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私と幼馴染の最強魔法使い~幼馴染に運命の恋人が現れた!?~
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ナタリーとウィルは、貨物船に3日間揺られていた。
荷物と一緒に過ごした3日間だったが、人の出入りがなかった為、比較的自由に動けた。
ナタリーはずっと疑問だったことをウィルに問いかけた。
「ねぇ、ウィリー、私気になってたんだけど、あなたって本当に魔力が弱いの?アッシュの複合魔法を解いたり、あんな長距離を移動したり。ただの書記係だとは思えないんだけど?」
「あはは、気になる?この日のために、僕は爪を隠してたのかもね!だけど、僕たちはこれから数年間は魔法は使えない。ただの普通の人間として生活するんだ。魔力の強さなんてもう関係ないよ。」
ナタリーは納得したように呟いた。
「そうよね····フィガロについたら、私たちは別の人間。そうだ!名前を考えなきゃ。」
「名前?」
「うん。逃亡者によくあるでしょ?今までの名前を捨てて、新しい名前で生きるの。」
ウィルは少し考えて、嬉しそうに笑った。
「いいね!!じゃあ、僕の名前はナタリーが考えてよ。僕、ウィルってあんまり好きじゃない。」
「私が??うーん····そうね。『レイ』はどう?」
「レイ?どうして?」
「私ね、ウィルに初めて会った時、うわぁなんてきれいな男の子なんだろうって驚いたの。美少年っていうの?そういう人のことを、他の国の言葉で『ビレイ』って言うんだって。だから、レイ。」
ナタリーは途中から恥ずかしそうに答えた。
「レイか。いいね!!すごく気に入った。僕はこれからレイだ」
ナタリーは笑顔でレイを見た。
「じゃあ、私は?レイがつけてよ。」
「ナタリーの名前はもう決めてあるよ。『シェリー』はどう?」
「シェリー!きれいな名前ね!でも何で?」
「···何となく、響きが好きだからだよ。」
何それ!とシェリーは笑った。気に入ったようだ。
レイは隠したが、本当の意味は、外国語で『最愛の人』だった。
◇
フィガロにやっと到着した。
フィガロを選んだ理由は、人口の多い観光地で、移住者も多かった。若い男女が引っ越してきてもそれほど目立たない。
また、水の都ということで、水属性のレイと親和性の高い町だったからだ。
外へ出ると、日の光が眩しかった。
「はぁ~3日ぶりの外だ。もう僕、しばらく船には乗らない。」
「私も!まだ地面が揺れてる感じがする。」
「これからはやることが山積みだね。生活できる環境を整えて、落ち着いたら仕事を探さなきゃ。」
「ええ、そうね。でも、私は孤児院育ちだし、あの荒れくれアッシュの侍女として仕えてたから、そこそこたくましいわよ。問題はレイじゃない?お坊ちゃんだし。」
「えーひどいな。シェリーに愛想つかされないように頑張るよ。」
2人は、まだ見ぬこれからの生活に胸を膨らませた。何が起きようとも、お互いがいれば乗り越えられる気がした。
荷物と一緒に過ごした3日間だったが、人の出入りがなかった為、比較的自由に動けた。
ナタリーはずっと疑問だったことをウィルに問いかけた。
「ねぇ、ウィリー、私気になってたんだけど、あなたって本当に魔力が弱いの?アッシュの複合魔法を解いたり、あんな長距離を移動したり。ただの書記係だとは思えないんだけど?」
「あはは、気になる?この日のために、僕は爪を隠してたのかもね!だけど、僕たちはこれから数年間は魔法は使えない。ただの普通の人間として生活するんだ。魔力の強さなんてもう関係ないよ。」
ナタリーは納得したように呟いた。
「そうよね····フィガロについたら、私たちは別の人間。そうだ!名前を考えなきゃ。」
「名前?」
「うん。逃亡者によくあるでしょ?今までの名前を捨てて、新しい名前で生きるの。」
ウィルは少し考えて、嬉しそうに笑った。
「いいね!!じゃあ、僕の名前はナタリーが考えてよ。僕、ウィルってあんまり好きじゃない。」
「私が??うーん····そうね。『レイ』はどう?」
「レイ?どうして?」
「私ね、ウィルに初めて会った時、うわぁなんてきれいな男の子なんだろうって驚いたの。美少年っていうの?そういう人のことを、他の国の言葉で『ビレイ』って言うんだって。だから、レイ。」
ナタリーは途中から恥ずかしそうに答えた。
「レイか。いいね!!すごく気に入った。僕はこれからレイだ」
ナタリーは笑顔でレイを見た。
「じゃあ、私は?レイがつけてよ。」
「ナタリーの名前はもう決めてあるよ。『シェリー』はどう?」
「シェリー!きれいな名前ね!でも何で?」
「···何となく、響きが好きだからだよ。」
何それ!とシェリーは笑った。気に入ったようだ。
レイは隠したが、本当の意味は、外国語で『最愛の人』だった。
◇
フィガロにやっと到着した。
フィガロを選んだ理由は、人口の多い観光地で、移住者も多かった。若い男女が引っ越してきてもそれほど目立たない。
また、水の都ということで、水属性のレイと親和性の高い町だったからだ。
外へ出ると、日の光が眩しかった。
「はぁ~3日ぶりの外だ。もう僕、しばらく船には乗らない。」
「私も!まだ地面が揺れてる感じがする。」
「これからはやることが山積みだね。生活できる環境を整えて、落ち着いたら仕事を探さなきゃ。」
「ええ、そうね。でも、私は孤児院育ちだし、あの荒れくれアッシュの侍女として仕えてたから、そこそこたくましいわよ。問題はレイじゃない?お坊ちゃんだし。」
「えーひどいな。シェリーに愛想つかされないように頑張るよ。」
2人は、まだ見ぬこれからの生活に胸を膨らませた。何が起きようとも、お互いがいれば乗り越えられる気がした。
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