侍女と愛しの魔法使い【旧題:幼馴染の最強魔法使いは、「運命の番」を見つけたようです。邪魔者の私は消え去るとしましょう。】

きなこもち

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私と最愛の魔法使い~王女様、私の夫に惚れられても困ります!~

悪魔の子

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※一部過激な表現が含まれます。

 ナタリーが目を覚ますと、隣にはアッシュがいた。天井に描かれた天使の絵を眺めているその横顔が怖いくらいに儚く、そして美しい。ナタリーはなぜだか分からないが、アッシュが人なのか人非ざるものなのか分からなくなり、そっとアッシュの睫毛に手を伸ばした。
「······?ナタリー、起きたのか?」
 アッシュはナタリーを見ると優しい笑顔になり、彼女を抱き寄せた。
「今日は隣にいてくれるのね。前は朝起きたらあなたはいなくて、そのまま離れ離れになった。悲しかったわ。」
「───あの時は、あれが一番いいと思ったんだ。でも間違いだった。」
 アッシュはナタリーの髪を撫でながら、ひどく申し訳なさそうに笑って言った。
「俺はもうお前を手放してやれない。悪いな。」
「─────うん。離さないで。」
 ナタリーは切なくなり涙が床に流れ落ちた。全てを失ってでもこの人の側にいたいと本気で願った。
 ナタリーが身じろぎすると、アッシュとの情事の痕跡が体内に残っている感覚があった。
「あの·····ちょっと体を洗いたいんだけど、水浴びできる場所はある?」
「ああ、それなら近くに湖がある。行こうか。」
 アッシュはナタリーを連れ、湖のほとりに飛んだ。降り立ったその場所は美しい場所で、ナタリーは目を奪われた。
「水面に月が写ってるわ·······キレイね。」
 アッシュは真っ暗な湖の中へ入って行き泳ぎはじめた。
 ナタリーは、暗闇の中だったので湖の底が見えず少し怖かった。浅瀬のところでバシャバシャと体を洗っていると、アッシュが近くまで来て「大丈夫だよ。一緒に行こう。」と言い、ナタリーを抱き上げ深いところまで連れてきた。
 立ってみると、足がギリギリ届くほどの深さで、水面から顔だけ出すことができた。ナタリーは恐怖心が薄れ、アッシュと一緒になって少し泳いだり、浮いたりして遊んだ。
 アッシュの髪は黒に染められていたが、魔法で色を変えていたのだろうか?今は元の銀色の髪に戻っている。月明かりに照らされ、濡れてキラキラと光る髪がなんとも神秘的で、ナタリーは、アッシュの姿に見惚れてしまった。
「なんだ、じっと見て。」
「·······私思うんだけど、アッシュって人じゃないんじゃない?昔絵本で見たのよ。天界から罰を受けて、人間の世界に落とされてしまった美しいお姫様の話。」
「ははっ想像力豊かだな!だとしたら、俺は天界じゃなく地獄の底からきたんじゃないか?」
「───ううん。あなたは天使よ。人々を闇に引きずり下ろす悪魔は私。エステルが私に最初に会った時、『その者があなたを滅ぼします!』って叫んでたじゃない。あれは予言だったのよ。」
 無表情で話すナタリーの様子が不安になり、アッシュはナタリーを抱き寄せた。
「俺もお前も何者でもない。それに、お前が悪魔だったなら何なんだ?俺は落とされてもいい。ナタリーが何であろうと愛してる。」
 アッシュがナタリーにそっと口付けをした。冷えた体に互いの体温が心地いい。
「中は洗えたか?」
 ナタリーは意味が分からずキョトンとしたが、すぐに何のことを言っているのか理解し顔を紅くした。
「ちょっと····やめてよ。そういうこと言わないで。」
「恥ずかしがるな。俺が洗ってやるよ。おいで。」
 断るナタリーを無視して、アッシュはナタリーを湖のほとりへ連れて行き、草むらに座らせ足を開かせた。アッシュにキスされ乳房を愛撫されると、すぐにナタリーの秘部は愛液で溢れ、アッシュの指が難なく侵入してきた。抜き差しされたり、中を掻き出すように指を動かされ、ナタリーは堪えきれずに嬌声を上げた。
「ぁああ!ダメよ·····そんな風にしたら私····!」
「ナタリー、まだ中に残ってるぞ。」
 アッシュに耳元で囁かれ、ナタリーは羞恥心を捨て、本能のままに快楽に身を委ねたくなった。
「アッシュ·····指だけじゃ足りない──お願い。」
 アッシュはナタリーの頬を撫でた後、自身の張りつめたものをナタリーの秘部にあてがい、ゆっくりと挿入した。
 ナタリーはアッシュの背中にしがみつき、中に入ってくる圧迫感に息絶え絶えになりながらも、次第に快感の波が襲ってきた。
「ナタリー本当に綺麗だよ。俺はお前の虜だ。」
 アッシュに甘い言葉で囁かれ、ナタリーは余計に気持ちが高ぶってしまった。
「アッシュ····愛してるわ。私を離さないで───···!」
 アッシュの動きが早くなるにつれ、ナタリーも絶頂に近付いていた。アッシュの美しい顔に余裕がなくなるのを下から見上げるのが好きだ。
「気持ちいいよナタリー···もういきそうだ。」
「私も·····!!きてアッシュ、私の中に頂戴───!」
 アッシュが低く呻くと同時に熱いものが放たれ、再びナタリーの中を濡らした。
 脱力したアッシュを抱き締め、ナタリーは笑いながら言った。
「これじゃキリがないわね。体を洗うためにここにきたのに。」
「·······しょうがないだろ。お前といると、何度でもしたくなるんだよ。」

 2人はそうして時間さえあれば繋がり合い、残りの時間を過ごした。それは濃密すぎる、2人だけの閉ざされた空間だった。

 旅立ちの朝、ナタリーはアッシュをきつく抱き締めた。
「必ず戻ってきてね。また会えなくなるのは私耐えられない。」
「当たり前だろ?すぐ戻ってくる。心配するなナタリー」
 アッシュはナタリーに軽く口付けをしてあっさりと行ってしまった。ナタリーは何故だがもう彼と会えなくなるような、妙な胸騒ぎがして、不安が拭いきれなかった。




     
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