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38話 聖なる試み2 アンバレside
しおりを挟む弱くとも聖なる力を持つソレイユなら、聖遺物を使い力を増幅することで、アンバレを苦しめる呪毒の浄化をできるのではないかと… 神官長に提案された。
「神官長殿はソレイユに浄化魔法が使えるか、試してみろというのですね?」
眉間にしわを寄せてアンバレは、もう一度たずねた。
「はい、聖なる魔力を持つ者が少なく、また聖遺物自体を守るためにこの神殿に存在することも、今までは秘密にされて来ましたから」
神官たちは、聖遺物を道具のように使うよりも、守ることを重視したため、今まで試されることがなかったのだ。
「なるほど… 確かに聖遺物には昔から力があると言われ、我が国では王家が厳重に保管し、管理されていると聞きました」
「その通りです… 聖女エクレラージュ様は特別な方で、歴代の聖女様がたはその時代の王族と結婚し、国を支える礎となるのが当たり前でしたが…」
なぜか神官長は言いよどむ。
「確か… 聖女エクレラージュ様は当時の王太子殿下とは結婚しないで、生涯独身をつらぬいたと、母にもらった本には書いてありましたが?」
ソレイユが話の続きをすると…
「どうか、お2人とも… 聖遺物の存在と同じく、ここから私が話す内容も口外しないと約束してください」
「当然です、聖遺物は守られなければならないし、それで下らない争いになるのも、私たちは好みません… 神官長殿、私とソレイユはこの神殿で見聞きしたことを秘密にすると誓います」
アンバレは隣に立つソレイユと仲良く見つめ合い、2人でうなずき合ってから、神官長に向きなおり誓いの言葉を口にした。
王立魔法騎士団の元騎士団長ペイサージュ伯爵は、魔法士たちの間でも、騎士としての能力だけで無く、誠実な人柄だと高く評価され、国王にも信頼される人物だと有名だった。
ペイサージュ伯爵が誓うというのなら、それは絶対に守られる誓いだと、神官長も納得する。
「聖女エクレラージュ様は、密かに王族以外の男性と恋に落ち、その方の子を産み落とされたのです… 聖女様のお相手が、この地を治めるオルドナンス公爵家の方だったのです」
「それはまた… 予想外の話ですね」
「まぁ! 何だか素敵なお話だわ!」
乙女心を刺激されたらしく、ソレイユはうっとりと夢見るような瞳でアンバレに凭れかかる。
「この神殿にある聖遺物とは、聖女エクレラージュ様のご遺体なのです」
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「確かに遺体では、簡単に動かせないのは当然ですね…」
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その話を学生時代に、初めて魔法の指導教官に聞いた時、アンバレはうっかり想像してしまい、食事が喉を通らなくなったのをおぼえていた。
絶対にソレイユにはしない方が良い話だと、アンバレは苦笑いを浮かべる。
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