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目の前にはおばあさんがいます。

おばあさんも、しなものをかうためレジにきたのですが、耳がとおいらしく、なかなか言っていることがつたわりません。
その上、目もよくないらしく、手もとのおさいふもひらいたままです。

ことりは、とっさにかけよりました。
おはあさんをたすけようとちかづくのですが【あといっぽのゆうき】がだせません。
ぐだぐだしているうちに、おわってしまいそうです。 

『早くしないと…』
きもちばかりがあせります。

あんのじょう、おばあさんのかいけいは、おわってしまいました。
ことりは、おばあさんをたすけることが出来なかったのです。
こんなの【りっぱなおねえさん】とはいえません。

しょぼん………

かたをおとし、そのばしょから たちさろうとしたとき、
おもいがけすチャンスかめぐってきました。
かいけいのおわったおばあさんが、かえろうと足をふみだしたとき、バランスをくずし、よろけたのです。

『あぶない!!』

とっさに手を出し、おばあさんをささえていました。

おばあさんは、ことりのおかげでころばずにすんだのです。

「おじょうちゃんありがとう」
おばあさんはことりにそう言うと、またあるき出しましたが、どうもその足どりは、おぼつかなくて。ことりは、いそいでパンのしはらいをすませ、おばあさんについていくことにしました。

なぜか?
おばあさんのほうでも、ことりのかいけいを、まってくれています。
ふしぎでしたが、もらったおつりをいそいでポシェットにしまい、おばあさんにちかづくと、二人でおみせを出ました。 

ことりは、目をぱちくり、なんどもまたたきました。
目の前にペンギンがいます。
それも、せなかに小さなはねをつけ
パタパタ、パタ…
ことりのまわりをとびまわっているのです。

ふしぎなとことがおきたのは、おみせを出て2.3ぽあるいたころです。
とつぜん、いっしょにあるいていた
はずのおばあさんがすがたをけし、かわりに空とぶペンギン(?)があらわれました。
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