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巨人と守護神
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巨人は待ち構えていた。恐らく来るであろう魔王を、ただ仁王立ちしつつ何時間も待ち続けていた。
巨人の名前はアル、偉大なるダンジョンマスターから授かった名を持つタイタンの希少種である。
だが、その姿は普通のタイタンとは違いコートを着ていてガスマクスをつけている。その素顔はダンジョンマスターすら知らない。
そして何より装備している武器がおかしい。片手で無骨で巨大なハンマーを持っているのは分かるが火炎放射器を背負いもう片方の手でミニガンを持っている。
どこのハザードだと知ってる人はツッコミをするだろう。それでも、化物は英雄に負けるという定石は変わらない。
「シュコー…………シュコー…………」
既に魔王と四天王の一人に強者と言える人間が二人も突入しているのは分かっている。魔王以外ならともかく、魔王まで参戦されると勝ちは見えない。
仕掛けは済ませてあるが、どうするか悩んでいると、ふと気配を感じた。その気配はアルの近くまで近寄って立ち止まっている。
「…………………………………………」
「シュコー…………シュコー…………」
視線を向けても何も見えない。だが、そこに誰がいるのかは察しがついた。自分の主人の見えない護衛だろう。
何故ここに来たのかは分からない。恐らくは独断だろうが、メジェドさんはその理由は喋らない。
そっと視線を戻して思考の海に入る。ただ本能のまま戦うのだと確実に負けるだろう。賢い者ならどう動くか、今あるものでどう戦うか。
考えた。何も思いつかない。
目を閉じてイメージした。しかし何も思いつかない。
軽く体を動かしてみた。すぐにやられそうだ。
相談するか悩んだ。それは情けないことだ。
「…………………………………………」
思考の渦にハマりかけていた時、布を被り足を出している謎の生物が目の前にいるのに気づいた。
それがメジェドさんだという事はこの時は知らなかった。だが、何故か頼れるという事は分かる。
じっと見つめてくるメジェドさんと高さを合わせる為に片膝をついてしゃがむ。
「シュコー…………シュコー…………」
「…………………………………………」
ただアルの呼吸音が聞こえるだけの空間になった。いや、それは最初からだったが今そうなったように錯覚していた。
二人(?)は共に戦った事はないし語り合ったことすらない。それでもやる事は共通している。
『あの糞みたいな魔王を追い返す』
それだけの事を使命として二人はここに立っている。ただしメジェドさんは独断。
どう戦うかは両者共に理解している。アルはどう見ても近接と中距離からの物理攻撃、メジェドさんは中距離か遠距離の支援攻撃となる。
巨人と守護神が仁王立ちして待ち構えてる時、アルが所持している端末からの電話の着信音が鳴った。
もう直ぐ来るというのに何だ、と文句を言いたいが彼等が使え、そして彼等より強い主人からの話なので聞く。
『アル、よく聞いてくれ。俺はここからだが全力でサポートする』
一体何をサポートするのか?
『前にも検証したけど、お前はガスマクスを付けてるから毒霧などは効かないな。その点を踏まえてボス部屋に特殊な毒霧を巻く』
毒霧というのは魔法を使っても防ぐことはかなり難しく、一息でも吸えば内部にダメージを与える。種類によると一息吸うだけで1割減るモノもある。
もう何が言いたいか分かっている。全ポイントを使用してでも毒ガスを蒔くつもりだ。メジェドさんはどうなるかは知らない。
アルがチラッとメジェドさんを見ると横ステップで対応した。アルにはその行動が理解できなかった。多分、ダンジョンマスターも理解できない。
そしてダンジョンマスターから告げられる数々の罠をこの部屋に仕掛けた報告、そしてどこに設置されたかという情報。
ここまでお膳立てされたとはいえ勝てるかどうかかなり怪しい、と言うがそれでも勝ってみせる。
肝心の魔王達は、ボス部屋に入る扉の前から声が聞こえるため、もう直ぐそこまで来た様だ。
四人の中で三人は強い。残り一人は超絶に強い。だが、負ける事は一切考えない。どう嵌めて全力で叩き潰すかのプランは考えた。
扉が開く。直後に謎のガスが充満して侵入者に襲いかかる。アルはガスマスクで防ぎ、メジェドさんはバリアでガスを防ぐ。
大丈夫、これ以上我等の主人の手を煩わせない。
奴らを倒してしまっても構わないのだから。
~●~●~●~●~
魔王、四天王バガン、『ケツァルコアトル』ギルドマスター、『ヴァルキリー』支部長、名もなきダンジョンのボスの討伐に成功。
ボス部屋到達に2時間49分52秒、ダンジョンボス討伐に1時間12分4秒。先に入っていた魔族の時間除く。
…………読めていた。アルとメジェドさん達の戦いはアルが倒れたことにより負けとなった。ダンジョンボスは設定上アルだからメジェドさんは倒さなくてもいい。
そもそも俺が『メジェドさんがあそこに居た』という事を把握していたらメジェドさんもオプション的な感じだがダンジョンボスに設定していただろう。
それに侵入者の体力がある一定の割合以下になると強制的に外に出す設定もあったが…………ポイントが高すぎてガスと罠を仕掛けることしかできなかった。
もう既に後の祭りだ。最近知ったある階層を作ってやる。超絶に消費ポイントが多いが、残りのポイント全部使ってでも真の最終決戦の場を整えてやる。
ほんと、魔族の撃退ポイントが高くて助かったと本気で思ってる。
ハピや金時は当然ながら出せない。デスと幼女四人組はアルの治療を任せたので出す事はできない。簡単に言えばタイマンだ。
すっかり忘れていたが、俺はダンジョンマスターであり冒険者『喧嘩屋』、直接戦わず何が喧嘩か!
ダンジョンが新たなる階層を作るために震える。震えが止まったら、俺は立ち上がり下準備をするためにその階層へ行く。
全ては俺の思うまま、とやりたいなぁ。
~●~●~●~●~
「はぁ…………ダンジョンが成長した?」
「うむうむ、これはケンゴが戦いの場を整えた証であろうな!」
ダンジョンボスが骨の魔物に連れ去られて10分の間、何も起きなかったので休んでいた彼等だったが、さっきまで突然の揺れに襲われていた。
魔王とバガンは見当がついていたがこの現象を初めて見たギルドマスターと支部長はビビっていた。
かなり長い時間の様で短い時間だったがダンジョンボスを倒すことに成功した彼等(魔王除く)は疲労困憊だった。
特にアルのバーサーク状態は拳の一振りでバガンに戦闘不能かと思われるほどの傷を負わせるほどの威力だったほどだ。
「薬も飲んで休んだから、行くぞ皆の者!」
「…………まだあるとか馬鹿げてるわ」
支部長が愚痴を漏らす。それ以前に魔族の四天王の一角に加えて魔王とダンジョン攻略をしているのに全くの違和感を感じていない。
それはギルドマスターもバガンも一緒だ。なぜ争わないと聞きたいが魔王がいるから仕方ないと世界が言う。
「おっ、扉が開く浮き出てきたぞ」
「…………この先にあの男が」
ケンゴ・キタマチ、バガンの知る中でたった一回殴られただけだが魔王と並べるかと思えるほど様々なを持つ男。
願うは魔王軍の勝利だが、心の奥底では…………どうなのだろうか?
三人がある程度回復するまでに、さらに十分ほど経過したが、準備は万端と言えるだろう。
魔王が扉を開け先頭を行く。それに続く形で階段を下りていく。ただし、階段に罠がないか警戒を怠りはしない。
階段を一歩踏むごとに何かの花びらが散る。まるで攻略を祝福してる様な、踏破を呪っている様な。
そして、おそらく本当の意味での最後の階層に入る為の扉を前にする。扉には何も刻まれていない。獣のレリーフや言葉すら、ただ平坦な石の扉だ。
魔王以外は気を引き締めた顔をしているが、魔王は遊園地に着く直前の子供の様な顔をしている。
そして魔王が扉を、
「はぁっ!」
力いっぱい蹴り破った。
破られた扉はかなり遠くまで飛ばされダンジョン内部とは思えない新鮮な空気が四人を包む。
彼等の目の前に広がっていたのは、桜の庭だった。
巨人の名前はアル、偉大なるダンジョンマスターから授かった名を持つタイタンの希少種である。
だが、その姿は普通のタイタンとは違いコートを着ていてガスマクスをつけている。その素顔はダンジョンマスターすら知らない。
そして何より装備している武器がおかしい。片手で無骨で巨大なハンマーを持っているのは分かるが火炎放射器を背負いもう片方の手でミニガンを持っている。
どこのハザードだと知ってる人はツッコミをするだろう。それでも、化物は英雄に負けるという定石は変わらない。
「シュコー…………シュコー…………」
既に魔王と四天王の一人に強者と言える人間が二人も突入しているのは分かっている。魔王以外ならともかく、魔王まで参戦されると勝ちは見えない。
仕掛けは済ませてあるが、どうするか悩んでいると、ふと気配を感じた。その気配はアルの近くまで近寄って立ち止まっている。
「…………………………………………」
「シュコー…………シュコー…………」
視線を向けても何も見えない。だが、そこに誰がいるのかは察しがついた。自分の主人の見えない護衛だろう。
何故ここに来たのかは分からない。恐らくは独断だろうが、メジェドさんはその理由は喋らない。
そっと視線を戻して思考の海に入る。ただ本能のまま戦うのだと確実に負けるだろう。賢い者ならどう動くか、今あるものでどう戦うか。
考えた。何も思いつかない。
目を閉じてイメージした。しかし何も思いつかない。
軽く体を動かしてみた。すぐにやられそうだ。
相談するか悩んだ。それは情けないことだ。
「…………………………………………」
思考の渦にハマりかけていた時、布を被り足を出している謎の生物が目の前にいるのに気づいた。
それがメジェドさんだという事はこの時は知らなかった。だが、何故か頼れるという事は分かる。
じっと見つめてくるメジェドさんと高さを合わせる為に片膝をついてしゃがむ。
「シュコー…………シュコー…………」
「…………………………………………」
ただアルの呼吸音が聞こえるだけの空間になった。いや、それは最初からだったが今そうなったように錯覚していた。
二人(?)は共に戦った事はないし語り合ったことすらない。それでもやる事は共通している。
『あの糞みたいな魔王を追い返す』
それだけの事を使命として二人はここに立っている。ただしメジェドさんは独断。
どう戦うかは両者共に理解している。アルはどう見ても近接と中距離からの物理攻撃、メジェドさんは中距離か遠距離の支援攻撃となる。
巨人と守護神が仁王立ちして待ち構えてる時、アルが所持している端末からの電話の着信音が鳴った。
もう直ぐ来るというのに何だ、と文句を言いたいが彼等が使え、そして彼等より強い主人からの話なので聞く。
『アル、よく聞いてくれ。俺はここからだが全力でサポートする』
一体何をサポートするのか?
『前にも検証したけど、お前はガスマクスを付けてるから毒霧などは効かないな。その点を踏まえてボス部屋に特殊な毒霧を巻く』
毒霧というのは魔法を使っても防ぐことはかなり難しく、一息でも吸えば内部にダメージを与える。種類によると一息吸うだけで1割減るモノもある。
もう何が言いたいか分かっている。全ポイントを使用してでも毒ガスを蒔くつもりだ。メジェドさんはどうなるかは知らない。
アルがチラッとメジェドさんを見ると横ステップで対応した。アルにはその行動が理解できなかった。多分、ダンジョンマスターも理解できない。
そしてダンジョンマスターから告げられる数々の罠をこの部屋に仕掛けた報告、そしてどこに設置されたかという情報。
ここまでお膳立てされたとはいえ勝てるかどうかかなり怪しい、と言うがそれでも勝ってみせる。
肝心の魔王達は、ボス部屋に入る扉の前から声が聞こえるため、もう直ぐそこまで来た様だ。
四人の中で三人は強い。残り一人は超絶に強い。だが、負ける事は一切考えない。どう嵌めて全力で叩き潰すかのプランは考えた。
扉が開く。直後に謎のガスが充満して侵入者に襲いかかる。アルはガスマスクで防ぎ、メジェドさんはバリアでガスを防ぐ。
大丈夫、これ以上我等の主人の手を煩わせない。
奴らを倒してしまっても構わないのだから。
~●~●~●~●~
魔王、四天王バガン、『ケツァルコアトル』ギルドマスター、『ヴァルキリー』支部長、名もなきダンジョンのボスの討伐に成功。
ボス部屋到達に2時間49分52秒、ダンジョンボス討伐に1時間12分4秒。先に入っていた魔族の時間除く。
…………読めていた。アルとメジェドさん達の戦いはアルが倒れたことにより負けとなった。ダンジョンボスは設定上アルだからメジェドさんは倒さなくてもいい。
そもそも俺が『メジェドさんがあそこに居た』という事を把握していたらメジェドさんもオプション的な感じだがダンジョンボスに設定していただろう。
それに侵入者の体力がある一定の割合以下になると強制的に外に出す設定もあったが…………ポイントが高すぎてガスと罠を仕掛けることしかできなかった。
もう既に後の祭りだ。最近知ったある階層を作ってやる。超絶に消費ポイントが多いが、残りのポイント全部使ってでも真の最終決戦の場を整えてやる。
ほんと、魔族の撃退ポイントが高くて助かったと本気で思ってる。
ハピや金時は当然ながら出せない。デスと幼女四人組はアルの治療を任せたので出す事はできない。簡単に言えばタイマンだ。
すっかり忘れていたが、俺はダンジョンマスターであり冒険者『喧嘩屋』、直接戦わず何が喧嘩か!
ダンジョンが新たなる階層を作るために震える。震えが止まったら、俺は立ち上がり下準備をするためにその階層へ行く。
全ては俺の思うまま、とやりたいなぁ。
~●~●~●~●~
「はぁ…………ダンジョンが成長した?」
「うむうむ、これはケンゴが戦いの場を整えた証であろうな!」
ダンジョンボスが骨の魔物に連れ去られて10分の間、何も起きなかったので休んでいた彼等だったが、さっきまで突然の揺れに襲われていた。
魔王とバガンは見当がついていたがこの現象を初めて見たギルドマスターと支部長はビビっていた。
かなり長い時間の様で短い時間だったがダンジョンボスを倒すことに成功した彼等(魔王除く)は疲労困憊だった。
特にアルのバーサーク状態は拳の一振りでバガンに戦闘不能かと思われるほどの傷を負わせるほどの威力だったほどだ。
「薬も飲んで休んだから、行くぞ皆の者!」
「…………まだあるとか馬鹿げてるわ」
支部長が愚痴を漏らす。それ以前に魔族の四天王の一角に加えて魔王とダンジョン攻略をしているのに全くの違和感を感じていない。
それはギルドマスターもバガンも一緒だ。なぜ争わないと聞きたいが魔王がいるから仕方ないと世界が言う。
「おっ、扉が開く浮き出てきたぞ」
「…………この先にあの男が」
ケンゴ・キタマチ、バガンの知る中でたった一回殴られただけだが魔王と並べるかと思えるほど様々なを持つ男。
願うは魔王軍の勝利だが、心の奥底では…………どうなのだろうか?
三人がある程度回復するまでに、さらに十分ほど経過したが、準備は万端と言えるだろう。
魔王が扉を開け先頭を行く。それに続く形で階段を下りていく。ただし、階段に罠がないか警戒を怠りはしない。
階段を一歩踏むごとに何かの花びらが散る。まるで攻略を祝福してる様な、踏破を呪っている様な。
そして、おそらく本当の意味での最後の階層に入る為の扉を前にする。扉には何も刻まれていない。獣のレリーフや言葉すら、ただ平坦な石の扉だ。
魔王以外は気を引き締めた顔をしているが、魔王は遊園地に着く直前の子供の様な顔をしている。
そして魔王が扉を、
「はぁっ!」
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