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俺のダンジョン 三階~終了
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ガッガッガッガッガッガッガッガッ
「お、おい、喧嘩屋?」
「何だ?」
ガッガッガッガッガッガッガッガッ
「すっごくイラついてるのは分かるよ?でも、壁に罪はないんじゃない?」
「罪?壁は物だろうが。罪がどうとかいうのじゃないぞ?」
ガッガッガッガッガッガッガッガッ
「…………落ち着け」
「落ち着けないからこうしてる」
今、何でガッガッガッガッと音がしてるかというと、イラついて桜吹雪で壁を殴打しまくってるからだ。
みんなを不安にさせてるのは仕方ない。でも、こうでもしないとイライラが収まらない。
「ご主人様~、お腹すきました~」
ぷるぷるん
ハピと金ピカスライムがご飯を要求している。ハピには花の蜜を渡すとして、スライムは何を食べさせたらいいんだろ?
「ほれ、直ぐ飲めよ」
「いただきまーす♪」
こっそり端末から花の蜜を出してハピに渡す。ちょっと、金ピカスライムさん何でそんな目で見てくるんですか?てか、お前に目ってあったのかよ。
やっぱり何か欲しいと思うので花の蜜が入った瓶を置いてみた。
ぷるぷる
おい、こいつぺしって瓶転がしたぞ。ったく、我が儘だなおい。
「餌に、困ってる?」
スミスが俺の横に来て言った
「ああ、普通のスライムならともかく、希少種に違いないスライムだからな」
「これに、餌はいらない」
「いらない?どういう意味だ?」
「見れば、わかる」
そう言ってスミスは転がっていた花の蜜が入った瓶の中身を飲む……って待てや。なぜ花の蜜を飲んだ。
そして、瓶を金ピカスライムに投げ込んた。
ぷるっ
何故かすんなりと瓶を取り込み、モゴモゴしている
「このスライム、食べ物は、食べない」
「瓶とか、石とか食べるのか?」
「ああ、前に見たことある」
そうだったのか。まあ、何でも食いそうなイメージがあったけど、この金ピカスライムは有機物を食べないのか。
「ありがとう」
「礼は、いらない」
クールな感じだなぁ。いつもこんなんじゃ疲れちゃうよ。
「あーっ!スミスがデレた!」
「いつも礼を言っても無視するスミスが!」
「お前ら、殴るよ?」
あ、デレてらっしゃったか。スミスはこんな感じでデレるのか。
「よしっ!みんな休めたよな!次行くぞっ!」
この中で一番元気なゴッサムはポージングして言った。一階で大変な目にあって二階は警戒だけしてここまで来たのにこいつだけ元気だ。
というかゴッサム除くみんなは精神的に疲れてる。肉体的には元気だけどピリピリした雰囲気を纏っている。
「ああ、そろそろ三階に行くぞ」
「今回は4階まで行く予定よ。今日中には帰りたいわ」
「意地悪ダンジョンはもう嫌ですぅ……」
過去に何かあったのだろうか。チョコがちょこっと泣きそうになって言った。
…………うん、寒いギャグ言ってごめんなさい。
よし、イラつきも収まってきたし、俺はOKだ。
「よし、次も警戒しろよ!さっきのようにいかないと思うからな!」
「「「「「おー」」」」」
確か次はゴーレムの階層だったな。ゴーレムに関してはそこそこな感じだったんだ。ちょっとアルと複数のゴーレム達でやりあわせてみたが、アルの圧勝だったのでぶっちゃけ分からない。
…………どうしてだろう。何故か知らないがあの骸骨が頭の中でテヘペロしたような気がした。嫌な予感がする。
「…………」
先頭のケームは無言で階段を下りていく。その他の面々も黙って階段を下りていた。ここで音を立てたら階段が音を反響して下に伝わるというので俺も黙っている。
しっかし、意外と着かないものだな。俺一人で降りた時はそこまで時間がかからなかったけど、パーティを組むとゆっくりになるんだな。
「…………ついたぞ」
「慎重にね…………」
一行は静かに三階の大部屋へ入っていく。
が、俺の嫌な予感は的中した。
「おい、なんか看板があるぞ」
「えと、えっ、これ…………」
見た人達の反応がおかしかったので俺も看板に書かれた文字を黙読した。
『ただいまここから先は調整中。ご迷惑をおかけします』
「……………………は?」
「……………えぇ………」
「……………………」
「こういう事例、出来立てのダンジョン、たまにある」
「…………引き返そっか」
「残念だなっ!」
六人の反応はそんな感じだった。ちなみにハピの反応はというと
「…………ご主人様、これってあの骨の仕業じゃ」
と、あの六人に聞こえないように俺の耳元で囁いた。うん、それは気づいてたよ。あの死神とか名乗ってる骨、骨粉にして農場にぶちまけてやる。
「…………仕方ないな。今回の依頼はこれで終わりだ。みんな帰るぞ」
「はーい、まあ、結構浅いとこでレアアイテム手に入ったからいい収穫でしょ」
あの宝箱から手に入ったアイテムはレアアイテムだったのか。てか、この件に関して俺は金ピカスライムに懐かれただけじゃないか。
そもそも戦闘すらあまり行ってないし、今回の調査だったら一階のスライムの雨が一番やばかったじゃん。でも、そこさえ抜けたら簡単にレアアイテムが手に入りやすい、と解釈できるのかな?
ぷるるん?
あ、そうだ。宿に戻ったらハピを通してこいつと正式に契約しないとな。名前どうしよう。ギルガメッシュでいいかな?
ぷるるっ!
なんか嫌がってる。てか、俺の思考を読めたのか?まあ、金ピカスライムの能力はまた後で確認しよう。
「よーし、みんな帰るぞー!」
あれ、皆さんその手に持ってる石は何ですか?あ、ちょっ、なんかみんなが光って消えたんだけど!
「置いてかれましたね~」
「…………あそこ引き返せってか」
おそらくダンジョンから脱出アイテムを使ったんだろう。もちろん俺はそんなもの持ってない。つまり、一人と二匹でこの道を引き返す事になった。
はぁ、俺のダンジョン探索は残念な形で終わってしまったな。とりあえず、ここから出る前に骨にメール打っておこう。
お前、後で作る菜園の肥料にするってな……
「お、おい、喧嘩屋?」
「何だ?」
ガッガッガッガッガッガッガッガッ
「すっごくイラついてるのは分かるよ?でも、壁に罪はないんじゃない?」
「罪?壁は物だろうが。罪がどうとかいうのじゃないぞ?」
ガッガッガッガッガッガッガッガッ
「…………落ち着け」
「落ち着けないからこうしてる」
今、何でガッガッガッガッと音がしてるかというと、イラついて桜吹雪で壁を殴打しまくってるからだ。
みんなを不安にさせてるのは仕方ない。でも、こうでもしないとイライラが収まらない。
「ご主人様~、お腹すきました~」
ぷるぷるん
ハピと金ピカスライムがご飯を要求している。ハピには花の蜜を渡すとして、スライムは何を食べさせたらいいんだろ?
「ほれ、直ぐ飲めよ」
「いただきまーす♪」
こっそり端末から花の蜜を出してハピに渡す。ちょっと、金ピカスライムさん何でそんな目で見てくるんですか?てか、お前に目ってあったのかよ。
やっぱり何か欲しいと思うので花の蜜が入った瓶を置いてみた。
ぷるぷる
おい、こいつぺしって瓶転がしたぞ。ったく、我が儘だなおい。
「餌に、困ってる?」
スミスが俺の横に来て言った
「ああ、普通のスライムならともかく、希少種に違いないスライムだからな」
「これに、餌はいらない」
「いらない?どういう意味だ?」
「見れば、わかる」
そう言ってスミスは転がっていた花の蜜が入った瓶の中身を飲む……って待てや。なぜ花の蜜を飲んだ。
そして、瓶を金ピカスライムに投げ込んた。
ぷるっ
何故かすんなりと瓶を取り込み、モゴモゴしている
「このスライム、食べ物は、食べない」
「瓶とか、石とか食べるのか?」
「ああ、前に見たことある」
そうだったのか。まあ、何でも食いそうなイメージがあったけど、この金ピカスライムは有機物を食べないのか。
「ありがとう」
「礼は、いらない」
クールな感じだなぁ。いつもこんなんじゃ疲れちゃうよ。
「あーっ!スミスがデレた!」
「いつも礼を言っても無視するスミスが!」
「お前ら、殴るよ?」
あ、デレてらっしゃったか。スミスはこんな感じでデレるのか。
「よしっ!みんな休めたよな!次行くぞっ!」
この中で一番元気なゴッサムはポージングして言った。一階で大変な目にあって二階は警戒だけしてここまで来たのにこいつだけ元気だ。
というかゴッサム除くみんなは精神的に疲れてる。肉体的には元気だけどピリピリした雰囲気を纏っている。
「ああ、そろそろ三階に行くぞ」
「今回は4階まで行く予定よ。今日中には帰りたいわ」
「意地悪ダンジョンはもう嫌ですぅ……」
過去に何かあったのだろうか。チョコがちょこっと泣きそうになって言った。
…………うん、寒いギャグ言ってごめんなさい。
よし、イラつきも収まってきたし、俺はOKだ。
「よし、次も警戒しろよ!さっきのようにいかないと思うからな!」
「「「「「おー」」」」」
確か次はゴーレムの階層だったな。ゴーレムに関してはそこそこな感じだったんだ。ちょっとアルと複数のゴーレム達でやりあわせてみたが、アルの圧勝だったのでぶっちゃけ分からない。
…………どうしてだろう。何故か知らないがあの骸骨が頭の中でテヘペロしたような気がした。嫌な予感がする。
「…………」
先頭のケームは無言で階段を下りていく。その他の面々も黙って階段を下りていた。ここで音を立てたら階段が音を反響して下に伝わるというので俺も黙っている。
しっかし、意外と着かないものだな。俺一人で降りた時はそこまで時間がかからなかったけど、パーティを組むとゆっくりになるんだな。
「…………ついたぞ」
「慎重にね…………」
一行は静かに三階の大部屋へ入っていく。
が、俺の嫌な予感は的中した。
「おい、なんか看板があるぞ」
「えと、えっ、これ…………」
見た人達の反応がおかしかったので俺も看板に書かれた文字を黙読した。
『ただいまここから先は調整中。ご迷惑をおかけします』
「……………………は?」
「……………えぇ………」
「……………………」
「こういう事例、出来立てのダンジョン、たまにある」
「…………引き返そっか」
「残念だなっ!」
六人の反応はそんな感じだった。ちなみにハピの反応はというと
「…………ご主人様、これってあの骨の仕業じゃ」
と、あの六人に聞こえないように俺の耳元で囁いた。うん、それは気づいてたよ。あの死神とか名乗ってる骨、骨粉にして農場にぶちまけてやる。
「…………仕方ないな。今回の依頼はこれで終わりだ。みんな帰るぞ」
「はーい、まあ、結構浅いとこでレアアイテム手に入ったからいい収穫でしょ」
あの宝箱から手に入ったアイテムはレアアイテムだったのか。てか、この件に関して俺は金ピカスライムに懐かれただけじゃないか。
そもそも戦闘すらあまり行ってないし、今回の調査だったら一階のスライムの雨が一番やばかったじゃん。でも、そこさえ抜けたら簡単にレアアイテムが手に入りやすい、と解釈できるのかな?
ぷるるん?
あ、そうだ。宿に戻ったらハピを通してこいつと正式に契約しないとな。名前どうしよう。ギルガメッシュでいいかな?
ぷるるっ!
なんか嫌がってる。てか、俺の思考を読めたのか?まあ、金ピカスライムの能力はまた後で確認しよう。
「よーし、みんな帰るぞー!」
あれ、皆さんその手に持ってる石は何ですか?あ、ちょっ、なんかみんなが光って消えたんだけど!
「置いてかれましたね~」
「…………あそこ引き返せってか」
おそらくダンジョンから脱出アイテムを使ったんだろう。もちろん俺はそんなもの持ってない。つまり、一人と二匹でこの道を引き返す事になった。
はぁ、俺のダンジョン探索は残念な形で終わってしまったな。とりあえず、ここから出る前に骨にメール打っておこう。
お前、後で作る菜園の肥料にするってな……
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