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第1章 全ての始まりの記録
abyss:18 ティナ襲撃される①
しおりを挟むティナの弟【累と仲間たち】の登場により俺はティナとキスができずに終わった。
残念だ。
キスはできなかったがティナも受け入れていた。
ということはワンチャン邪魔がなければ出来たということだ!
よ、よし!気が早いが明日リベンジしよう!
累と仲間たちと出会ったので自己紹介しあった。
彼らをざっくり紹介しよう。
階堂累 ティナの弟。高校二年生の16歳。
不自由ない家庭環境に刺激を求めすぎて荒れた中学生~高校生になる。
地元制覇というくだらない夢を掲げてチームを作ったがティナに更生させられた。
残ったチームメンバーで世直しボランティアチーム【エリュシオン】を結成。
(一応)リーダーにされている。
見た目は金髪で悪そうなナリをしているがチームメンバーみんな同じ進学校に通っている。少し口は悪いが正義感の強い真っ直ぐな性格だ。進学校なのに髪の毛の色や髪型、ピアス開け放題で派手なのは自由な校風だからだろうか。
村山くん
飄々とした話し方、ツイストパーマをあて額にバンダナを巻いている。細身に見えるけどダンスが得意そうな身軽さを持っている。
織田くん
金髪ロン毛を後ろで無造作に束ねてマルメガネのサングラスをかけた長身スリム。ダウナー系なゆっくりした話し方。仲間思いのマインド持ってそうな感じ。
日向くん
緩めのパーマを当てた優しそうな好青年。ちょっと目が据わっている草食系肉食男子。キレたら怖いタイプっぽい雰囲気。
志尊くん
スラリとした肉付きの体躯にギラギラした強そうな表情。彼もリーダーやっていそうなタイプ。ゲームキャラにいそうな髪型をしている。ヘアセットに5時間くらいかけてそう。
なんだかんだでイケメン揃い。絶対ファンクラブある。
弟たちともっと話したいが、彼ら高校生はもうすぐ出歩いちゃいけない時間になるのでティナと一緒に帰ってもらうことにした。
彼らと一緒なら安全だろう。
「また今度なー」と彼らに声を掛けると、
『お二人のキスの邪魔してさーせんしたー!』
と返された。思い出させるな、恥ずかしい!
顔がちょっと引きつる。
独りなって駅のホームを歩いていると母さんから着信がきた。
「ハルキー、もしもーし。いつもあなたを愛している母さんよー」
電話の時のこの言い回しはいつもの元気な母さんだ。
「母さん、何かあった?」
「ごめんね、いろんなことに巻き込んじゃって。父さんの手がかりがようやく掴めかけているの。だけど事情が複雑だし私もわからないことだらけでさ。あまり時間がないからどこから説明していいのか」
「父さんを見つけるためでしょ。事情は終わってからでいいよ。俺は母さんと父さんを会わせて、ちゃんと3人で暮らしたい。だから俺は巻き込まれる覚悟はできている」
「────ありがとう。 本当に───本当に、いい息子に育ってくれて母さん嬉しい」
「うん。何か起きたら俺で対処するから母さんは遠慮なく後悔がないようにやっちゃってよ」
「ハルキ………… あなたにこれまで教えてきたことがあなたを助けてくれる力にきっとなるわ。
向かってくる障害に全力で立ち向かいなさい。何があっても諦めないこと、最適解を導き出して行動すること、いいわね」
「──わかった。母さんこれだけは約束してほしい。絶対に生きて帰ってくること。いい?」
「ふふっ、息子に言われるとはね。約束するわ、母さんはちゃんと生きて帰ってくる
それと───五番目の部屋を開けていいから、そこにあるものは好きに使いなさい。それじゃ!」
母さんの電話が切れた。
ふぅーーーー。
五番目の部屋を開けていいんだ。
相当なミッションですな。
俺の緊張が一気に高まる。
五番目の部屋とは我が家にある母さんの許可なしでは開けられない開かずの部屋だ。鍵のある場所と解除キーの番号は教えてもらっている。一度こっそり開け他ことがあるが、母さんに通知がいく仕組みになっていてバレた。
その時は何も置いていなかった。俺が開けるか開けないか試された。
そんなの思春期真っただ中の高校生なら開けるに決まっているじゃん。
押すなよ! 押すなよ! って言われたら押すでしょ?!
初めて母さんの許可が出た。むしろ使えと言っている。
使わないとやられるぞ。ということだ。
となれば一刻も早く家に帰って準備をしなくては。俺はホームから電車に乗り込み帰路についた。
◆◆◆◆
場所が変わってティナの自宅がある最寄駅。
ティナと弟たちは駅から帰り道にある住宅街を歩いていた。
前を村上と織田。真ん中にティナと累。後ろに日向と志尊。
5人はティナと歩く時は周りの鬱陶しいナンパやスカウトを警戒しているためいつもこのフォーメーションになる。
今回は累が隣にいるがメンバーはローテーションでティナの隣は入れ替わっている。
「ねーさん、ハルキさんってすごい人じゃん。こんなに早く会えるとは思っていなかったから嬉しいな!」
累はキラキラ目を輝かせて姉と話していた。
「でしょでしょー! ハルキの良さがどれだけかわかっただろう」
とティナも得意げな顔をしている。
「あの人やばいね。ケンカが強いとかそういうオーラじゃなかった。あの目の本気さはマジで勝てないって一瞬で悟ったよ。ナイフを素手で掴むんだから頭のネジ外れてても不思議じゃねーなって納得した」
と褒めているのか貶しているのかハルキを殺人鬼のような言い回しで表現していた。
「ハルキは一線を簡単に超えちゃいそうな怖いところあるけど、すごく優しいの裏返しだと思うの。彼が自分から敵意を向けることはないし最悪の状況を一瞬で考えちゃって最悪を避けようと全力を尽くす人なのよ。それに彼のお母様に今日会ったんだけどお母様もすごく優しくて強い意志を持っている人だったわ。ハルキに武術を教えたのはお母様なのよ」
「へぇ、ハルキさんより強いってこと?!」
「ハルキが言うには主婦の中では死戦を超えた場数が違いするぎるって言ってた」
「はははは、わけわかんねー何者だ!」
「貿易の仕事しているしか聞けなかったわ」
そこに他のメンバーも話に加わってきた。
「ねーさん、今日は機嫌いいっすね。ずっと笑顔じゃないっすか」
「そーそー、恋する乙女な顔してますよ~」
いつものティナなら彼らに対してゴミを見るような目を向けるところだが、頬に手を当てて顔を赤た。
「あちゃー、拍子抜けですなー。ゴミを見るような目がどこかにいってるっす!」
「ねーさん、可愛いんだから俺らにも笑顔を向けてほしいっす」
おちょくられたティナがいつも彼らに向けるゴミを見るような冷たい目つきに戻る。
「お前らの悪行がどれだけ私を怒らせたか忘れたのか」
唐突に先頭を歩いて笑っていた村山と織田がピタリと足を止め、手でティナと累の前を遮った。
道の真ん中にバーテンダーの格好をした長身の男が一人、不適な笑みを浮かべて立っていた。
村山が
「なぁーーーんか、変なやついるなぁー。おにーさん邪魔だからそこどいてくれる?」
織田も警戒しながら
「俺らあんたに用ないからさ、他当たってよぉ」
バーテンダーは不適な笑みを浮かべたまま口を開いた。
「おやおや、最近の高校生は目上に対する言葉遣いがなっていませんね~。私が用があるのはそちらのお嬢さんだけですのであなたたちは帰ってもらっていいですよ~」
累がティナを後ろに下がらせ日向と志尊が前に出てくる。
織田が指をボキボキ鳴らしながら
「あんた、俺らがエリュシオンだって知ってて喧嘩売ってきてるのわかってんの?」
「エリュシオン? はて、知りませんね。美味しいんですか?」
と小馬鹿にするバーテンダー。
「ちょっと、あなたたちだけで勝てるの?!」
とティナは心配する声をあげたが
「ねーさんは俺たちが守るからそこでスマホゲームでもしててくださいよ」
と頼もしい返事が返ってきたがティナは
「これは死亡フラグのセリフ…………」
とボソっとツッコミを入れていた。
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