23 / 23
22話 その後 ーENDー
しおりを挟む私とアルフレッド様はティエリーを引き取りスリンドン子爵に、『弟を孤児院にすてたあなたとは絶縁します』 …という内容の絶縁状を送り、徹底的に拒絶した。
私は2度とお父様に会うことは無かった。
そのあと継母だったローザ様が私とアルフレッド様の新居、アドフォートン男爵邸に押しかけてきて…
「私がティエリーの母親よ! あなたたちが私の息子を大切に思うなら、口止め料を下さい」
…と私たちはローザ様に脅迫をされたが、こちらは法的にも正しい手続きをとりティエリーを養子にしている。
「バカバカしい。 王立騎士団を呼べ」
アルフレッド様は問答無用で、王都の治安を守る王立騎士団にローザ様を引き渡した。
脅迫罪で罪人となったローザ様が、その後どうなったかは知らない。
―――結婚してから11年の時が過ぎた。
私とアルフレッド様にはティエリーの他に、娘が2人に息子が1人と… 3人の子供に恵まれた。
「お母様、お祖父様のところに行ってきます」
「行ってらっしゃい、ティエリー」
国王陛下の護衛任務につく忙しい夫にかわり、義父の先代ハンケロウ伯爵が剣の師匠となり、息子を鍛えてくれているのだ。
ティエリーは将来、父親や祖父のような騎士になりたいと、学園の騎士課に入学することが決まっていた。
義父はアルフレッド様よりも、ティエリーは将来有望だと言っている。
「良いなぁ… 僕もお兄様のように、お祖父様に剣を習いたいなぁ…」
「ふふふっ… ティエリーが学園に行くようになったら、今度はエルマンがお祖父様に剣を習う番よ」
次男のエルマンは長男のティエリーを尊敬しているから、いつもマネばかりしている。
「本当に?!」
「本当よ」
数ヶ月前にスリンドン子爵が病気で亡くなり、遺言書を残していた。
その遺言書には私とアルフレッド様の子供に、スリンドン子爵家を継がせると書かれていた。
「ティエリーに継がせよう」
「ええ、それが良いわね。 スリンドン子爵家は元々、あの子のものだから」
私とアルフレッド様は迷わず決めた。 たとえ養子でもティエリーは私たちの息子だから、何の問題もない。
私はお父様へのささやかな復讐をはたし、ニンマリと笑った。
ー E N D ー
ここまで読んで下さりありがとうございます!
イチャイチャ、ラブラブが少ないお話でしたが、なんとかハッピーエンドにたどりつけました。
また、どこかでお会い出来れば幸いです☆彡
359
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
元婚約者からの嫌がらせでわたくしと結婚させられた彼が、ざまぁしたら優しくなりました。ですが新婚時代に受けた扱いを忘れてはおりませんよ?
3333(トリささみ)
恋愛
貴族令嬢だが自他ともに認める醜女のマルフィナは、あるとき王命により結婚することになった。
相手は王女エンジェに婚約破棄をされたことで有名な、若き公爵テオバルト。
あまりにも不釣り合いなその結婚は、エンジェによるテオバルトへの嫌がらせだった。
それを知ったマルフィナはテオバルトに同情し、少しでも彼が報われるよう努力する。
だがテオバルトはそんなマルフィナを、徹底的に冷たくあしらった。
その後あるキッカケで美しくなったマルフィナによりエンジェは自滅。
その日からテオバルトは手のひらを返したように優しくなる。
だがマルフィナが新婚時代に受けた仕打ちを、忘れることはなかった。
望まない相手と一緒にいたくありませんので
毬禾
恋愛
どのような理由を付けられようとも私の心は変わらない。
一緒にいようが私の気持ちを変えることはできない。
私が一緒にいたいのはあなたではないのだから。
初恋のひとに告白を言いふらされて学園中の笑い者にされましたが、大人のつまはじきの方が遥かに恐ろしいことを彼が教えてくれました
3333(トリささみ)
恋愛
「あなたのことが、あの時からずっと好きでした。よろしければわたくしと、お付き合いしていただけませんか?」
男爵令嬢だが何不自由なく平和に暮らしていたアリサの日常は、その告白により崩れ去った。
初恋の相手であるレオナルドは、彼女の告白を陰湿になじるだけでなく、通っていた貴族学園に言いふらした。
その結果、全校生徒の笑い者にされたアリサは悲嘆し、絶望の底に突き落とされた。
しかしそれからすぐ『本物のつまはじき』を知ることになる。
社会的な孤立をメインに書いているので読む人によっては抵抗があるかもしれません。
一人称視点と三人称視点が交じっていて読みにくいところがあります。
〖完結〗あんなに旦那様に愛されたかったはずなのに…
藍川みいな
恋愛
借金を肩代わりする事を条件に、スチュワート・デブリン侯爵と契約結婚をしたマリアンヌだったが、契約結婚を受け入れた本当の理由はスチュワートを愛していたからだった。
契約結婚の最後の日、スチュワートに「俺には愛する人がいる。」と告げられ、ショックを受ける。
そして契約期間が終わり、離婚するが…数ヶ月後、何故かスチュワートはマリアンヌを愛してるからやり直したいと言ってきた。
設定はゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全9話で完結になります。
心を病んでいるという嘘をつかれ追放された私、調香の才能で見返したら調香が社交界追放されました
er
恋愛
心を病んだと濡れ衣を着せられ、夫アンドレに離縁されたセリーヌ。愛人と結婚したかった夫の陰謀だったが、誰も信じてくれない。失意の中、亡き母から受け継いだ調香の才能に目覚めた彼女は、東の別邸で香水作りに没頭する。やがて「春風の工房」として王都で評判になり、冷酷な北方公爵マグナスの目に留まる。マグナスの支援で宮廷調香師に推薦された矢先、元夫が妨害工作を仕掛けてきたのだが?
旦那様に「君を愛する気はない」と言い放たれたので、「逃げるのですね?」と言い返したら甘い溺愛が始まりました。
海咲雪
恋愛
結婚式当日、私レシール・リディーアとその夫となるセルト・クルーシアは初めて顔を合わせた。
「君を愛する気はない」
そう旦那様に言い放たれても涙もこぼれなければ、悲しくもなかった。
だからハッキリと私は述べた。たった一文を。
「逃げるのですね?」
誰がどう見ても不敬だが、今は夫と二人きり。
「レシールと向き合って私に何の得がある?」
「可愛い妻がなびくかもしれませんわよ?」
「レシール・リディーア、覚悟していろ」
それは甘い溺愛生活の始まりの言葉。
[登場人物]
レシール・リディーア・・・リディーア公爵家長女。
×
セルト・クルーシア・・・クルーシア公爵家長男。
帰ってきた兄の結婚、そして私、の話
鳴哉
恋愛
侯爵家の養女である妹 と
侯爵家の跡継ぎの兄 の話
短いのでサクッと読んでいただけると思います。
読みやすいように、5話に分けました。
毎日2回、予約投稿します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる