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居場所
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花祭りの事件から1週間後、クロエは学園に戻ることになった。
朝教室に入ると、一斉に皆がクロエを見た。さすがのクロエも、騒ぎを起こしてしまったといういたたまれなさがあった。
早くイオ、リナリー、ラリーに会いたかった。
昼休みになり、食堂にいくと、いつもの席に3人がいた。
嬉しくなり、クロエは足早に近付いていくと、もう1人座っている人物がいる。
セリーナだった。
クロエは一瞬ドキッとした。
あの事件以降、セリーナに直接会うのは初めてだ。一度、きちんとお礼にいかなくてはと思っていたが、まさかここにいるとは思わなかった。クロエが近付くと、4人は席を立ってクロエを迎えた。
リナリーが抱きついてきて
「クロエ~!寂しかったよ!」
と言ってくれた。
イオも
「うん、俺も!待ってたよクロエ。」
と笑って言った。
セリーナがクロエに近付いてきて、
「クロエ様、体調はいかがですか?」
と話しかけてきた。
「セリーナさん、この前は、助けていただいて本当にありがとうございました。感謝してます。」
「そんなの、当たり前ですよ!気にしないで。それはそうと、最近ここでよく、お昼をご一緒させてもらってます!クロエ様、私が一緒でも大丈夫ですか?」
セリーナが聞いてきた為、クロエは
「ええ、もちろん。それに、敬語はやめて、クロエと呼んで。」
と笑顔で言った。
正直、セリーナに対しては複雑な感情があった。アリオンとのことで一度はセリーナを嫌いになった。
しかし、クロエの傷を治してくれたのもまたセリーナであり、セリーナがいなかったら今頃どうなっていただろう。セリーナがクロエの恩人であることは事実だった。
過去のことをいつまでも引きずって、セリーナを避けていても仕方ない。3人と仲良くしているというのなら、迎え入れるしか、セリーナには選択肢がなかった。
それから席に戻り、お昼を再開した。
セリーナは3人と仲良くなっており、今日何をしたとか、こんな失敗をして笑われたとか、他愛のない話を楽しそうにしていた。
クロエは、リナリー、イオ、ラリーに話したいことがたくさんあったはずなのだが、なんとなく盛り上がっている会話に入ることができず、笑顔で聞き役に徹していた。
なんだか疲れる。
クロエがそう思っていると、隣に座っていたイオが、机の下で軽く手を重ねてきた。
皆は気付いてないが、クロエはすごくドキドキした。嬉しくて少し表情が崩れた。
それからというもの、セリーナが一緒にいることが多くなり、居づらさを感じ始めたクロエであった。
◇
ある日の放課後、リナリーがクロエのクラスへやってきた。
「クロエ!たまには2人で話さない?」
と誘ってきた。クロエは嬉しくなって、リナリーと一緒に中庭のベンチに腰かけた。
久しぶりに2人っきりでリナリーと話せる。クロエの表情は明るかった。
「クロエはやっぱりその笑顔じゃないと~。最近、前みたいに話さなくなったじゃん?セリーナいるからだと思うけど。ちょっと気になって。」
リナリーに心配をかけてしまった。クロエは、態度に出てしまっていた自分を反省した。
「ごめんね、リナリー心配かけて。私、なんていうか、友達今までいなかったから、すぐに仲良くなるの苦手で。リナリー、イオ、ラリーとすぐに仲良くなれたのは、特別だったの。」
本当はセリーナと以前色々とあったからなのだが、そこは伏せておいた。
また、セリーナがイオに対して距離が近いような時があり、焼きもちを焼いてしまう自分も嫌になった。セリーナは激しく共感した。
「分かるよ~!ここだけの話、私も、クロエとは親友だけど、セリーナは恩人ではあるけど親友じゃないもん。前みたいに4人で話す方が楽しかったなって。」
クロエは、『親友』と言われて嬉しくなり、頬を赤らめた。
「悪口みたいになるんだけどさ、セリーナって、イオとラリーに対しては私よりも甘え上手って言うか、スキンシップ多かったりとかしてさ、気になってたの!」
「それで、セリーナいないときに、ラリーにそのこと言ったら何て言ったと思う?『リナリー、かわいい子への女子の嫉妬は見苦しいよ』って言ったんだよ!?アイツ鼻の下伸ばしやがって!」
クロエはなんだか笑ってしまった。クロエがセリーナに対して思っていたことを、リナリーも全く同じように感じていたのか。
「あっそれと、クロエに言わなきゃいけないことがあって。」
「セリーナね、この前放課後に、専門のクラスまで来て、イオに何か話しかけてたの。私は聞いてないふりして聞き耳立ててたらさ、なんと、『イオの家に行ってみたい』って言ってたんだよ!?」
クロエは驚いた。セリーナは、アリオンへしたことと同じようなことを今度はイオにしようとしているのか。
「それで、イオは何て?」
「親に言ってないし、部屋汚いから無理~みたいな感じで断ってたよ!」
イオがセリーナを自宅へ呼ばなかったことが嬉しかった。クロエの時は、親に言わずに連れてきて母親から苦言を呈されていたので、適当な断り文句だろう。
しかし、セリーナは自分と違って甘え上手で、話が面白くて、かわいらしい。何度もアプローチされたら、イオもセリーナを好きになってしまうんじゃないかという不安は残った。
またあの2人の秘密の場所で、イオと話したかった。
朝教室に入ると、一斉に皆がクロエを見た。さすがのクロエも、騒ぎを起こしてしまったといういたたまれなさがあった。
早くイオ、リナリー、ラリーに会いたかった。
昼休みになり、食堂にいくと、いつもの席に3人がいた。
嬉しくなり、クロエは足早に近付いていくと、もう1人座っている人物がいる。
セリーナだった。
クロエは一瞬ドキッとした。
あの事件以降、セリーナに直接会うのは初めてだ。一度、きちんとお礼にいかなくてはと思っていたが、まさかここにいるとは思わなかった。クロエが近付くと、4人は席を立ってクロエを迎えた。
リナリーが抱きついてきて
「クロエ~!寂しかったよ!」
と言ってくれた。
イオも
「うん、俺も!待ってたよクロエ。」
と笑って言った。
セリーナがクロエに近付いてきて、
「クロエ様、体調はいかがですか?」
と話しかけてきた。
「セリーナさん、この前は、助けていただいて本当にありがとうございました。感謝してます。」
「そんなの、当たり前ですよ!気にしないで。それはそうと、最近ここでよく、お昼をご一緒させてもらってます!クロエ様、私が一緒でも大丈夫ですか?」
セリーナが聞いてきた為、クロエは
「ええ、もちろん。それに、敬語はやめて、クロエと呼んで。」
と笑顔で言った。
正直、セリーナに対しては複雑な感情があった。アリオンとのことで一度はセリーナを嫌いになった。
しかし、クロエの傷を治してくれたのもまたセリーナであり、セリーナがいなかったら今頃どうなっていただろう。セリーナがクロエの恩人であることは事実だった。
過去のことをいつまでも引きずって、セリーナを避けていても仕方ない。3人と仲良くしているというのなら、迎え入れるしか、セリーナには選択肢がなかった。
それから席に戻り、お昼を再開した。
セリーナは3人と仲良くなっており、今日何をしたとか、こんな失敗をして笑われたとか、他愛のない話を楽しそうにしていた。
クロエは、リナリー、イオ、ラリーに話したいことがたくさんあったはずなのだが、なんとなく盛り上がっている会話に入ることができず、笑顔で聞き役に徹していた。
なんだか疲れる。
クロエがそう思っていると、隣に座っていたイオが、机の下で軽く手を重ねてきた。
皆は気付いてないが、クロエはすごくドキドキした。嬉しくて少し表情が崩れた。
それからというもの、セリーナが一緒にいることが多くなり、居づらさを感じ始めたクロエであった。
◇
ある日の放課後、リナリーがクロエのクラスへやってきた。
「クロエ!たまには2人で話さない?」
と誘ってきた。クロエは嬉しくなって、リナリーと一緒に中庭のベンチに腰かけた。
久しぶりに2人っきりでリナリーと話せる。クロエの表情は明るかった。
「クロエはやっぱりその笑顔じゃないと~。最近、前みたいに話さなくなったじゃん?セリーナいるからだと思うけど。ちょっと気になって。」
リナリーに心配をかけてしまった。クロエは、態度に出てしまっていた自分を反省した。
「ごめんね、リナリー心配かけて。私、なんていうか、友達今までいなかったから、すぐに仲良くなるの苦手で。リナリー、イオ、ラリーとすぐに仲良くなれたのは、特別だったの。」
本当はセリーナと以前色々とあったからなのだが、そこは伏せておいた。
また、セリーナがイオに対して距離が近いような時があり、焼きもちを焼いてしまう自分も嫌になった。セリーナは激しく共感した。
「分かるよ~!ここだけの話、私も、クロエとは親友だけど、セリーナは恩人ではあるけど親友じゃないもん。前みたいに4人で話す方が楽しかったなって。」
クロエは、『親友』と言われて嬉しくなり、頬を赤らめた。
「悪口みたいになるんだけどさ、セリーナって、イオとラリーに対しては私よりも甘え上手って言うか、スキンシップ多かったりとかしてさ、気になってたの!」
「それで、セリーナいないときに、ラリーにそのこと言ったら何て言ったと思う?『リナリー、かわいい子への女子の嫉妬は見苦しいよ』って言ったんだよ!?アイツ鼻の下伸ばしやがって!」
クロエはなんだか笑ってしまった。クロエがセリーナに対して思っていたことを、リナリーも全く同じように感じていたのか。
「あっそれと、クロエに言わなきゃいけないことがあって。」
「セリーナね、この前放課後に、専門のクラスまで来て、イオに何か話しかけてたの。私は聞いてないふりして聞き耳立ててたらさ、なんと、『イオの家に行ってみたい』って言ってたんだよ!?」
クロエは驚いた。セリーナは、アリオンへしたことと同じようなことを今度はイオにしようとしているのか。
「それで、イオは何て?」
「親に言ってないし、部屋汚いから無理~みたいな感じで断ってたよ!」
イオがセリーナを自宅へ呼ばなかったことが嬉しかった。クロエの時は、親に言わずに連れてきて母親から苦言を呈されていたので、適当な断り文句だろう。
しかし、セリーナは自分と違って甘え上手で、話が面白くて、かわいらしい。何度もアプローチされたら、イオもセリーナを好きになってしまうんじゃないかという不安は残った。
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