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④ 終わったけど…
しおりを挟む「彼の家、だったのかしら?
それで、何かを取りに行ったとか⁉」 疑問を口にするナースに
「何を取りに行ったんだろう?
死ぬかも しれなかったのに?」 真剣に悩む めがね。
めがねは、ただ 疑問を口にしただけなのに…。
ナースは、自分が責められれると とったらしく
「そんなの…私にだって わからないよ…」
理不尽な問いかけに ナースは、
タンタンと応えながら そっぽを向いた。
「そりゃそーだ」 オイラは、すかさず同意する。
その時、
ピコーン‼ ん⁉?? 何か、が…ひらめいた⁉?
「ひょっとしたら…太郎くんって⁉…
【子供】じゃなくて、【大人】…だったり、して…?」
オイラが、全て言い切る前に めがねが
「そうか‼」 と声を上げ
「…ってことは…【消防士】!」
彼は、消防士なんだよ!
【消防士】なら、燃えてる家に入っていっても おかしくない‼」 と、正解を叫びあげた。
「ちょっ…ズリィーよ!
オイラのセリフ、全部 言っちまった‼」 むくれるオイラを
「ごめん,ごめん…」 おざなりに なだめ
めがねは、クルリと 背を向けた。
「あれ?ドコ 行くんだ?」
オイラの問いかけは、軽くスルーし
「最後の答え、言いに行かなきゃ⁉」
「ほら、キミも行くよ!」
半ば 強制的にオイラを 連れ出そうとする。
「そんなに 急かすなよー!」
ブツクサと文句を言って、なかなか 動き出さないオイラに
「サッサと行って、チャッチャと終わらせちゃおうよ!」 オイラを 急き立てた。
ところが、当のオイラは…
『最後…終わり、オワリ…ということは…皆との別れ』
脳内で自動的に変換され、それに伴い
オイラのメンタルが、沈みこんでゆく。
『めがねは、深い意味で言ったワケじゃない…』
『わかってる…』
『頭では わかってるけど………』チラつく【別れ】 の二文字。
『あぁ…オイラ、ワリと…
めがね…気に入ってたんだ!
別れて悲しいのが、【ナース】じゃなくて
【めがね】ってところは 笑っちゃうけど…』
いつまで待っても 追いかけてこないオイラを 不審に思ったのか
「どうしたんだー?」
声をかけながら、めがねが戻ってくる。
オイラに 手が届きそうなくらいに 近づいた時
「あれ⁉」 オイラの顔をのぞき込み めがねが声を上げた。
「ナニ,泣きそうな顔してるの?」
「チガッ‼ 泣いてねーよ!」 とっさに否定する オイラ。
「ほら、ナミダ 出てないだろ‼」 目元をぬぐい、ソレを 見せつけるように めがねの目の前にかざす。
しかし めがねは、ニヤつきながら
「そんなに ボクに惚れちゃったのかー?
ボクって、意外と…罪つくりー‼」 おどけてみせる。
「だ・か・ら!泣いてないって‼」
いたたまれなくなり オイラは 怒鳴りかえす。
「そんなに 興奮しないで、
まあ、落ち着きなって‼」
めがねは、エラそーに 肩に手を置き、
もう一度 オイラをイスに座らせた。
そして 耳元でささやく。
「これからも よろしく!」
その後、3人そろって 係員の待つ机に近づくと、
ソコには、意外な人物(ネコ)がいた。
++++++++++
「やぁ、解けたみたいだね!」 彼はそう言うと
「「「まねき…様‼」」」 おどろいて 声を上げるオイラたちを軽く受け流し
「オールクリア、おめでとう‼」 満面の笑みで、出迎えた。
「ナゼ、コチラに?」 改めて めがねが尋ねると
「イヤー!
パーティに参加してくれた 皆に 礼をしたくてね
ココで 待ってたんだ!」 笑顔のままで説明すると
「そんなわけで…
ぜひとも、キミたちには、感謝の言葉を受けてもらいたい‼」 そう言いながら、ハグしようと 両手を広げ近づいてきた。
「ストップ! ストーップ‼」 手のひらをパーの状態に広げ 体の前に突き出し ソレを 全力で阻止。
ってか この人、男のオイラたちは ともかくとして、
女の子に…コレやったら→犯罪になるって 気づいてるのカナー⁉
怪訝そうに 立ち止まった 彼に
「まねき様ぁー、フライングっす!
オイラたち まだ、最後の回答してないっすから」
オイラは、いいわけした。
「おや⁉」 一瞬 記憶を探るように黙りこむと
「そう、だったなー」 そごうをくずし
「では、最後の回答を聞こうか」 いずまいを正した。
「「「彼は、消防士なんです」」」
示し合わせたように みんなでハモリながら答えると
「正解だ。よくわかったね!」
回答を耳にした まねき様は
「おめでとう。
改めてお祝いを言わせてほしい」 口にしながら ねぎらうように肩を抱いてくる。
『この人、意外と スキンシップ激しいな』 と思いつつ
オイラは 素直に それに身をまかせた。
すると
ところで、キミの顔のソレは、どうしたのかな?
まねき様は、ニコニコと 顔に笑みを貼り付けたまま、
鋭くツッコんでくる。
「そ,それは…」 と一度は誤魔化うと試みるが
威圧感のある微笑みに押しきられれ…
あらがいきれずに気づくと 一部始終を白状していた。
++++++++++
「というわけです」
まねき様への状況説明も済み、
フゥー オイラは息を吐き出し 口をつぐんだ。
「なるほどねー」
そう言ったきり、まねき様は 考え込み黙ってしまった。
仕方なく そのまま待っていると
「少し説教くさくなってしまうが,いいかな⁉」
了解を取るように 前置きして
「【三矢の訓】という話を知ってるかな?
ことわざ 【三本の矢】の元になった話なんだけれど。
戦国武将の毛利元就が、3人の息子を呼びよせ 語った話なんだ」
ぐるりと3人を見わたし、また口を開く。
「手元に 弓矢を用意し
1本だと 簡単に手折れてしまう弓矢も、
3本集まれば たやすく 折られずに済む。と、実際にやってみせる。
【百聞は一見に如かず】 と言うヤツだね。
他人と協力することの大切さを説いた話だ。
余談だけど…今回のグループ活動を思いつくキッカケになった話なんだ!」
「ここ最近の人々を見ていると、
皆、同一に 【自分勝手】
情けないことに、若者だけでなく、
本来なら ソレを注意する立場にあるばずの 中高年の者たちまでそんな有り様。
原因は 様々あるだろうが,
その一つに、最先端の事例ばかりを尊敬して、
古くから伝わっていることを、軽んじる傾向にあると思う」。
「【人は、一人では生きていけない】
だから…
なるべく他人といさかいを起こさないようにしなければ ならない。
そこで 重要になるのが、【常識やマナー ルール】だと思う。
残念なことに 最近ないがしろに されてしまうことが多いが、
昔の人々が 何十年・何百年もかけて
色々な境遇でも対応できるように試行錯誤し あみだした皆が|納得できるライン。
ソレが、ルールやマナー・常識だと思う。
だから そう 易々と 軽視して良いものではないハズだし、もっと大切にしなきゃいけないものじゃないかなぁ」
「キミの頬のキズ それも、
もし、キミらが お互いに、自制し合っていたとしたら 起こらなかったこと かもしれないよ」
まねき様の ありがたーい(?)お話を聞き終わり…。
やっとオイラたちは、解放された。
++++++++++
予想通り ナースとは、切れてしまった。
イベントが終了し 屋敷から出ると、
「じゃあね バイバイ」 アッサリと手を振り、帰っていった。
とりつく島もなかった。
連絡先を交換する時間さえ 与えてくれなかった。
一方 めがねは、3ヶ月経った今も、時々 連絡を取り合っている。
「あーぁ、ナースはあきらめるカナー⁉」
口に出してみるが…
「意外と 痛くならないな」 胸を見下ろし 苦笑い。
ソレを振りきるように
「さぁ、明日もがんばろう!」
スッパリと 心を入れ替えるオイラだった。
おしまい
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