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第1章 全ての始まりの記録
abyss:57 対レグルス作戦開始
しおりを挟むレグルスの本拠地の真上にあった工場地帯が大地に沈んでいく。
ティナはハルキの安否が気になって不安に襲われる。
ハルキの元に引き返してもらいたい気持ちはあるが、足手まといにしかならないはわかっていたためグッと堪える。
ティナに出来ることは安全な場所に避難してハルキが闘いやすい状況を作ることだ。
ローグがティナの不安を察し言葉を掛ける。
「なぁにあの程度じゃ彼は死なんよ、安心せい」
本拠地の真上にあった工場地帯が陥没したのに何バカなことを言っているんだコイツは、という顔でローグを見る。
「ハルキが持った剣の能力はヤバいんじゃよ」
のほほんとしているローグをみて完全に不安は消えなかったが少しは安心することができた。
「ハルキ…………無事に帰ってきて」
ティナは沈んだ大地が見えなくなっても見つめていた。
工場区から数分後にはローグの大学の広い校庭に4機のヘリが着陸した。
すでに待機していた部下たちが応急処置を施された夜春たちを降ろし巨大な地下エレベーターの昇降口に運んでいく。
ローグの元にスーツを着た女性、紫織が駆け寄ってくる。
「ローグ、ご無事で何よりです! 報告があります!」
紫織の後ろを拘束している部下たちに押されながら夜春と闘った3人とハルキに倒された3人がストレッチャーに乗せられ寄ってくる。
「大人しく投降したので捕虜にしていますが、最終判断はあなたに任せます」
紫織は一歩後ろに下がる。
立っている3人はかなり大怪我をしているが命に別状はなさそうだった。
生殺与奪を握られているため顔が緊張している。
ストレッチャーに乗っている3人は意識がない。
「夜春と闘って殺されなかったのなら彼女に見逃されたんじゃな、ふむ」
ローグは髭を触り処遇を考える。
オネェが口を開いた
「あなたがここのボスゥ、投降すぅ───ルグァ!」
梢がお前は余計なことを言うなとばかりに肘鉄を脇腹に入れる。
「敵なのに都合のいいお願いなのは重々わかった上でお願いしますわ! せめて彼らだけでも助けてください! ついでに私たちもお情けで助けていただけるのでしたら嬉しいのです!!!」
梢がローグの顔を真っ直ぐ見て懇願した。
オネェとレスラーが頭を下げる。
「ふっ、全くなんて自分勝手で身勝手なお願いじゃわい、よかろうついてこい」
3人は安堵の笑顔を浮かべた。
「じゃが敵意を向けてきたらワシは問答無用で容赦なく殺すからな、覚えておけ」
ローグは眼光の奥にある殺気で睨みつけ紫織に6人を連行させた。
「ここはもういい! 総員地下に待避じゃ!!!」
地上にいた部下たちが一斉に地下エレベーターの昇降口に走っていく。
歩きながらローグが右手を真横に振ると空中に6つのモニターが表示された。
モニターに違う顔が表示されている。
「各部隊にこれより指示を出す!
医療部隊は将暉、夜春2人の緊急手術の準備!
戦闘部隊は捕虜の尋問、レグルスについてすべて聞き出せ!
司令部は戦況の確認とハルキのサポート、民間人の避難誘導! 徹底的に不安を煽れ!
電脳システム部隊は宇宙から来た機械生命体レグルスの解析、丸裸にしてやれ!
13年前に奪われたお前たち身内の仇を今夜取るぞ!」
『了解!』
その光景をみてティナは
「わぁ。あの人めっちゃ偉い人だったんだ」
と呟いた。
理事長、夜春、将暉、ティナ、梢たちと地上にいた大勢のスタッフたちが駆け足でエレベーターの昇降口に乗り、エレベーターは地下に下がっていく。
天井は地面が両サイドから閉まっていく。
ドアが完全に閉まり切り一瞬暗転した後、赤い照明に切り替わった。
<─ジャミング開始、スベテノ外部ネットワーク、通信ヲ遮断シマス─>
施設内のドアが閉まると大学の防衛設備が自動で発動される。
レグルスに限らず外部からのハッキングや電波、通信を完全に遮断するための装置の一つである。
ドサドサドサ
ティナと梢たちがその場で意識を失い倒れた。
「まさかとは思ったが、やっぱりこの子にも何かしていたのか」
理事長はティナを抱き上げ呟いた。
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