異世界開拓地物語 帝国編 間宮六郎の冒険 アイランド 霧に運ばれた島

かばパパ

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序章  ニートですが民間軍事会社に就職しました

補給基地(デポ)

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補給基地デポとは聞こえは良いが。
要はトタン屋根の平屋の倉庫だ。
着いてまず驚いたのが鳩の数。
倉庫の外の屋根にべったり張り付いて居る。

「…砂漠に鳩?」

俺がそう言うと軍曹が。

「…近くに水場がここしか無いんだ」

鳩は渡り鳥だ、渡る途中にここで羽を休めるらしい。

街からここ、補給基地デポに着いたら昼を回っていた、ゲート車のパワーゲートを使って、カゴ車を下ろして補給基地のスタッフに渡す。
渡されたカゴ車の中の数と同じなら受領印の代わりにサインを貰う。
その間に昼飯を取る事にした。

補給基地の食堂で飯を貰う、これは毎日の事なので食堂も取り置きしてくれるらしい。

ハンバーガーとポテト、缶の炭酸飲料を貰いながら、食堂のコックと世間話をすると、鳩の話になった。

「…本当に害鳥なんだよー!あの鳩って奴は」

そう話をするのはコックコートを着た料理人コックで、食料や残飯を漁るらしい。

「…銃で撃ったらどうだい?」

軍曹がそう言うとコックは渋い顔で。

「…倉庫の屋根に穴が開くと困るって…撃たせてくれんのだわ」

俺はそれを聞いて。

「…じゃあ銃より威力が少なくて、鳩なら狩れる物なら良いと?」

そう言うとコックが半信半疑で。

「…そんな物が?あるのか?」

そう聴くと俺は。


売店PXの爺さんに取り寄せを頼むから直ぐには無理だか…当てはある」

米ドルで50ドル位は掛かるけどと言うと、それくらいなら俺が出すと言われて了承した。


帰りに軍曹が。

「…なんか当てがあるのか?」

そう聞いてきてきたので。

「親戚に猟師が居ましてね、色々習いましたから」

そう言いながら昔を思い出していた。


大阪と奈良の県境、ブドウとイチジクの畑の中で俺は育った。

田んぼでザリガニを釣って遊んで、カエルに爆竹を喰らわせる悪ガキだった俺は、猟師の叔父が大好きだった。
カブに跨って鉄砲を担いだ叔父は、猟犬を連れてよく山にウサギを狩に行っていた。
ウサギや飼っているチャボを潰して鍋にして食う生活をしていた俺は。
結構、幸せだった、あの日が来るまでは。

街に帰ると俺は売店PXの爺さんにある物を頼んだ。

「…そりゃ、お前………注文したら入るけど…そんなの頼まれたの初めてだわ!」

聞けば送料込みで、米ドルで50ドルあれば手に入るらしい。

注文して届いたのは2週間後だった。

海外の有名通販サイトからダンボール箱に入ったそれは、今は俺の手元にある。

休みを使って練習する事にした、俺と同じシフトの軍曹も興味深々で付き合っている。

「…それか?見た事はあるが使った事は無いな!」

ダンボール箱から出した物はゴムの付いたパチンコと金属製のボール。

日本ではファルコンと呼ばれるスタンダードなタイプだ。

標的の炭酸飲料の缶をよく振ってから台の上に乗せる。

俺は、ファルコンのゴムを持って伸ばすと、横に倒す。
簡易型のサイトで狙いを付けると、金属製のボール、ベアリング弾が缶にヒットして貫通する!
泡を吹きながら缶が吹っ飛んだ、この威力なら十分だ。

再び、荷物を持って前線基地にやって来た。

カゴ車を下ろしてから、食堂に向かうとコックに。

「飯食ったら鳩退治するわ!」

そう言うと飯を食った後に、食堂の手伝いの小僧を連れて来た。

「鳩が取れたら、コイツに譲ってやって欲しいんだ」

聞けばここの遊牧民ノマドの子供で現地では普通に食材として使ってるらしい。

アフリカの北では鳩の養殖もやっているそうだ、俺が了承すると、小僧はジャガイモの入っていたズタ袋を持って来た。

まずは倉庫の中に入り込んで居る鳩を狙う。
柱に止まって居る鳩に狙いを付けて。
ファルコンからビー玉位の大きさの金属の玉が鳩の胴体に当たる!
金属球は鳩の胴体にめり込むが、身体の中に入り込む事は無い。
しかしそのエネルギーは内臓を破壊して、肺や肋骨をグシャリと潰す!

鳩がそのまま落ちて来ると、他の鳩が一斉に飛び出して行った。

落ちた鳩を小僧が首を捻って絞める、慣れた手つきだ、この辺はスーパーなんて無い、肉は自分で解体するしか無い。

俺は焦ずに、そのままじっと待つとまた鳩が戻って来る。

これが鳩の怖い所だ、帰巣本能が強すぎて何度追い出しても帰ってくる。

俺が再び鳩を仕留める、落ちた鳩を小僧が絞める、その繰り返しでズタ袋がパンパンに膨れた。

結果をコックに示すと偉く感謝された、鳩の糞で食材が汚損されて困っていたらしい。

米ドルで50ドルも即金で払ってくれた。

小僧はズタ袋を持って家に帰って行った。

次に補給基地デポに行くと小僧と小僧の姉がやって来た。

小僧が10歳くらいなら姉は14歳くらい、ショールを頭から被るスタイルで、布の間から見えている神は銀髪、瞳は青、肌は少し浅黒い程度で姉弟共に美形である。

「鳥のお礼を言いに来ました」

しっかりしたお姉ちゃんと言う印象だ、話を聞くと隣近所にも配ってその日のうちに頂いたらしい。

次に来た時には2人の為に米国アメリカ産の甘いお菓子が土産に着いた。

相変わらず鳩が多い為に、姉弟にも手伝って貰う、姉が可愛い顔で鳩を絞めるのにはドン引きしたが、待っている間に色々話を聞いた。

この地方というか遊牧民ノマド達の先祖はここ以外の土地から逃げて来たらしい。

「…奴隷狩りから…逃げて来たそうです…」

アフリカでは良くある話だ、その他にも彼らの部族の神様の話も聞いた。


昔、創造神と言う神様が居た。
神様は沢山の世界を作られた。
そのうちの一つは生き物が存在し無い。
正確には存在したが動けない生物だった。
魔石と呼ばれる鉱物。
その鉱物には意思が存在し、魔石を通しで記憶メモリーを共有していた。
創造神は気の毒に思って自ら生命体を創造した。
緑の小鬼の姿をした小鬼ゴブリンはそこで産まれた。
しかし創造神は小鬼ゴブリンの雌を作るのを忘れていた。
このままでは小鬼ゴブリン達も姿を消す。
そう思った魔石の意思が霧を産んだ。
魔石山脈の霧、それは他の世界から生物を迷い込ませる。
別の世界から、エルフ、ドワーフ、獣人達の亜人種。
そして人種の人間コモン種。

彼らはお互いに混じり合いながら、その数を増やして行く。
そして魔石山脈の魔石の影響を受けた者達から。
様々な姿に変わって行った。
影響が強い獣人は獣に近く。
影響が少ない物は人種に近く。
姿を変えるのはその為である。
しかし創造神が作った小鬼ゴブリンだけは、影響を受けずにその姿のまま。
数を増やして行った。

その神話を聞いたロックの反応は。

「…創造神…最低…」


「…デスヨネ~w」

そんな日常が続いたある日、事件は起こる。


霧の遺跡のゲートから出た霧が。

砂漠に広がっていった。
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