single tear drop

彩矢

文字の大きさ
543 / 985
真沙哉さんが手離した大事なもの

真沙哉さんが手離した大事なもの

「そう睨むな」
頬っぺたをこれでもかと膨らませる一太にほとほと困り果て、さっきからため息ばかりついている地竜さん。

僕と一緒に寝たいと駄々を捏ねる真沙哉さんに、お前の抱き枕はマーナオだろ。そう言い返し、地竜さんが普段寝起きしている同じフロアーの別の部屋に連れていかれた。

「クスリを飲ませられ、万が一ショック死されたらそっちの方が後始末が面倒だ。赤ん坊の面倒、誰がみるんだよ」

地竜さんがぶつぶつと独り言を口にしながらトイレに錠剤と小瓶の中身を流した。

「やり残した仕事がある。俺に構わず寝ろ。一太お前もだ」

パソコンが置いてあるベットの脇のテーブルに腰を下ろす地竜さん。小難しそうな表情を浮かべ画面を覗き込んだ。

「ママおうちにいつかえれるの?」
不安で堪らないのだろう。
ベットに横になるなり、目をうるうると潤ませ、今にも泣きそうになる一太。

「お利口さんにしていれば帰れるよ」

「ほんとうに?」

「うん」
不安を一掃させてようとわざと明るく振る舞った。

それから数分後ーー
ぐすりながらもようやくうとうとし始めた一太。
ほっとし一息ついたのも束の間。今度は太惺と心望がふぇんふぇんと泣き出した。






感想 2

あなたにおすすめの小説

僕の幸せは

春夏
BL
【完結しました】 【エールいただきました。ありがとうございます】 【たくさんの“いいね”ありがとうございます】 【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】 恋人に捨てられた悠の心情。 話は別れから始まります。全編が悠の視点です。

ただ愛されたいと願う

藤雪たすく
BL
自分の居場所を求めながら、劣等感に苛まれているオメガの清末 海里。 やっと側にいたいと思える人を見つけたけれど、その人は……

愛され方を教えて

あちゃーた
BL
主人公リハルトは自分を愛さなかった元婚約と家族のために無惨に死んだ…はずだった。 次に目が覚めた時、リハルトは過去に戻っていた。 そこは過去のはずなのにどこかおかしくて…

【完結】恋人になりたかった

ivy
BL
初めてのキスは、 すべてが始まった合図だと思っていた。 優しい大地と過ごす時間は、 律にとって特別で、 手放したくないものになっていく。 けれど……

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

六年目の恋、もう一度手をつなぐ

高穂もか
BL
幼なじみで恋人のつむぎと渉は互いにオメガ・アルファの親公認のカップルだ。 順調な交際も六年目――最近の渉はデートもしないし、手もつながなくなった。 「もう、おればっかりが好きなんやろか?」 馴ればっかりの関係に、寂しさを覚えるつむぎ。 そのうえ、渉は二人の通う高校にやってきた美貌の転校生・沙也にかまってばかりで。他のオメガには、優しく甘く接する恋人にもやもやしてしまう。 嫉妬をしても、「友達なんやから面倒なこというなって」と笑われ、遂にはお泊りまでしたと聞き…… 「そっちがその気なら、もういい!」 堪忍袋の緒が切れたつむぎは、別れを切り出す。すると、渉は意外な反応を……? 倦怠期を乗り越えて、もう一度恋をする。幼なじみオメガバースBLです♡

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

【完結】選ばれない僕の生きる道

谷絵 ちぐり
BL
三度、婚約解消された僕。 選ばれない僕が幸せを選ぶ話。 ※地名などは架空(と作者が思ってる)のものです ※設定は独自のものです ※Rシーンを追加した加筆修正版をムーンライトノベルズに掲載しています。