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願望が表れる夢って最高
しおりを挟む「クライン様!俺が頼れるのはクライン様だけです。あの二人にいやらしいことされて·········本当は嫌だったけど言えなくて。俺が本当に好きなのは、クライン様だけです。」
イアンはそういって俺の胸に飛び込んできた。
「クライン様は、俺のことどう思ってますか?ただの弟ですか·······?」
イアンに問われ、俺は何と言えばいいか分からなくなった。
「君のことを──かわいいと思ってるよ。」イアンは嬉しそうに笑うと、
「嬉しい。俺、今は弟でもいいんです。俺のこと意識してくれたら······クライン様、試してみませんか?」
イアンは照れながら俺を見つめた。
「試すって何を?」
「弟とはしないようなこと、俺としたらクライン様がどう感じるのか。」
イアンが近付いてきたので、俺はとっさに数歩下がり、後ろにあった椅子に倒れ込む形になってしまった。
イアンは座っている俺の膝に跨がり、首に手を回しキスをしてきた。
女性との恋愛経験は人並みにはあったが、男子高校生とのキスはもちろん始めてだった。男とキスするなど考えたこともなかったが、予想外に全く抵抗がなかった。
抵抗がないどころか、イアンとのキスは今までにないくらい気分が高揚し、それだけでは物足りなくなってしまう自分がいた。もっと先に進みたいという気持ちと、男子相手に、自分からは何も手を出してはいけないという理性との間で葛藤していると、イアンが唇を離した。
唇が離れたのが名残惜しくて、俺が彼を見つめていると、イアンの手が俺の股間に伸びてきた。
「クライン様····もしかして嫌じゃない?だってここ大きくなってるよ。」
イアンは俺の張りつめたものを服の上から撫でると、俺の下着の中に手を入れドクドクと脈打つそれを取り出し、しゃがみこんで俺のそれに顔を近付けた。
「イ、イアン!駄目だよ。何して·····!!」
「クライン様は、これされたことあるかな?」
以前恋人だった女性にその行為をしようか?と聞かれたことがあるが、なんだか奉仕させているようで気が引け、実際にされたことはなかった。
イアンの顔がその部分に近付くのを見ると、興奮と焦りが同時に押し寄せてきた。
「イアン·····駄目だってやめろ──!」
「駄目なの?僕はクライン様のものならすべて欲しいのに。僕に頂戴───」
そこではっと目が覚めた。
俺は自室のベッドの上にいた。昨日学園で、レインやソラとあんな言い合いをしたからこんなおかしな夢をみたのだろうか。
(本当に最悪だ······最悪なのに、夢から覚めて欲しくなかった。)
自分の下半身を見るとやはり反応していた。
女性の裸体を想像しようとしたが、全く頭に浮かんでこず、浮かんでくるのは先程夢で見た、イアンの妖艶な姿だった。
(クソッ!俺は一体どうしたんだ······)
俺は絶望的な気持ちのまま、夢の中で体験したイアンとのキスや、迫ってきた彼の普段とは違う熱の籠った表情を思い浮かべた。
(ああ······イアン、かわいい───·····イアン──!)
俺は、達した後の手の中の不快感と虚しさ、イアンへの罪悪感が胸の中に広がり、枕に顔を埋めた。
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