48 / 49
撃退撤退大問題
しおりを挟む
「……………………」
今、何が起きたか分からなかった。魔王の顔面をとらえて殴り飛ばしたと思ったらいつの間にか消えていた。
桜の花びらが散るフロアには俺とメジェドさんしかいない。この事を考えると、軽くで俺は勝ったんだ…………
「達成感の欠片もないのは何故だ…………」
「…………………………………………」
こっちをじっと見てるメジェドさんは答えてくれない。そもそも喋ったところを見たことすらない。目からビームの効果音がビームッだったのは覚えてるが、それだけだ。
やっぱビームの効果音がビームッってのはない
ビーーーーーーームッ!
わぁっ!?メジェドさん今当てるつもりでビーム放ったよな!?
「…………………………………………」
こっちを見なさい!ほら、目を合わして話し合おうじゃないか。ダメだ、バリア張ってて近づけねぇ!
…………こんな茶番はやめておこう。今は外に強制転移された魔王の事が気になる。ステータスカンストしてる上に御都合主義まで持ってるはずなのに負ける方がどうかしてる。
俺としては負けて欲しかったが、あんなにあっさり消えるのはおかしい。一度部屋に戻るか。メジェドさんはアルの代わりにボス部屋にいてくれ。
「…………………………………………」
やばい、不服だって雰囲気を出しながらこっち見てくる。しかも雰囲気が感じるものじゃなくて見るものみたいになってる。
エジプトの神に仕える方に言うのもなんだけど後は任せた!俺は監視してた部屋に戻って地上の様子を見てくる!
早足に桜舞う特設ステージを去ってハピ達の元へ戻る。
「ごじゅじゅんざまぁぁぁぁぁぁ!ぬべらっ!?」
「今すごい音がしたぞ!?」
俺が表現するなら「ビュンッ、ベジャッ」という音がした。最高速でハピが突撃してきたんだが勢い余って俺に衝突した音だ。明らかな大事故によりハイピクシーが意識不明の重体となり…………
ふざけてないで地上を見よう。少なくとも女の子らしくない声を出したハピは悶絶してるだけだから大丈夫でしょ。
「えっと、あれ?端末はどこだ?ここに置いたはず…………」
ぷるるんぷるん、ぺっ
「…………金時さんや、何でも飲み込むのはやめような」
ぷるるん!
いや、それ全く反省してないでしょ。顔があったらドヤ顔してるよね君。まさか金時が俺の端末を飲み込んでいたとは。正常に動いてるからまあ金にされなかっただけマシか。
よし、アプリを起動してと、地上の様子はどうなって…………
『魔王様がやられた!原因は…………たぶん心の傷だ!人間の介抱は後回しにしろ!』
『さっきから寝転がってブツブツ言ってて怖い!呪詛でも吐いてるんすか!?』
『嫌い…………キライ…………機雷…………妾を…………嫌い…………』
『メディィィィィック!早く来てくれ!』
…………何この阿鼻叫喚な空間は。明らかに俺が悪いと思えるのもスキルによる修正力か?
まあ、あいつが俺に戦いを挑んでああなったから俺は悪くない。
しかし、やっぱ見たところ魔王に傷一つ見当たらない。割と力強く殴り飛ばしたのに跡すらない。だが、どう見ても心が折られてる。
俺、心を折るようなことしたっけ?心当たりがさっぱり無いんだが…………
「さっぱりって顔してますけど間違いなくご主人様の一言ですからね!」
「何でお前は妙に嬉しそうなんだ」
「心の底からざまぁないと思ってるからです!」
ふんす、と鼻を鳴らして言い放ったハピさん。その顔はまさしく他人の不幸は蜜の味といったところだ。
「ふん、いつもアルとデスを虐めてる天罰が下ったんですよ。まず毎回毎回いちいち来て迷惑かけまくった挙句、何もせずに帰るとか非常識なんですよ…………」
「あーっと、少しでもかわいそうと思ったが、そう言われたらそうだったな。自業自得だ馬鹿め」
そういやこいつにダンジョン的に尋常じゃない被害を与えられたのは確かだ。このままだとロクな魔物がいなくなっていとも簡単に攻略される可能性がかなり高くなる。
あ、端末を置いて行ってたから忘れてたけどダンジョンポイントはどのくらい溜まったんだ?
『
(魔王軍の先兵たちのポイントは割愛)
『ケツァルコアトル』ギルドマスター撃退ボーナスで1000ポイント手に入りました
『ヴァルキリー』支部長撃退ボーナスで1000ポイント手に入りました
魔王軍四天王撃退ボーナスで2000ポイント手に入りました
魔王来訪ボーナスで10000ポイント手に入りました
魔王完全撃退ボーナスで1000000ポイント手に入りました
防衛成功によるボーナスにより100000ポイント手に入りました
現在のポイントは1250800ポイントです』
「うおっしゃああああああああああああ!元とれたああああああああああああ!」
「主人、ヤカマシイ。セッカク我ノ分体ヲ寝カシツケタノニ」
「あ、ごめん」
とっさに謝ったが、この死神は少しずつお母さんの道を歩んでるような気がするぞ。いや待て、いつの間に寝たんだあの幼女達
まあ興奮は収まらない。なぜなら今回で泣く泣くダンジョンポイントの残高が20万を切るほど使用した為に赤字だろうなと覚悟していたが倍近くのポイントを入手できた!EXモードと特設ステージでアドバンテージを取ろうとした甲斐があった…………
やっべ、達成感がありすぎて嬉し涙出そう。
「とにかく魔王軍も撤退するようだし、みんなお疲れ様!これだけのポイントが入ったししばらくの間はダンジョンを閉めてしばらくゆっくりするか!」
「はぁ~、見てただけで役に立ってませんが緊張しましたぁ~」
「……………………………………………………」
「さらっと職務放棄したメジェドさんは今日の心臓は抜き」
ビーーーーーーームッ!
「不服だからといちいちビーム放つの止めろ!」
メジェドさんによる明らかな職務怠慢に合う罰を提示したのに反逆された。解せぬ。
とりあえずみんなに労いを言って一回寝よう。割と張りつめてたし時間もかなり遅い、向こうはもう攻めてこないってのは分かってるから一休みしても罰は当たらないはずだ。
はぁ、ほんとに疲れた…………魔王にはしばらく来てほしく…………何でしばらくなんだろうか、来訪するだけでポイントを貰えるからか?まあいいや、休もう!
~●~●~●~●~
「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」
「……………この魔王様をどうすればいいんだ」
今まで都合よく何でも手に入っていた魔王にとって最大の挫折かつ『ーー』によるショックが大きすぎてしばらく自室に引き篭る羽目になる。
魔王が再起不能になっている間、魔王城における仕事がかなり減ったということはなんという皮肉だったことか…………
今、何が起きたか分からなかった。魔王の顔面をとらえて殴り飛ばしたと思ったらいつの間にか消えていた。
桜の花びらが散るフロアには俺とメジェドさんしかいない。この事を考えると、軽くで俺は勝ったんだ…………
「達成感の欠片もないのは何故だ…………」
「…………………………………………」
こっちをじっと見てるメジェドさんは答えてくれない。そもそも喋ったところを見たことすらない。目からビームの効果音がビームッだったのは覚えてるが、それだけだ。
やっぱビームの効果音がビームッってのはない
ビーーーーーーームッ!
わぁっ!?メジェドさん今当てるつもりでビーム放ったよな!?
「…………………………………………」
こっちを見なさい!ほら、目を合わして話し合おうじゃないか。ダメだ、バリア張ってて近づけねぇ!
…………こんな茶番はやめておこう。今は外に強制転移された魔王の事が気になる。ステータスカンストしてる上に御都合主義まで持ってるはずなのに負ける方がどうかしてる。
俺としては負けて欲しかったが、あんなにあっさり消えるのはおかしい。一度部屋に戻るか。メジェドさんはアルの代わりにボス部屋にいてくれ。
「…………………………………………」
やばい、不服だって雰囲気を出しながらこっち見てくる。しかも雰囲気が感じるものじゃなくて見るものみたいになってる。
エジプトの神に仕える方に言うのもなんだけど後は任せた!俺は監視してた部屋に戻って地上の様子を見てくる!
早足に桜舞う特設ステージを去ってハピ達の元へ戻る。
「ごじゅじゅんざまぁぁぁぁぁぁ!ぬべらっ!?」
「今すごい音がしたぞ!?」
俺が表現するなら「ビュンッ、ベジャッ」という音がした。最高速でハピが突撃してきたんだが勢い余って俺に衝突した音だ。明らかな大事故によりハイピクシーが意識不明の重体となり…………
ふざけてないで地上を見よう。少なくとも女の子らしくない声を出したハピは悶絶してるだけだから大丈夫でしょ。
「えっと、あれ?端末はどこだ?ここに置いたはず…………」
ぷるるんぷるん、ぺっ
「…………金時さんや、何でも飲み込むのはやめような」
ぷるるん!
いや、それ全く反省してないでしょ。顔があったらドヤ顔してるよね君。まさか金時が俺の端末を飲み込んでいたとは。正常に動いてるからまあ金にされなかっただけマシか。
よし、アプリを起動してと、地上の様子はどうなって…………
『魔王様がやられた!原因は…………たぶん心の傷だ!人間の介抱は後回しにしろ!』
『さっきから寝転がってブツブツ言ってて怖い!呪詛でも吐いてるんすか!?』
『嫌い…………キライ…………機雷…………妾を…………嫌い…………』
『メディィィィィック!早く来てくれ!』
…………何この阿鼻叫喚な空間は。明らかに俺が悪いと思えるのもスキルによる修正力か?
まあ、あいつが俺に戦いを挑んでああなったから俺は悪くない。
しかし、やっぱ見たところ魔王に傷一つ見当たらない。割と力強く殴り飛ばしたのに跡すらない。だが、どう見ても心が折られてる。
俺、心を折るようなことしたっけ?心当たりがさっぱり無いんだが…………
「さっぱりって顔してますけど間違いなくご主人様の一言ですからね!」
「何でお前は妙に嬉しそうなんだ」
「心の底からざまぁないと思ってるからです!」
ふんす、と鼻を鳴らして言い放ったハピさん。その顔はまさしく他人の不幸は蜜の味といったところだ。
「ふん、いつもアルとデスを虐めてる天罰が下ったんですよ。まず毎回毎回いちいち来て迷惑かけまくった挙句、何もせずに帰るとか非常識なんですよ…………」
「あーっと、少しでもかわいそうと思ったが、そう言われたらそうだったな。自業自得だ馬鹿め」
そういやこいつにダンジョン的に尋常じゃない被害を与えられたのは確かだ。このままだとロクな魔物がいなくなっていとも簡単に攻略される可能性がかなり高くなる。
あ、端末を置いて行ってたから忘れてたけどダンジョンポイントはどのくらい溜まったんだ?
『
(魔王軍の先兵たちのポイントは割愛)
『ケツァルコアトル』ギルドマスター撃退ボーナスで1000ポイント手に入りました
『ヴァルキリー』支部長撃退ボーナスで1000ポイント手に入りました
魔王軍四天王撃退ボーナスで2000ポイント手に入りました
魔王来訪ボーナスで10000ポイント手に入りました
魔王完全撃退ボーナスで1000000ポイント手に入りました
防衛成功によるボーナスにより100000ポイント手に入りました
現在のポイントは1250800ポイントです』
「うおっしゃああああああああああああ!元とれたああああああああああああ!」
「主人、ヤカマシイ。セッカク我ノ分体ヲ寝カシツケタノニ」
「あ、ごめん」
とっさに謝ったが、この死神は少しずつお母さんの道を歩んでるような気がするぞ。いや待て、いつの間に寝たんだあの幼女達
まあ興奮は収まらない。なぜなら今回で泣く泣くダンジョンポイントの残高が20万を切るほど使用した為に赤字だろうなと覚悟していたが倍近くのポイントを入手できた!EXモードと特設ステージでアドバンテージを取ろうとした甲斐があった…………
やっべ、達成感がありすぎて嬉し涙出そう。
「とにかく魔王軍も撤退するようだし、みんなお疲れ様!これだけのポイントが入ったししばらくの間はダンジョンを閉めてしばらくゆっくりするか!」
「はぁ~、見てただけで役に立ってませんが緊張しましたぁ~」
「……………………………………………………」
「さらっと職務放棄したメジェドさんは今日の心臓は抜き」
ビーーーーーーームッ!
「不服だからといちいちビーム放つの止めろ!」
メジェドさんによる明らかな職務怠慢に合う罰を提示したのに反逆された。解せぬ。
とりあえずみんなに労いを言って一回寝よう。割と張りつめてたし時間もかなり遅い、向こうはもう攻めてこないってのは分かってるから一休みしても罰は当たらないはずだ。
はぁ、ほんとに疲れた…………魔王にはしばらく来てほしく…………何でしばらくなんだろうか、来訪するだけでポイントを貰えるからか?まあいいや、休もう!
~●~●~●~●~
「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」
「……………この魔王様をどうすればいいんだ」
今まで都合よく何でも手に入っていた魔王にとって最大の挫折かつ『ーー』によるショックが大きすぎてしばらく自室に引き篭る羽目になる。
魔王が再起不能になっている間、魔王城における仕事がかなり減ったということはなんという皮肉だったことか…………
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
無属性魔法しか使えない少年冒険者!!
藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。
不定期投稿作品です。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる