて、オヤツの量が変わるという催しだ。

おいらは、友達のテツとチンを引き連れて 海賊にフンし お屋敷に参上。
ところが クイズの際の班分けは、ランダム。
入口で配布されていたチラシが クジの役目をニナっていて、
パーティ会場に入ると 
またたく間に 友達と引き離されてしまった。
シブシブ 指示どおりに動くと、
現れたのは、最初に紹介した2匹。

時は移り、冒頭のため息につながるのである。
ナースは良い。
というか、むしろ歓迎する。
親密度を上げるチャンスなんて なかなか巡ってこないのだから…。
しかし めがねは、100% 目ざわり でしかない。
ナースをエスコートするのに 
常に めがねが、お邪魔虫。
その姿が、ありありと 眼裏にマナウラに思い浮かぶ。


立ちつくしたまま、チロチロと2匹を眺めていると
「悪いけど、不本意なのは お互いさまだからね!」
いきなり めがねがみついてきた。
「ボクだって、友達と来たんだ」
「本当に最悪‼
言っちゃ悪いけど、君たちみたいなバカと回ったら 
ちっともオヤツにありつけないかもしれないからね!」
その言いように カチンとくる。
今まで…めがねとの交流が無さすぎて知らなかったけど
こんなこと…言っちゃうヤツだったんだー 
感心すると同時に、グッと コブシを握りこみ 怒りをこらえる。
「お、オマエらがイヤだ! 
なんて、一言も言ってないじゃないか!」
不覚にも どもってしまった。
『ビビってると思って これじゃナメられちまう‼』

あせってるオイラをよそに
「キミの場合…
全て 顔に出てるんだだよ」
コチラに 1ミリも振り返らず、 そっけなく言いきった。
彼の目はすでに、問題の書かれた紙に 吸いよせられていた。


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