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我が家に「猫」が来るらしい。
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我が家に「猫」が来るらしい。
家族会議で決まった。
私は、猫がよく分からないので反対をしたが、
私の意見など、通ったことがない。
新しい家族というが、
そんなに簡単に家族が増やせるわけなかろう。
私たちが家族と思っていたとしても、向こうはどうだか。
急に知らない場所に連れてこられて、迷惑ではないか?
などと、猫に対してまで臆病になっている自分。
いささか不安であったが、次の日には忘れていた。
それから変わらない日々を過ごしていたら
突然、その猫がやってきた。
灰色と黒が織り交ざった品のある毛並みのメス。
スコティッシュフォールドというらしい。
なんだか皮肉である。
人間は人種というものでくくられるべきではない。
と近年叫ばれているが、猫にはまだ種族があり、
分けられて売られている。
こちとら、生れながらの「雑種」。
血統書をつけて産んで欲しかったさ。
などと、水を差すことは思っても言わないようにした。
話をその猫に戻そう。家族はすこぶる可愛がった。
娘が私のもとへ持ってくるから、
なんとか手を伸ばして可愛がってみた。
すると家族は喜んだ。
どうやら年になった私の遊び相手にと、
本当は考えていたらしい。
ありがたいことではあるのだが、
どう関わっていけばいいか、考えものである。
と、始めは考えていたが。
なんでも時が解決してくれる。
彼女から歩み寄ってくれて、
気づけば一緒にいる時間が長くなった。
警戒心を超えると、ここまで心を開けるのか。
いくら事前に心配をしても、
始まってしまえば、どうなるかわからない。
ともに眠り。ともに日に当たり。ともにご飯を頂く。
そんな当たり前の生活を楽しんでいた。
私たちの仲を見て、娘はプレゼントがあるそうな。
お揃いの洋服を用意してくれた。
洋服なんて着たことがない。
なんとか腕を通してもらい試着を終える。
振り返ると、全く同じ色の服を着た猫がそこにいた。
するとなぜか安心感を覚えた。
もうこの猫は、わたしの家族である。
ひとたび、心を開けば、そこからは大きくなるばかり。
彼女はそのことを、私より何十年も若く知っていたのか。
あぁ素敵な猫様よ。
今日も二人、ひなたを分け合い。寝転がる。
気づけば尻尾も絡ませあっていた。
おわり
家族会議で決まった。
私は、猫がよく分からないので反対をしたが、
私の意見など、通ったことがない。
新しい家族というが、
そんなに簡単に家族が増やせるわけなかろう。
私たちが家族と思っていたとしても、向こうはどうだか。
急に知らない場所に連れてこられて、迷惑ではないか?
などと、猫に対してまで臆病になっている自分。
いささか不安であったが、次の日には忘れていた。
それから変わらない日々を過ごしていたら
突然、その猫がやってきた。
灰色と黒が織り交ざった品のある毛並みのメス。
スコティッシュフォールドというらしい。
なんだか皮肉である。
人間は人種というものでくくられるべきではない。
と近年叫ばれているが、猫にはまだ種族があり、
分けられて売られている。
こちとら、生れながらの「雑種」。
血統書をつけて産んで欲しかったさ。
などと、水を差すことは思っても言わないようにした。
話をその猫に戻そう。家族はすこぶる可愛がった。
娘が私のもとへ持ってくるから、
なんとか手を伸ばして可愛がってみた。
すると家族は喜んだ。
どうやら年になった私の遊び相手にと、
本当は考えていたらしい。
ありがたいことではあるのだが、
どう関わっていけばいいか、考えものである。
と、始めは考えていたが。
なんでも時が解決してくれる。
彼女から歩み寄ってくれて、
気づけば一緒にいる時間が長くなった。
警戒心を超えると、ここまで心を開けるのか。
いくら事前に心配をしても、
始まってしまえば、どうなるかわからない。
ともに眠り。ともに日に当たり。ともにご飯を頂く。
そんな当たり前の生活を楽しんでいた。
私たちの仲を見て、娘はプレゼントがあるそうな。
お揃いの洋服を用意してくれた。
洋服なんて着たことがない。
なんとか腕を通してもらい試着を終える。
振り返ると、全く同じ色の服を着た猫がそこにいた。
するとなぜか安心感を覚えた。
もうこの猫は、わたしの家族である。
ひとたび、心を開けば、そこからは大きくなるばかり。
彼女はそのことを、私より何十年も若く知っていたのか。
あぁ素敵な猫様よ。
今日も二人、ひなたを分け合い。寝転がる。
気づけば尻尾も絡ませあっていた。
おわり
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