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少し外の世界へ
しおりを挟む「つ…おき…。」
『ん…。』
誰かに体を揺すられる感覚と、落ち着いた誰かの声でゆっくりと意識が戻っていく。
「紡久、起きなさい。」
そこには白い髪があり、誰かと思えば彼女だった。
『…おはよう…ございます。』
「えぇ、おはよう。あと、敬語はいらないよ。」
僕は頷き、作ってくれた朝ご飯を食べながら
手伝いはないかと聞いてみた。
『うーん…。あっ、貴方…武器があれば戦えるかしら?』
僕の事をじっと見て、彼女が僕に聞いてきた。
「頑張れば…何とか…。」
『そう!じゃあ、貴方の健康を取り戻す為に薬草と…ミョウラクラビットを取ってきて!それは夕飯の材料よ。』
そう頼まれた僕は準備をし、『貴方にあげるわ。』と言ってもらった、龍の模様が綺麗に描いてある少し長めの剣と黒と赤色が入った服と、行き先が書いてある地図を貰い準備が整った。
「じゃあ、行ってくる。」
『えぇ。何かあれば右肩にいる妖精のサヴィに話しかけて。』
「え?」
妖精(?)と不思議に思い右肩を見てみると…
《はーい!私がサヴィだよ!回復魔法は完璧っ!だけど、他の魔法は役にたたないからね!》
まるで、練習でもしたのかと思うぐらいの説明付きの自己紹介をした小さな女の子の妖精がいた。
「サヴィ頼んだわよ。あと、今は隠れているけどそのうち出てくると思うエヴィもいるわ。ちなみに、サヴィの弟ね。」
《エヴィは、恥ずかしがり屋なの!まったくもぅ!》
ムスッとしながら三角座りをしたサヴィ見て、エヴィにも会いたいと少し思った。
『とりあえず、妖精の事はわかったよ。じゃあ、お姉さん行ってきます。』
そう言い後ろを向いた時、耳元でお姉さんが喋りかけた。
「私の名前はリズアム・リュートよ。自己紹介遅くなってごめんね、紡久。そして、いってらっしゃい。」
トンっと優しい手で背中を押され。僕は少しリズアムの家から離れた場所へと地図を見ながら進んだ。
それから少し時間は経ち、
地図に乗ってある道を歩いているとサヴィが話しかけてきた。
《ねぇねぇ、君はにんげんなんだよね?》
僕の頬をつつきながら聞いてきた。
『うん。そうだよ。君は妖精でしょ?』
《当たり前でしょ~っ!あとさ…》
『ん?何?』
《さっき言ったけど、私回復魔法以外使えないの。
それでもいい…?》
『もちろん、回復さえ使えれば大丈夫だと思う。』
僕は少し微笑みながらサヴィの目を見て答えた。
《~っ!!良かった!ホッとした!》
サヴィの可愛らしい笑顔に
僕の心が温かくなった。
そんな話などしながら歩いていると
少し先に、1台の軽トラックに似た乗り物を見つけ
乗せてくれと頼むと、お爺さんが「後ろの所に乗っていいよ」と快く了承してくれた。
「そこのちびっ子、ちょいと寄せなさい。」
「りょーかいっ!」
後ろにはフードを深く被っていても分かるくらい、派手な金髪の女の子が乗っていた。
「ここに座って!」
お爺さんが乗せていた荷物を近くにあった紐で結び、綺麗にまとめて場所を作ってくれた女の子に僕はありがとうと伝えた。
「いえいえ!じゃ、あたしは寝るから~っ!」
そう言った女の子はすぐに寝てしまった。
しばらくしてガタガタと揺れながらも進んでいく景色を見ながら、僕はサヴィと仲良く会話をしていた。
だが、その会話を聞いていた眠り娘が
少しニヤッと口角を上げ「この子が…ね。」と呟いた。
その事に気づいていない僕達2人は
のんびりと会話を続けていたのだー。
ー次へ続くー
【作者から】
初めまして…の方はいるのかな…?
一応!初めまして!
幸せという言葉《未定》見ていただきありがとうございます。
これからのどうなるのかは未定ですので
楽しみにしていてください!
享禄【キョウロ】も、まだ分かりません。
次も見ていただけるとありがたいです。
ちなみに!!
・彼女☞リズアム・リュート
・僕☞雪下紡久(ゆきしたつむぐ)
・妖精︰サヴィ(姉)
︰エヴィ(弟)
良ければ感想もお願いします。
是非次回も見てください。
では、また。
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