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第二章
マリアベルの災難 6 そして鉄槌を下す
しおりを挟む秋だ、秋といえば読書。
実は[おばあちゃん]はコテコテの恋愛映画が大好きだった。
特に、海外のラブロマンス物が大好物で1人で映画を観に行くほどであった。
この世界でも、その趣味は変わらない。
この学園には図書館に自習室が併設されている。
120cm位の広めの机の両端を囲ってありプライバシーが保たれるようになっている
小さな個室である。
机には番号が付いていて、それが部屋一面に配置され、皆黙々と勉強している。
持ち出し禁止の本でも、この自習室では、次の日も使用出来るよう番号の付いた棚に入れておけばキープ出来る仕様になっている。
なので、マリアベルは新作のコテコテ恋愛小説をここでコッソリと読んでいた。
そして、「まあ、マリアベル様ったらあんな低俗な本をお読みになるのね」と、笑われる事を恐れてマリアになって読みに来ていた。
自習室は夕方6時にドアを閉める。
5時半に片付けのチャイムが鳴るのでそれを目安に皆 片付け始める。
今日はあまり利用者がいないらしく 私が最後のようだ、
帰ろうと、思った矢先、
「だーれだ!」
誰かに目隠しされた。
男の人だ、知らない人、誰もいない部屋
恐怖が過ぎる。
その人は、耳元で囁く
「うふふ、そんなに怯えちゃって、カワイイな、子猫ちゃん♡」
あっ、こ、こ、、この言い方は ホスト紫だ
「お戯れを、離して下さい。」
「ねえ、君って、フレディと凄く仲良いよね!付き合っているかなぁ?」
ホスト紫は後ろから 羽交い締め するような形で私の身動きを封じる。
「違います。違いますから、離して下さい。」
「この前も、手を握り合ってたでしょ?
もしかしたら、、、もう しちゃった?」
げげ、この人 耳 舐めてる、やめて 気持ち悪い
耳からなにか、紫のが入ってくる、
ぎゃー 気持ち悪いぃー
「知りません、大声だしますよ、誰か~」
叫べない、力が入らない、フワフワする。
お酒に酔った時みたい
目の前に 紫のモヤがかかる。
首筋になにかが這う、気持ち悪いのに気持ちいい。
やだ、やだ、やだ、
首噛まれてる、もう、やめて、やめて、
<«バチバチバチ»>
突如、脳みその中に電気スパークが走った
紫のモヤが綺麗さっぱり消えた。
手が動く!力が入る!
うわぁぁー
力一杯、ホスト紫を突き飛ばした。
そして、怒りに任せ ホスト紫に制裁を下す
「股間蹴りだぁー」
««««ドッカーん
「この、ませガギがぁ!」
紫が伸びている間に素早くカバンを取って
自習室より逃げ出した。
「へっ、ザマー見ろっでんだ!」
—————
ラヴィは股間を蹴らた衝撃と
味わった魔力で身体が混沌していた。
そして、
「ああん、ああん、あっ、ああー!!!」
<<<<<ドッビューーン>>>>>
イケナイ扉が開いてしまった瞬間だった。
——————-
マリアベルは怒っていた。
あんな婦女暴行犯を 野放しにしてたら また被害者が出る。
直ぐ様サリバン先生に連絡しなければ、
マリアベルは走って教頭室に向かった。
「マリアベル様、また、貴方はそんなカツラかぶって!」
「先生、それより婦女暴行犯が出ました。自主室です。」
「ああ、それより貴女は怪我は無いの無事なのね!」
「フフン、犯人の股間蹴り飛ばしてやりました!」
鼻の穴を膨らまし 得意げに話す。
「これが、証拠の髪の毛です。」
ボタンに絡んでいた髪の毛を提出した。
「これは、、、ランディエール家の色、
貴女は犯人を見たの?」
「ズバリ、犯人はラヴィ•ランディエールです。」
取り敢えず自主室へ行ってみましょう。
サリバン先生と自主室へ急いだ。
部屋は既に鍵が掛けられていた。
サリバン先生は合鍵で開けて中に入った。
「私、ここで後ろから抱きつかれたんです。」
サリバン先生は、考えていた。
(魅了の痕跡がある、それも、かなり強い。
何故あの子は、魅了など使ってマリアベルを襲ったの?
マリアベルを手に入れる事で何か利点があるのかしら。
政治利用?
でも、ランディエール家は政治には余り関わらないはず。
誰かの差金?
あっ、茶のカツラだったから人違いで抱きついた?)
サリバン先生は、
ラヴィが襲ったのはマリアであって
マリアベルでは無いと言う事実を知らなかった。
「マリアベル様、とにかく1人にならないように、
夜遅くは出歩かない様に、
昼間でも、ガブリエルを連れて行く様になさい。」
「とにかく貴女が無事でよかったわ。
もしもの事があったら取り替えしの付かない処でしたよ。」
サリバン先生は私を抱きしめて そう言った
(あれだけの強い魅了を受けて何も無かったなんて、、運がよかったわ、
マリアベル様の不思議な魔力に魅了を相殺する力があるのかしら•••)
股間蹴り、プププ
あー、可笑しい
淑女としては褒められる事ではないけれど
あの、ラヴィ君が、股間蹴り、、、
アハハハ、可笑しい、、、
ラヴィの女癖の悪いさに常日頃 頭を悩ませていたサリバンは
よくやった!、と内心喜んでいたのであった。
そしてラヴィを見かけると笑わずにはいられなくなった
「プププ、股間蹴り!」
***************
作者のつぶやき
ラヴィルート、キーワードは〇〇〇○
正解は後程発表致します。
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