究極生命体のダンジョン作り!

雷川木蓮

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手合わせと新たなガチャ、そして外へ

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テロテロレン♪テロテロレン♪


ダンジョン作りを始めて2日目。朝っぱらから端末の音楽で目が覚めた。一応、端末に時計とタイマー機能があるからタイマーをセットしておいたが、これはタイマーの音じゃない。

「ふわぁ…………ねむぅ…………」

あーあ、ハピが起きちゃったじゃないか。もしかしたら侵入者か?端末を確認しよう。

『デイリーボーナス!100ポイントを進呈します』

そんな事をわざわざ大きな音で知らせなくていいよ!朝の4時にリセットされるって事は毎回朝の4時に起こされるって事かよ!

「何だったの~…………?」

「大丈夫だ。しっかり寝とけ」

「ふわぁ…………おやすみぃ…………」

そう聞いたらハピひクッションにコテンと転ぶように(?)寝込んだ。健康だけどまだ眠いっぽい。どれくらいの睡眠を必要なのか分からないが、眠いなら寝かせておこう。

寝すぎてぐうたらになったら無理矢理にでもダンジョンで働かせるけどね。

あーあ、完全に目が覚めちゃったよ。暇だしちょっと一階の様子でも見てこようかな?

自室の部屋を開けてダンジョンの様子を見ようとしたが、

「シュコー…………シュコー…………」

お前…………何で直立不動で俺の部屋の前に立ってるんだよ!まさか、ずっとここに立ってたのか?

「シュコー…………シュコー…………」

寝ずによくやるよ。忠誠心が大きすぎるんだよ。支えてくれるのは嬉しいけど、ここまできたら不安になるぞ?

どうする?体を動かそうにもいい運動は思いつかないし、そうだ、手合わせでもしてみないか?

さっきの戦闘だとアルの戦力があまり分からなかった。少なくとも、俺はステータスがバグってるけどアルと同等くらいの力は持ってあるだ。

もしかしたら互いの弱点を見つけ出せるかもしれないぞ?

「シュコー…………シュコー…………」

よし、やってみようか。ボス部屋に行こうぜ。そこならある程度の手合わせは出来るだろう。

俺達の部屋がある場所とボス部屋はぴったり隣にくっ付いている。でも、誰でも入れる訳じゃない。端末であらかじめ登録しておいた奴だけ入れる。今の所、俺とアル、ハピだけだ。

あーあ、こっちでも友人は出来るのかねぇ?向こうでもほとんど友人はいなかった。つーか、少ない中で一人死んだし…………

悲しい事は思い出さない。今の事だけ考えておこう。

で、ボス部屋だ。まだ朝っぱらから誰か来る訳でもない。二人(?)で大怪我しないようにやってみようか。

実は怪我してもポイントを消費して回復剤を買えるけどね。

「よっしゃっ、遠慮せずにこいや!」

「シュコー…………シュコー…………」

俺の開始の合図(?)と共にアルは本当に遠慮せずに殴りかきってきた。

正面から来ると思ったが、アルは『それは残像だ』と言うくらいの速さで俺の後ろに回り込む。素早さ6000以上あればこれくらいできるんだな。

でも、後ろからの蹴りは俺はちゃんと分かってるぜ。アルの巨体が放つ蹴りを俺は片手で受け止めた。この感覚、まるで自動車が衝突してくるような感じだ。

だがぬるい。その程度で俺を吹き飛ばせると思っていたか!どれだけトラックに轢かれたと思っている!母さんの知り合いに頼んで40台のトラックを廃車にしたわ!

「まだまだよ!」

「シュコー…………!」

呼吸音から焦りが見えた。そして、そのまま足を掴んでぶん投げる、事はせずにそのままグルグルと回転する。

遠心力で振り回す速度を上げてさらに速く回す。俺くらいになったらコレでトルネードは起こせるようになるよ!

勢いがついたら投げ飛ばすのがベスト。その方が威力が出る。

「そぉれ!」

ブォン!と音が出るくらいの勢いでアルを投げ飛ばした。投げられたアルはそのまま勢い衰えずに壁に叩きつけられた。

壁にぶつかる音は凄く大きい。巨体が壁にぶつかる音なんて並大抵の大きさじゃない。でも、アルはまだまだ行けるようだ。

さ、続きをやろうか!

「シュ、コー…………」

「そぉい!」

拳と拳がぶつかり合う。体格差は1.5倍くらい離れてるけど、俺はビクともしない。だてに鉄骨が頭に落ちてきても鉄骨が折れ曲がる頑丈さ!

さらに言うとロケットランチャーを素手で殴り落とす頑丈さ!コレは見ものでしたよ!

そんな事は置いといて、俺とアルの拳は一度離れ、次に反対側の拳を振る。そして、このままラッシュ対決になった。

殴られても殴り返し、拳がぶつかり合ってもすぐに引かせてもう片方で殴る。

いつまで続いたんだろう?気分的には数分間は殴り合ってた気がするな。ま、結果から言わせてもらうとアルが先に倒れた。うん、俺にとってはいい運動になったぜ。

アル、お前の戦い方はいいと思うけど、もうちょっと足元を見ておいた方がいいぜ。じゃないとさっきみたいに転かされるぞ?

「シュ…………コー…………」

アルは凄く疲れた呼吸をしている。アルに詳しくなくてもこればっかりは誰にでも分かる。


テーッテレレテー!


ん?部屋に置いてきた端末から音が聞こえたような気がした。部屋に戻って確認しよう。

「すぴー…………すぴー…………」

ハピはまだクッションの上でぐっすりと寝ている。結構大きな音を立てながら手合わせをした筈だけど、防音でもなってるのか?

そへはそうと端末を確認して、あ、通知が来てる。


『おめでとうございます!レベルアップしました!

名前・アル(レベル1→5)
種族・タイタン(希少種)
体力・15000000→16000000
魔力・60000→61000
攻撃力・250000→260000
守備力・300000→310000
素早さ・6850→6900
運・0.15→0.15
スキル・知能(レベル3→4)、バーサーク(レベル1)』


おっ、レベルが5も上がってる。ついでにさっきの戦いで何かを学んだのか、知能のレベルも上がっている。アル、賢くなったな。

「シュコー…………シュコー…………」

レベルアップしたから体力も回復したのか?それはそれで便利だな。


『人型の魔物のレベルが5になったので武器&アクセサリーガチャが解放されました』


武器ガチャ?今度は武器を得ることができるのか。それはちょうどいいんじゃないか?俺は素手でも構わないけど、いつかはアルやハピ、まだ見ぬ仲間に武器が必要になってくる。

一応、確認はしておこう。


『武器&アクセサリーガチャ』
・1回 5000ポイント
・11回 初回5000ポイント(次回から50000ポイント)


よくあるコンプガチャみたいな感じで絞ろうとしてる気がするよ。ま、今はポイントが全然足りないから選択する事は出来ないけどね。

さて、朝のシャワーでも浴びるか。アル、お前はどうする?

「シュコー…………シュコー…………」

ごめん、さっぱり分からない。でも、別にいいって事だよな?

「シュコー…………シュコー…………」

武器&アクセサリーガチャの解放は大きいけど、引くのはまだ先だ。どんな異世界武器やアクセサリーが出るか楽しみだ。


~●~●~●~●~


「ハピ、確か花の蜜がハイピクシーの朝食だっけ?」

「そうですよ、お願いします!」

で、アル?お前は何にしたらいいんだ?つーか、何がいいんだ?

「シュコー…………シュコー…………」

…………サンドウィッチでいいよな。自分で言わないから異論は認めんぞ。

「ちょっと!何か喋りなさいよ!」

「シュコー…………シュコー…………」

「シュコー、じゃなくて!」

ハピは全然喋らないアルの事が気に入らないみたいだ。ちょっとは喋ってほしいけど、アルの知能はレベル4だ。あまり喋りたくないのかもしれない。

「喧嘩しないの。ほら、花の蜜だぞ。アル、サンドウィッチだ」

「わーい!いただきまーす!」

「シュコー…………シュコー…………」

この世界にも『いただきます』の言葉があるんだ。こっちの世界でも見られない所もあるから無いんだと思ってた。

あ、アルの食べ方にハピが目を見開いて驚いてる。ま、アルの食べ方は省略の方向でお願いします。

「それじゃ、留守番よろしくな」

「ご主人様、何をもってして留守番なのかよく分かりません!」

思った通りにハピが食いついてきた。グルグルと俺の周りを回って行かせようとさせないつもりだ。

「いやさ、ダンジョンの外見を見たくてさ、もしかしたら近くに街があるかもしれないから、そっちも見ておきたい。もしかしたら今日中には帰られないかも」

「それなら私も連れてってくださいよー!ぶーぶー!」

ハイピクシーのブーイングが飛ぶが、ブーイング程度で俺の心は傷つかないぜ。

ハピは俺と一緒にいたトコを見つかったら面倒くさい事になるだろ?

その意図をハピに伝えたら、

「むー…………!それだったら職業をテイマーにすればいいじゃないですか!」

おお、テイマーと言うのは魔物を調教して言う通りにさせる職業だな。嗚呼、職業を普通に名乗れるなんて…………

人として悲しい事を思ってるなぁ…………

さて、端末のアプリ、テレポートを開いて行き先を…………って全然無いじゃないか。初期位置しか無い。これはダンジョンの近くという事だな。

「よし、じゃあ行ってくる」

「行ってらっしゃいませ、ご主人様のお帰りをずっと待ってます!」

ぺこりとハピが丁寧にお辞儀をした所で初期位置を選択した。一瞬、視界がブレたけどすぐに青空と木々が立ち並ぶ視界が開けた。

外の世界か。向こうの世界とは違っていい空気してるな。

「はーっ、気分がい」「いな?」

あれ?さっきまで外にいた筈なのにまた視界がブレて今度はどっかのお城の広間が視界に広がっている。

「……………………ここどこ?」

厄介事の気配プンプン!速くテレポートで逃げないと!

「ほう、人間が我々の転移陣を見つけ単騎で攻めてくるとは」

「骨がある者とみたでござる。いざ尋常に勝負!」

「まぁまぁ、待ちなって。画面の向こうのみんなも、いきなりむさ苦しいおっさんの戦いなんて望んでないって」

「フフフ…………」

え、何この魔族四天王っぽい人達は?

「はっはっはっ!よくぞ一人で攻めてきたな人間!たった一人で妾の部下とこの妾、ウェーン・ジャルバッドを殺せるか!」

あっ…………帰りたくなった。そして久々引きこもりたたい気分になった。
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