究極生命体のダンジョン作り!

雷川木蓮

文字の大きさ
21 / 49

我、帰還セリ

しおりを挟む
「おー、喧嘩屋!生きて戻ってきたか!」

「テメェはっ倒すぞ!」

何とか一階を突破して戻ってきた。スライムの雨は傘をさせば何とかなった。いやー、ここの一階は傘が必須だわ。とりあえずあの骨は骨粉にしてやろう。

でも、笑ってるケームとレインは殴り倒したい。

「まあ、殴り倒したいなら殴り倒したら?そう簡単にこの馬鹿兄を殴り倒せると思ってないけど」

「はっはっはっ、そうだそうだがフゥッ!?」

とりあえず軽くレインにアッパー入れておいた。結構大きく重量のある鎧を着込んでたケームだが、ぶっ飛ばした。

「うわぁ…………」

「け、結構な力を持ってるんだね」

「喧嘩屋だからな」

なんか引かれたんだけど。いや、俺の力が異常だったのは前々から知ってたよ。悲しみもガッカリもしない。これくらい慣れてるよ。

「えっへん!ご主人様は凄いんです!」

ぷるるんっ!

なぜこの従魔達が威張ってるのか分からないが、主人である俺が強いのが誇らしいのだろう。普通は主人より従魔の方が強いはずなんだが………

気にしても仕方ない。レインはまだピクピクしてるしケームはなぜか分からないがちょっと震えてるからから復活まで待つか。

とりあえずゆっくりするために金ピカスライムをぷにぷにする。

ぷにゅぷにゅん

おお、ひんやりして気持ちいいな。実は金ピカだから内部で金がドロドロに溶けてるんじゃないかと思ってたけど、全然熱くないからちょっとびっくりした。

「ねーねー、私も触っていい?」

ぷっ

チョコが金ピカスライムに触ろうとすると何か金色の塊をチョコに向かって飛ばした。チョコに当たる前に俺が素早く取ったからチョコに怪我はない。

「おい、ちょっと?」

ぷるん!ぷるるん!

「嫌われちゃったです…………」

どうやら俺とハピ以外には触られたくないらしい。しかし、この金色の塊って金なのか?端末を取り出して調べてみよう。


『金の瓶』
説明・ガラス瓶だったものがスライム希少種の体内に取り込まれた事によって金の瓶となった。価値は高め。


ちょっ、この子はお金量産スライムじゃないですか。これを売ったらそれなりのお金にはなるな。もしかしたらただの石でも金の塊になるんだろうか?

適当な剣を食わすことができたら金の剣とか出来るんじゃないのかな?それなら観賞用として売りつけることができるな。

ふふふ、これでダンジョンポイントを無駄に使わず、現地の貨幣で生活できるな。

よしよし、いい子だいい子だ。

ぷるる~ん

「私も撫でてくださいよ~」

はいはい、ハピも道案内ありがとうね。と心の中で言いつつ指で撫でてやった。

ハピの髪質って結構いいな。サラサラしてて触り心地もいいな。

「馬鹿兄はほっといて帰る?」

「いや、流石に放置はマズイ」

そりゃそうだ。でも、引きずってならいいんじゃないかと俺は思ったからレインの足を掴んで引きずってみた。

「…………それでいっか」

「あの鎧着込んだレインを引きずるとはっ、力強いなっ!」

「うん、それならいいわよ。馬鹿兄の介護なんて必要ないしね」

ちょっ、レインの評価が酷すぎる気がするんだが。特にアン、ちょっとは思いやってやりなよ。一応、彼は前衛なんだからさ、な?

なんかいつもの事みたいな感じでやってるけど、それじゃあダメだと思うのよ。引きずってるのは俺だけども。

「よしっ、危ういところもあったがみんな無傷だっ!帰りも無傷で帰るぞっ!」

「「「「おー」」」」

気絶してるのを除いてゴッサムの掛け声でみんなの声が一つになった時だった。




~●~●~●~●~




「お帰りなさい。では、いつものようにダンジョンの報告をお願いします」

「はいはい、みんなちょっと待っててね」

アンが受付の人が出した報告書に何か書いている。あ、スミスと一緒に相談していた。ダンジョンが調整中だったから、それに詳しいスミスにどう言えばいいのか相談してるんだな。

その間、俺たちは暇だから雑談をしたいが、話す内容も特にないしなぁ。

ひんやりした金ピカスライムを膝に抱えながらぼーっとするだけ。暇だなぁ~。

「ご主人様~、暇です~」

「はいはい、花の蜜を吸っときなさい」

「わーい!」

この精霊、結構チョロいんじゃないかな?花の蜜を渡したら黙るんだから。まさか、超高級な花の蜜で買収されたりとかしないよな?な?

流石にそんなことしたら俺は泣くからな?

「はい、これでいいです。お疲れ様でした」

「はーい、みんなお疲れ~!報酬は一人につき600ゴールドよ~」

600ゴールドという事は日本円にして約30万円か。結局、日帰りで帰ってこれたから日給30万は大きいぞ。そこまで多くダンジョン探索する訳じゃないと思うけどな。

命をかけた日帰りダンジョン、いや、日帰りで帰ることができるのかどうかすら分からない仕事に600ゴールドか。ダンジョン内で拾えるアイテムや日数によって変わると思うけど、今回は美味かった方だろう。

「はい、喧嘩屋さん。報酬よ」

「ああ、ありがとな」

思ったより金が入った袋は軽かったが、上の方の冒険者だともっと重くなるんだろうな。まあ、俺は金に興味はあまりないけどな。

とりあえず、今日やる事は…………

「あの新人をボコりにいきましょう…………」

「ああ、メジェドさん回収してな」

「あ、あの人(?)の事忘れてた」

ハピさんや、忘れちゃダメですよ?確かに出て数日のメジェドさんだけど俺は忘れないよ。インパクト強いエジプトの守護神だもの。

とりあえず、宿に戻って部屋から俺のダンジョンに帰るか。覚悟しとけよあの死神さんよぉ…………
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件

さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。 数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、 今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、 わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。 彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。 それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。 今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。   「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」 「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」 「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」 「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」   命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!? 順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場―― ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。   これは―― 【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と 【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、 “甘くて逃げ場のない生活”の物語。   ――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。 ※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

処理中です...