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諦められない幼馴染
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それから数日間、クロエはなんとなく、居心地が悪かった。セリーナと同じクラスのあの女子生徒が、クロエのことを悪く言いふらしたのかもしれない。
「クロエが、またセリーナに嫉妬して八つ当たりしてた」
「イオにフラれた腹いせにセリーナをいじめた」
などと噂されている声が聞こえてきた。
皆から見られ、ヒソヒソ噂されるのも嫌だったし、何よりイオとセリーナが一緒にいるところに遭遇したくなかった。
食堂へは行かず、放課後も専門科へは顔を出さず、すぐ帰った。
その日の夕方のことである。
屋敷に戻り、気分転換に屋敷の外に出ようと門をくぐった時である。
門の外に、アリオンがいた。
アリオンはクロエを見て、非常に驚いていた。
「・・・えっクロエ!?何で・・・」
何ではこっちのセリフだとクロエは思った。
屋敷の外をウロウロしてたら、完全に不審者である。
「アリオン・・・久しぶり。どうしたの?」
クロエが聞くと、アリオンはしばらく黙って、意を決したように言った。
「えっと・・・この前の花祭りのこと、きちんと謝りたくて。でも結局話しかけられないまま今になってしまって。。。ずっと気になってたんだ。」
アリオンはおずおずと答えた。
最近のアリオンを学園で見かけたことがあるが、誰ともつるまず、いつも1人で勉強をしていた。周囲に笑顔を振り撒くこともなくなり、壁を作っているような印象だった。
今も、アリオンはひどく緊張しているように見えた。
まるで、クロエとアリオンが初めて出会った時のようで、不思議と懐かしさを覚えた。
「アリオン、少し歩かない?」
クロエが言うと、アリオンは黙って頷いた。
季節は秋になっていた。いつぶりだろうか、街路樹を、アリオンと並んで歩いた。
辺りが赤く染まっている。夕焼けが綺麗だった。
「クロエ、この前のこと、僕を庇ったばっかりに、ひどい目に合わせて本当にごめん。それと、助けてくれてありがとう。」
アリオンに言われ、クロエはなんだか申し訳なくなった。自分が勝手に行動しただけなのに、アリオンはずっと気にして苦しんでいたのだろうか。
「そんなことまだ気にしてたの?貴方のせいじゃないわよ。狙いがなんだったのかなんて誰も分からない。それに、セリーナに私の傷を治すようにお願いしてくれたんでしょ?そのおかげで、ほとんど目立たない傷しか残らなかったわ。」
クロエは、手の甲にある微かな火傷の痕を見せた。
アリオンは、痛ましそうな顔をして傷跡を見つめた。
「そんな目で見ないでよアリオン。私は気にしてないんだから。」
クロエは、なぜだか今は、アリオンと遊んだ幼い頃のように、何の緊張も気兼ねもなく、話せることに気がついた。
暗い顔をしている幼馴染を見るのが辛かった。
元気を出してと言いたかった。
「そうやってずっと、自分のせいだって、1人で背負って生きていくつもりなの?私とは、もう幼馴染にも戻りたくない?私は諦めないわよ、アリオン。」
「貴方と私は、幼馴染で、お互い一番最初にできた友達でしょ。あなたが私と関わりたくなくても、私は、あなたを諦めない。」
アリオンは驚いたような顔をして、クロエを見た。
「クロエは、僕が嫌いじゃないの?あんなひどいことしたのに。」
これじゃ、本当にあの出会ったときと同じじゃないか。クロエは笑って答えた。
「確かに傷ついたけど、もう忘れちゃった。それに、私、貴方の他に気になる人ができたの。またダメになりそうだけどね!」
クロエは自虐的にあははと笑った。
元婚約者に恋愛相談とは、クロエも図太くなったものである。
アリオンは少し寂しそうな顔をして言った。
「クロエを繋ぎ止めておかないなんてそいつはバカだよ。後で後悔するさ。僕みたいに。」
「あら、よく言うわね。あなたって、そんなに調子良かったっけ?」
お互い、顔を見合わせて笑った。
クロエとアリオンは並んで歩きながら、色々なことを話した。
アリオンが、婚約破棄にいたった経緯も話してくれた。
「僕、クロエに相応しい人間になりたくてさ。勝手に無理して、勝手にきつくなって、大切なものを失ってしまった。」
「私も同じよ。アリオンを誰にも渡したくなくて、一人相撲してたわ。そういうところが、あなたを追い詰めたのかもね。私達って、昔も今も、似た者同士じゃない?」
「確かに。友達もいない、つまはじきものが僕たちだったよね。成長しても、不器用なところは治らなかったんだ。」
お互いの誤解やすれ違いが解け、クロエはずっと心に残っていたわだかまりが溶けていくのを感じた。それはアリオンも同じであった。
クロエは、唯一の幼馴染と再び通じ合うことができて、本当に嬉しかった。
「ねぇ、もしかして、前に花束持ってきてくれた人がいたんだけど、あれってアリオンじゃないよね?」
「・・・えっなんのこと?」
とぼけた時のアリオンの顔が、あまりにも引きつっていて笑ってしまった。嘘はつけないタイプらしい。
他愛もない話から、昔話まで、話は暗くなるまで続いた。2時間後、クロエが屋敷に帰る頃には、クロエの両親から、
「こんな時間までどこへ行ってたの!?」
と心配された。
その日は、久しぶりにぐっすり眠れたクロエであった。
「クロエが、またセリーナに嫉妬して八つ当たりしてた」
「イオにフラれた腹いせにセリーナをいじめた」
などと噂されている声が聞こえてきた。
皆から見られ、ヒソヒソ噂されるのも嫌だったし、何よりイオとセリーナが一緒にいるところに遭遇したくなかった。
食堂へは行かず、放課後も専門科へは顔を出さず、すぐ帰った。
その日の夕方のことである。
屋敷に戻り、気分転換に屋敷の外に出ようと門をくぐった時である。
門の外に、アリオンがいた。
アリオンはクロエを見て、非常に驚いていた。
「・・・えっクロエ!?何で・・・」
何ではこっちのセリフだとクロエは思った。
屋敷の外をウロウロしてたら、完全に不審者である。
「アリオン・・・久しぶり。どうしたの?」
クロエが聞くと、アリオンはしばらく黙って、意を決したように言った。
「えっと・・・この前の花祭りのこと、きちんと謝りたくて。でも結局話しかけられないまま今になってしまって。。。ずっと気になってたんだ。」
アリオンはおずおずと答えた。
最近のアリオンを学園で見かけたことがあるが、誰ともつるまず、いつも1人で勉強をしていた。周囲に笑顔を振り撒くこともなくなり、壁を作っているような印象だった。
今も、アリオンはひどく緊張しているように見えた。
まるで、クロエとアリオンが初めて出会った時のようで、不思議と懐かしさを覚えた。
「アリオン、少し歩かない?」
クロエが言うと、アリオンは黙って頷いた。
季節は秋になっていた。いつぶりだろうか、街路樹を、アリオンと並んで歩いた。
辺りが赤く染まっている。夕焼けが綺麗だった。
「クロエ、この前のこと、僕を庇ったばっかりに、ひどい目に合わせて本当にごめん。それと、助けてくれてありがとう。」
アリオンに言われ、クロエはなんだか申し訳なくなった。自分が勝手に行動しただけなのに、アリオンはずっと気にして苦しんでいたのだろうか。
「そんなことまだ気にしてたの?貴方のせいじゃないわよ。狙いがなんだったのかなんて誰も分からない。それに、セリーナに私の傷を治すようにお願いしてくれたんでしょ?そのおかげで、ほとんど目立たない傷しか残らなかったわ。」
クロエは、手の甲にある微かな火傷の痕を見せた。
アリオンは、痛ましそうな顔をして傷跡を見つめた。
「そんな目で見ないでよアリオン。私は気にしてないんだから。」
クロエは、なぜだか今は、アリオンと遊んだ幼い頃のように、何の緊張も気兼ねもなく、話せることに気がついた。
暗い顔をしている幼馴染を見るのが辛かった。
元気を出してと言いたかった。
「そうやってずっと、自分のせいだって、1人で背負って生きていくつもりなの?私とは、もう幼馴染にも戻りたくない?私は諦めないわよ、アリオン。」
「貴方と私は、幼馴染で、お互い一番最初にできた友達でしょ。あなたが私と関わりたくなくても、私は、あなたを諦めない。」
アリオンは驚いたような顔をして、クロエを見た。
「クロエは、僕が嫌いじゃないの?あんなひどいことしたのに。」
これじゃ、本当にあの出会ったときと同じじゃないか。クロエは笑って答えた。
「確かに傷ついたけど、もう忘れちゃった。それに、私、貴方の他に気になる人ができたの。またダメになりそうだけどね!」
クロエは自虐的にあははと笑った。
元婚約者に恋愛相談とは、クロエも図太くなったものである。
アリオンは少し寂しそうな顔をして言った。
「クロエを繋ぎ止めておかないなんてそいつはバカだよ。後で後悔するさ。僕みたいに。」
「あら、よく言うわね。あなたって、そんなに調子良かったっけ?」
お互い、顔を見合わせて笑った。
クロエとアリオンは並んで歩きながら、色々なことを話した。
アリオンが、婚約破棄にいたった経緯も話してくれた。
「僕、クロエに相応しい人間になりたくてさ。勝手に無理して、勝手にきつくなって、大切なものを失ってしまった。」
「私も同じよ。アリオンを誰にも渡したくなくて、一人相撲してたわ。そういうところが、あなたを追い詰めたのかもね。私達って、昔も今も、似た者同士じゃない?」
「確かに。友達もいない、つまはじきものが僕たちだったよね。成長しても、不器用なところは治らなかったんだ。」
お互いの誤解やすれ違いが解け、クロエはずっと心に残っていたわだかまりが溶けていくのを感じた。それはアリオンも同じであった。
クロエは、唯一の幼馴染と再び通じ合うことができて、本当に嬉しかった。
「ねぇ、もしかして、前に花束持ってきてくれた人がいたんだけど、あれってアリオンじゃないよね?」
「・・・えっなんのこと?」
とぼけた時のアリオンの顔が、あまりにも引きつっていて笑ってしまった。嘘はつけないタイプらしい。
他愛もない話から、昔話まで、話は暗くなるまで続いた。2時間後、クロエが屋敷に帰る頃には、クロエの両親から、
「こんな時間までどこへ行ってたの!?」
と心配された。
その日は、久しぶりにぐっすり眠れたクロエであった。
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