婚約者を妹に譲ったら、婚約者の兄に溺愛された

みみぢあん

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22話 ふたたび帰郷 エドガーside

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 花嫁を交代して行われるジョナサンとアリアーヌの結婚式前に… 自分たちの結婚をさっさとまとめてジュリーを王都へ連れ帰りたかった、せっかちなエドガーは婚約を省略した。

 通常の場合、婚約期間が短いと『花嫁が妊娠しているのか?』だとか、『2人のどちらかに問題があるに違いない』などと、くだらない邪推じゃすいをされ醜聞しゅうぶんになりかねない。

 だが、すでにジョナサンとアリアーヌのせいで、セイフォード男爵領近隣では醜聞しゅうぶんとなっているため…
『正式に段階をんで結婚準備を進めることに、あまり意味は無いだろう?』
 …とエドガーは合理的に考え、はぶくことに決めたのである。

 ジュリーのために男爵令嬢にしては破格と言っても良いほどの好条件で、セイフォード男爵に婚前契約を提案しようと… エドガーは弁護士と相談し内容をり上げ完璧な契約書を作成した。

 男爵家からの持参じさん金はいっさい求めず、逆に多額の支度したく金を…
『ジュリーのために伯爵家から贈る』
 …という内容の契約書だ。

 自分たちの結婚に必要な書類がすべてそろうと… エドガーは王太子にふたたび休暇を申請し、(すごく王太子にゴネられたが振り切って)本邸に戻って来た。

「お帰りなさいませ、旦那様」
 ファゼリー伯爵邸の荘厳そうごんな玄関ホールでエドガーを出迎えた執事に、帽子と手袋、上着を順番に脱いで渡しながら、ジョナサンの居場所をたずねる。

「それでジョナサンはまた男爵家へ行っているのか?」

「ジョナサン様ですか?」
 執事は急に顔をくもらせた。

「どうせきもせずアリアーヌ嬢に会いに行っているのだろう?」
 ジュリーに比べると… 昔からメソメソと泣いてばかりで子供っぽい娘のどこが魅力的なのか私にはさっぱりわからないが。

 男爵と婚約解消の話し合いをするため、前回帰郷ききょうした時、エドガーはついでにアリアーヌとも話した。
 その時も何が悲しいのか、ずっとメソメソと泣いていたのだ。

『まるで自分の方が誰かに裏切られでもしたような、態度ではないか』
 それからエドガーが持つアリアーヌの印象は、さらに辛口となった。

「確かに容姿は美しいが… 私の目には王都にいる令嬢たちと大差ないように見える」
 アリアーヌを賛美さんびする下手くそな詩を、毎日書いて贈っているジョナサンの気持ちが私にはまったく理解できない!
 でもまぁ… 彼女はジュリーの妹だから丁重ていちょうにあつかうが。 正直どうでも良い。
 
 アリアーヌに関する酷評こくひょうを時々口に出しながら、エドガーがつらつらと頭の中で考えていると…
 
 執事がおずおずとエドガーに助けを求めるように口を開いた。


「あの… 旦那様、ジョナサン様が2週間ほど前から自室にこもったきり、出てこられないのです」





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