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絶望の先にあるのは
絶望の先にあるのは
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「あとのことは俺たちに任せろ」ヤスさんが帰り際、心強い一言を残していった。
この日から家の回りで見慣れない黒い車を見掛けるようになった。お爺ちゃんに聞くと、菱沼組の若いのが交代でパトロールしてくれている。そんな答えが返ってきた。
ーね、イケメン揃いでしょうー
結お姉さんが心配して電話を寄越してくれた。
「同性婚だって知ってもヤスさんや他の人たちにジロジロと変な目で見られなかった。それだけじゃないよ。お爺ちゃんから僕が両性だって聞いても普通に接してくれた。なんでだろうってずっと不思議に思ってて」
ー菱沼組の組長さんも同性婚してるからじゃない?四季くんと同じ両性の子と結婚してるのよー
「えぇー!そうなんですか」
驚きのあまり声がひっくり返った。
櫂さんに頼まれランチタイムだけカフェのお手伝いをすることになった。こはるちゃんはお爺ちゃんたちとお留守番だ。
カウンターの席にお客さんに扮し座っているのはヤスさん。僕の警備を快く引き受けてくれた。
「手伝わせてしまってごめんね」
「大丈夫です」
「火傷だけはしないでね」
「はい」
「無理に熱いものを運ばなくてもいいんだからね」
「はい」
櫂さんって心配性なのかな?
膝の上に置いたトレイで料理や飲み物を運ぶたび、大丈夫?無理しないでねと声を掛けられた。
カランカラン、ドアベルが鳴りひとりの男性がカフェに入ってきた。
「いらっしゃい……」
あれ?このひとどこかで見たことがある。
思い出そうとしても思い出せなかった。
「何しに来たんですか?」
櫂さんが目をつりあげ、険しい表情で男性を睨み付けた。
「四季くん、近付かない方がいい」
「どうしてですか?」
「彼が朝宮和彦、だからだよ。結と和真くんに会わせろってしつこくてね。営業妨害もいいところだ」
棘のある言葉で呼び捨てにする櫂さん。
こんなにも怖い彼を見るのが初めてで。どうしていいか戸惑ってしまった。
この日から家の回りで見慣れない黒い車を見掛けるようになった。お爺ちゃんに聞くと、菱沼組の若いのが交代でパトロールしてくれている。そんな答えが返ってきた。
ーね、イケメン揃いでしょうー
結お姉さんが心配して電話を寄越してくれた。
「同性婚だって知ってもヤスさんや他の人たちにジロジロと変な目で見られなかった。それだけじゃないよ。お爺ちゃんから僕が両性だって聞いても普通に接してくれた。なんでだろうってずっと不思議に思ってて」
ー菱沼組の組長さんも同性婚してるからじゃない?四季くんと同じ両性の子と結婚してるのよー
「えぇー!そうなんですか」
驚きのあまり声がひっくり返った。
櫂さんに頼まれランチタイムだけカフェのお手伝いをすることになった。こはるちゃんはお爺ちゃんたちとお留守番だ。
カウンターの席にお客さんに扮し座っているのはヤスさん。僕の警備を快く引き受けてくれた。
「手伝わせてしまってごめんね」
「大丈夫です」
「火傷だけはしないでね」
「はい」
「無理に熱いものを運ばなくてもいいんだからね」
「はい」
櫂さんって心配性なのかな?
膝の上に置いたトレイで料理や飲み物を運ぶたび、大丈夫?無理しないでねと声を掛けられた。
カランカラン、ドアベルが鳴りひとりの男性がカフェに入ってきた。
「いらっしゃい……」
あれ?このひとどこかで見たことがある。
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「何しに来たんですか?」
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「四季くん、近付かない方がいい」
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こんなにも怖い彼を見るのが初めてで。どうしていいか戸惑ってしまった。
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