639 / 846
青空さんとの出会い
青空さんとの出会い
しおりを挟む
「ヤツの言っていることは本当だが、鵜呑みにしないほうがいい。きみと朝宮和彦はなんの繋がりもない。赤の他人だ。今までそうだったように、これからもそれは変わらない。きみは和真とお腹の子と子どもたちの心配だけをしていればいいんだ。一服したら仕事に戻ろうか」
不安な気持ちを一掃するように優しく微笑んでくれた。
領収書の発行や、会計ソフトへの伝票入力や、集計作業を黙々とこなす亜優さんの隣に移動し、邪魔にならないようにそっと見守った。仕事は見て覚えろって蜂谷さんにアドバイスをもらった。
「シキ?」
「あのね、この人の名前、さっきもあったからなんだかおかしいなってそう思ったの。同姓同名のひとがいてもおかしくないよね?」
「四季、どの名前だ?」
「山田太朗さんです」
「借用書をすぐ確認してみるよ」
蜂谷さんは地獄耳だ。隣の応接室や社長室にいても僕たちの声が聞こえるみたいで、気付いたら後ろに立っているんだもの。何度びっくりしたことか。
「ハチは俺が一番大嫌いなデカだった」
「え?そうなんですか?」
意外な事実を知り驚いた。
「鞠家も伊澤も元デカだ。オヤジに惚れ込みヤクザになった。俺もオヤジに惚れている。本音をいうとオヤジよりハチのほうが好きだけどな。あれほど敵視し、大が5個付くくらい嫌いだったのにな。今は好きで好きで困るくらいハチが好きだ。人生何があるか分からない」
コーヒーをゆっくりと飲み干した。
背中が痒くなるから好きを連呼しないでくれ」
駄目か?」
「好きはカミさんにだけ言え」
「ハチは好きだ。尊はもっと好きだ」
「タマに焼きもちを妬かれる」
「言わなきゃ分からないさ」
「タマはただでさえ勘が鋭いんだ。職質のプロだったんだぞ。誤魔化しは利かない」
「そういうハチは?職質はひよっこか?」
「青空、そろそろお口チャックだ」
「口にチャックをしたら死ぬ。尊に会わせない気か?」
「あのな青空……」
いつものように仲良く口喧嘩をはじめた。
亜優さんは慣れているのかさほど気にせず、パソコンで黙々と何かを調べていた。
不安な気持ちを一掃するように優しく微笑んでくれた。
領収書の発行や、会計ソフトへの伝票入力や、集計作業を黙々とこなす亜優さんの隣に移動し、邪魔にならないようにそっと見守った。仕事は見て覚えろって蜂谷さんにアドバイスをもらった。
「シキ?」
「あのね、この人の名前、さっきもあったからなんだかおかしいなってそう思ったの。同姓同名のひとがいてもおかしくないよね?」
「四季、どの名前だ?」
「山田太朗さんです」
「借用書をすぐ確認してみるよ」
蜂谷さんは地獄耳だ。隣の応接室や社長室にいても僕たちの声が聞こえるみたいで、気付いたら後ろに立っているんだもの。何度びっくりしたことか。
「ハチは俺が一番大嫌いなデカだった」
「え?そうなんですか?」
意外な事実を知り驚いた。
「鞠家も伊澤も元デカだ。オヤジに惚れ込みヤクザになった。俺もオヤジに惚れている。本音をいうとオヤジよりハチのほうが好きだけどな。あれほど敵視し、大が5個付くくらい嫌いだったのにな。今は好きで好きで困るくらいハチが好きだ。人生何があるか分からない」
コーヒーをゆっくりと飲み干した。
背中が痒くなるから好きを連呼しないでくれ」
駄目か?」
「好きはカミさんにだけ言え」
「ハチは好きだ。尊はもっと好きだ」
「タマに焼きもちを妬かれる」
「言わなきゃ分からないさ」
「タマはただでさえ勘が鋭いんだ。職質のプロだったんだぞ。誤魔化しは利かない」
「そういうハチは?職質はひよっこか?」
「青空、そろそろお口チャックだ」
「口にチャックをしたら死ぬ。尊に会わせない気か?」
「あのな青空……」
いつものように仲良く口喧嘩をはじめた。
亜優さんは慣れているのかさほど気にせず、パソコンで黙々と何かを調べていた。
47
あなたにおすすめの小説
望まれなかった代役婚ですが、投資で村を救っていたら旦那様に溺愛されました。
ivy
BL
⭐︎毎朝更新⭐︎
兄の身代わりで望まれぬ結婚を押しつけられたライネル。
冷たく「帰れ」と言われても、帰る家なんてない!
仕方なく寂れた村をもらい受け、前世の記憶を活かして“投資”で村おこしに挑戦することに。
宝石をぽりぽり食べるマスコット少年や、クセの強い職人たちに囲まれて、にぎやかな日々が始まる。
一方、彼を追い出したはずの旦那様は、いつの間にかライネルのがんばりに心を奪われていき──?
「村おこしと恋愛、どっちも想定外!?」
コミカルだけど甘い、投資×BLラブコメディ。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
悪役の僕 何故か愛される
いもち
BL
BLゲーム『恋と魔法と君と』に登場する悪役 セイン・ゴースティ
王子の魔力暴走によって火傷を負った直後に自身が悪役であったことを思い出す。
悪役にならないよう、攻略対象の王子や義弟に近寄らないようにしていたが、逆に構われてしまう。
そしてついにゲーム本編に突入してしまうが、主人公や他の攻略対象の様子もおかしくて…
ファンタジーラブコメBL
不定期更新
末っ子王子は婚約者の愛を信じられない。
めちゅう
BL
末っ子王子のフランは兄であるカイゼンとその伴侶であるトーマの結婚式で涙を流すトーマ付きの騎士アズランを目にする。密かに慕っていたアズランがトーマに失恋したと思いー。
お読みくださりありがとうございます。
果たして君はこの手紙を読んで何を思うだろう?
エスミ
BL
ある時、心優しい領主が近隣の子供たちを募って十日間に及ぶバケーションの集いを催した。
貴族に限らず裕福な平民の子らも選ばれ、身分関係なく友情を深めるようにと領主は子供たちに告げた。
滞りなく期間が過ぎ、領主の願い通りさまざまな階級の子らが友人となり手を振って別れる中、フレッドとティムは生涯の友情を誓い合った。
たった十日の友人だった二人の十年を超える手紙。
------
・ゆるっとした設定です。何気なくお読みください。
・手紙形式の短い文だけが続きます。
・ところどころ文章が途切れた部分がありますが演出です。
・外国語の手紙を翻訳したような読み心地を心がけています。
・番号を振っていますが便宜上の連番であり内容は数年飛んでいる場合があります。
・友情過多でBLは読後の余韻で感じられる程度かもしれません。
・戦争の表現がありますが、手紙の中で語られる程度です。
・魔術がある世界ですが、前面に出てくることはありません。
・1日3回、1回に付きティムとフレッドの手紙を1通ずつ、定期的に更新します。全51通。
サラリーマン二人、酔いどれ同伴
風
BL
久しぶりの飲み会!
楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。
「……え、やった?」
「やりましたね」
「あれ、俺は受け?攻め?」
「受けでしたね」
絶望する佐万里!
しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ!
こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【完結】君のことなんてもう知らない
ぽぽ
BL
早乙女琥珀は幼馴染の佐伯慶也に毎日のように告白しては振られてしまう。
告白をOKする素振りも見せず、軽く琥珀をあしらう慶也に憤りを覚えていた。
だがある日、琥珀は記憶喪失になってしまい、慶也の記憶を失ってしまう。
今まで自分のことをあしらってきた慶也のことを忘れて、新たな恋を始めようとするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる