もう一度

ルシア

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プロローグ〜セドリック編2〜

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目が覚めると私はベットの上にいた

生きている……何故……

「起きたか」

びくっ

さっきの黒髪の男がベットの横にいる

「飯用意してある。食え」

ベットサイドにご飯が用意されていた

いつものパサパサのパンと具のないスープじゃなく、美味しそうなものだった

「……何故殺さなかったのですか?」

黒髪の男に問う

「死にたかったのか」

「えぇ」

「そうか……なら殺してやる」

!?

剣を抜いて近づいてくる

すごいオーラだ

でもやっと死ねる

剣を振り下して……触れる寸前止まった

「……本当に死にたいのか」

頷く

「なら何故庇う……なぜ震える」

え?庇う?震える?そんなわけ……

無意識だった……無意識に自衛していた

「なんで…………何故何故何故何故っ!」

声が震える…何故か涙が溢れて止まらない

「生きたいんじゃないのか」

「そんなわけないっ!」

「地下に閉じ込められても自害しなかったのは何故だ…しようと思えばできたはずだ」

そうだ……やろうと思えばできたんだ

なのにやらなかったのは……

「……生きたいっ……」

そうだった……私は生きたかった……

普通の子みたいに自由に生きたかった

でもそんな願いは夢の夢のまたのその夢で

自分でも諦めていた……無理だって

でも心の中のどこかでは諦めきれなかった

「生きろ……生きたくないなら俺に仕えろ……お前はアがイデル公爵になれ」

「俺はアルバート……この帝国の皇帝だ」

「生きたいと思えないなら思えるように生きろ」

あぁこの人は……

アルバートの前で臣下の礼をとる

「アイデル公爵家当主、セドリック・アイデルと申します。あなた様に仕えられることを嬉しく思います。この命はあなた様のためだけに」

「そうか……なら飯を食え」

気づけばお腹がすいていた

「ありがとうございます」

久しぶりに温かいご飯を食べた

以前食べたのはもう覚えいないくらい前だった

彼のために必死に勉強し宰相になった

そして彼に出会ってから15年経った時、彼が亡くなった知らせを受けた

「……っ今なんて言いました?」

無意識に威圧してしまったのだろう

「っ皇帝陛下がお亡くなりになりました」

「皇帝が……アルバート様が亡くなっただと」

「そうか……下がって良い」

部下と入れ違いにレオンが入ってきた

「セドリック……王国を滅ぼすぞ」

「アルバートの上着にこれが入っていた」

レオンが紙を……アルバートの遺書を出す

遺書を見るとレイモンドの詳細や素性が書いてあった

……彼は王国に利用されていたのか

「大臣たちや貴族は王国戦略に同意している」

「あぁ……王国を滅ぼす」

レイモンドも通して間接的だったとしてもアルバート様を狙ったのだろう

アルバート様を殺した者に温情なんていらない

徹底的に潰す

そして数日後、異例の速さで王国は滅んだ

それから10年アルバートのいない日々が続いた


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