究極生命体のダンジョン作り!

雷川木蓮

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ダンジョン強化します&レアガチャ

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「はい、ダンジョン強化企画~!」

「いえーい!」

「シュコー…………シュコー…………」

会食が終わり、次の依頼まで時間がとても空くので残った時間はダンジョンを強化する事にした。

「ところで、デスはどこ行った?」

「主人ヨ、ココニ」

闇から現れるように現れたデス。てか、ここ明るいのに闇から現れるように現れるってどんな原理なんだよ。

メジェドさんは特にすることなく無言で立っていて、金時はベチャッと液体になって広がっていた。あれ、生きてるよな?

まあ、生きてると信じよう。今は目の前にいるデスに魔王ウェーンが俺のダンジョンをどう勝手に弄ったかの報告を聞こう。

「マズ、我ラ主人ガ管理すルだんじょんノ現在ノ階層ハ計4層、第1層ハすらいむガ上かラ落ちテクル仕様ニ、第2層ハ調教サレたうるふガ徘徊、第3層は魔改造ごーれむガ配置、第4層ノぼす部屋ハ特ニ変ワリ無シ、トイッタトコロダ」

「魔改造ゴーレム?どんな風に魔改造されたんだ?」

「詳しクハ魔王ニ聞カナイト分カラヌ。アノ魔王ガごーれむヲ作ッテル時ハ悪イ笑ミヲシテいタコトハ確カダ」

うわぁ、嫌な予感がするぞ。これは後で検証だな。下手したらこのダンジョンが上位認定されて大体ランク1~2くらいの下級冒険者が入り辛くなる。それ以上のランクになる上位冒険者の出入りが多くなるだろうけど、命の危険がある以上期待はしづらいな。

まったく、あの魔王は何てことしてくれたんだ。ゴーレム階層で詰む冒険者が、いや、それ以前に1層のスライムの雨の時点で詰む冒険者がどれだけ出るのか分かってるのか?

これは適度にやってポイントを稼いで、ダンジョンを強化して強い奴だけを楽しませるための階層を作っていくのがダンジョンマスターの仕事だ。

なのに初っ端から詰むダンジョンなんて終わりだろ!強化するまでもなく楽しみもなくなるわ!

ったく、マジで出禁にしたいけど転移魔法陣を部屋に仕掛けられたら俺だと対処できない。

俺らの中で魔法と言ったらハピかデスだが、ハピはまだレベルもだいぶ低い上に種族的に破壊は向いてないので転移魔法陣を潰す出来ない。

一番希望があるのはデスだが、今現在では潰せる可能性は無く、潰すにはそれなりの力を持った生き物の魂を狩るしか方法は無い。その魂を狩るだけでも大変な事になるのに、みんな弱い今そんなリスクしかないのは出来ない。

まあ、権限ロックという便利なアプリを見つけたのでそれを使った。権限ロックは俺だけが知る暗証番号を入力しない限りダンジョンを弄ることは不可能になる。

これで魔王が勝手に俺のダンジョンを弄らせない為の対策はできた。さて、どうダンジョンを変えていくか。

「ここはシンプルに罠だけしかない階層とかどうかな?」

「いいと思いますよ!」

「シュコー…………シュコー…………」

こいつら本当に賛成しかしないな。今まで何かする時に魔王絡み以外だと大体賛成するんだよなぁ。それがテイマーの部下だからなのかもしれない。

さて、罠部屋となると死なない程度の嫌がらせがいいな。重戦士だけ落ちる落とし穴とか魔力が高い奴に反応して魔力を吸い上げる壁や床とか。あとベルトコンベアを敷いて気づくまで延々と歩かせるっていうのもいいかも。この世界にベルトコンベアなんてものは存在しないだろうし、反応が楽しみだな。

よし、まずは実行だ。端末を弄らなければ始まらない。『ダンジョン購入』をタップして購入画面を開く。


『ようこそダンジョン購入へ!何を購入しますか? 
・ダンジョンフロア
・装飾、内装、トラップ
・魔物
・レアガチャ


まずはダンジョンフロアから購入しないとな。大きさは…………一番小さい100m×100mでいいか。当然迷宮タイプのやつで。タップすると小さな地震が起こった。ポイントは魔王来訪で大量に稼いでるから問題無し。

とゆうか、あの魔王って来るだけでポイントになるし、アルのレベル上げにも付き合ってくれる上にこのダンジョンで怪我したら負傷ボーナスが入るから相当な収入源だったんだと、今更ながら実感してきた。

だって、今の俺のダンジョンポイントがめちゃくちゃ余ってる。これは後でレアガチャを引くしかないな。

さて、本題のフロアだが2層から下を全て下げてこのトラップフロアを第2層にしようかなと思う。

タチの悪いダンジョンになるだろうが、ウルフが調教済みなら命令してある程度手加減はさせる、ことは難しいか。ウルフも命懸けの戦いをする訳だからな。

まあ、今の調教済みウルフがどれだけ強いのか分からないからなんとも言えないのが現状だ。せめてこの前の、俺のダンジョンを自分で攻略した時に出てきてくれたらなんとか調整出来たんだろうけど…………

あの魔王、酷いことにならない限り絶対に味方になってやらない。

地震も止まったことだし、まず『装飾、内装、トラップ』をタップしてトラップを選択する。そこから一番初めに入口付近に重戦士落としの落とし穴をセット。これに100ポイント使うのか。

底に何かを仕掛けるなら追加でポイントがいるが、別に入れる予定は無い。これは序盤だが気をつけろという警告でもあるからな。

そしてマップ確認して一直線上になる場所にはベルトコンベアを仕掛ける。これは2000ポイントとかなりお高めだが床と同化させるのもあって、延々と続いているように見えるだろう。動く床に気づかなければずっとそのままだからな…………

さて、他のはどうしよっかな。可燃性のトリモチとかいいかな?あと、突然壁が出てきて分断されるとかもいいな。

結果から言うと、似たようなトラップを大量に設置(特に重量に関わる落とし穴)を10個設置、ベルトコンベアは二箇所いいところがあったのでそこに置いた。

ベルトコンベアの所の壁には『魔力吸収壁』という壁を使用した。文字通り、その壁の近くにいるだけで魔力を吸い取られる壁だ。でも、1秒に1の魔力を数だけなので長時間居なければそこまで吸われない。まあ、ベルトコンベアに気づかなかったら長時間居ることになるけど。

「主人、魔王ニ劣ラぬ悪イ笑ミヲ浮カベテオル」

「げ、顔に出てた?」

「悪い顔ですけど、いい顔です~」

「シュコー…………シュコー…………」

んー、魔王と悪い顔が似てるとか失礼だが嫌な気分になる。確かに悪いことやってるのは自覚してるよ。

これは人を陥れるために作るダンジョン、人を貶める快楽は一度覚えたらなかなか離れられないから。とはいえまともに嵌めた事なんてないけど。

まあ、新しい階層に関してはこんなもんでいいだろう。さて、次はレアガチャを引くぞ!

「よーし、みんな集まれ」

うちの使い魔勢が周りに集まってくる。金時も普通のスライム型になってポヨンポヨンと跳ねてきた。なにあれ結構可愛い。

「それじゃ、何が出るか予想してみるか。俺は騎乗できるやつがいい。あ、四足歩行限定でな」

「私は同族がいいでーす!下級ピクシーでも可!」

「シュコー…………シュコー…………」

「デキレバれあクライデ扱イヤスイ者ガよイカト」

「…………………………………………」

ぷるるんっ!

うん、俺含めて三人分しか分からん!とりあえず俺は公的に足になる魔物が欲しいんだ。一応、テイマーだしな。

よーし、回すぞ。レアガチャをタップしてガチャを回す。


ガチャガチャガチャ、パンパカパーン!


うおおっ!?まさかの虹色の玉が出たからレジェンドが出た!神獣クラスのが出ちゃうのか!?

そしてガチャから出てきたのは…………

「でちー…………」

この場にいる全員に囲まれてぷるぷる震えている二頭身の小人だった。いや、第一声がでちーってどこのちびキャラだよ。

さてさて、ステータスを確認……あ、ハピが金時に乗ってあのでちでち言ってる小人を追い回してる。小人は全力で逃げているのは放置しておこう。


名前・でち公(レベル1)
種族・でち公
体力・120
魔力・60
攻撃力・30
守備力・10
素早さ・800000000
運・0.001
スキル・鑑定(レベル5)、収集(レベル4)、製作(レベル5)、逃げ足(レベル4)、錬金(レベル5)


え、なにこの子のステータス?素早さとスキルに極振りじゃないか!素早さ8億とか馬鹿じゃないかというくらいの速さだよ!他のステータスが完全に死んでるけどな。

スキルに関しては最低でもレベル4ってどんだけだよ。アルもメジェドさんもステータスとスキルレベルがおかしいほど高かったけど、これはこれでビックリだわ。

鑑定持ちというベタなスキルも持ってるし、錬金や製作スキルも持ってるから完全に生産系の子だな。

「でちー!でちっ!」

あっ、派手にこけた。しかし本当にでちしか言わないな。名前も種族もでち公というし、唯一の個体なのか?ほれならレジェンドレアも頷ける。

まあいい。とりあえずでち公を持ち上げる。思ったより軽い。この小さな体に何が詰まってるんだ?いや、内臓だろうけどさ。

「でち公、これからよろしくな」

「でちちー!」

この後、でち公が俺らのパーティーに入った記念に軽いお祝いをした。他人には外に出て偶然テイムしたってことにすればいいだろう。

宿に戻るとでち公が可愛いと結構人気者になりでち公が追い回されたのは別の話。そして、近いうちに俺達はでち公の遥かに高い技術を目の当たりにするのであった……
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