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第2王子と友達の私は側近になるはずでしたけど。
「シア。昔から付き合いのある君に折り入って頼みたいことがあるんだ。」
私は第2王子から皇宮へ呼び出されていた。
______________________
私は公爵家で育ち、お父様が皇宮へ行き来する事が多かった。
子供の頃、第1王子と初めてお会いした時は髪は黒く赤い瞳は冷たいような雰囲気で同じ子供なのにいかにも権力者という感じでなんとなく怖くて私は皇庭に逃げ込み青く美しいバラ園を見つけ青いバラの元へ向かうと大きな犬が私に向かって走ってきた。
「きゃあッ」
番犬であろう大きな犬に初めはびっくりして襲われるっともう死ぬかもしれないと子供ながらに考えていた。
そんな恐怖も知らない犬は私の前まで走るとスッとお座りし子犬のような目で私に向かって撫でて撫でてと見つめられ少しホッとしながらその犬を撫でた。
「あなたのお名前は?あら。ふふふお腹なんて出しちゃったら番犬として失格でしょう?」
クゥゥンなんて鳴きながら甘えてくれるわんちゃんに第1王子から逃げ出したことなんて忘れて夢中になって話しかけながら撫でていた。
「ダンッ!!探したじゃないか!君、怪我はないかい!?」
私はそっと後ろを向くとバラの花のような青い瞳に明らか正装を着ている男の子が居た。
だけどこの時私はこの方が第2王子ということを知らず正装…王子様なんだ。私と同じ年頃の男の子かな。綺麗な青い目の子だなぁ。なんて考えていた。
これが王子との初めての出会いだった。
私はハッとしてお辞儀し、
「怪我はございません。ご心配ありがとうございます。私はサイラス公爵の娘、トレシア・サイラスと申します。」
そう答えている間もダンは私に撫でて撫でてと催促する。
「僕はエフレイン・ミラーだ。よろしくね。怪我がなくて本当に安心したよ…。ダンがこんなに懐くなんてびっくりだ……。この子は番犬なんだ。だから知らない者が入れば僕に知らせに来るはずなんだけど……」
私はパッと顔を上げこの方がエフレイン様、第2王子なんだ、と少し呆れ気味の王子様の方を見た。
「まあ。やっぱり番犬だったのですね。ふふ。ここに来る時は走って来て少し怖かったのですが急にお座りしてくれたんです。」
そう言いながらダンの催促に耐えられず膝立ちしダンの頭をそっと撫で
「あなたダンって言うのね。ふふふ、飼い主様が来たんだから番犬らしくしないとねっ。」
クゥゥンなんて言いながらしっかりお座りし直す番犬にすら見えないほどの可愛らしい目でわたしを見つめてくれる姿にキュンとする。
「ははは。初めてダンらしくない姿を見たよ。トレシアは僕を見ても顔色ひとつ変わらないんだね。なんだかホッとするよ。また話せる事があれば話そう。じゃあ、ダンを連れて帰るよ。ダン!行くぞ!」
「???エフレイン様、お褒めのお言葉を感謝致します。では……」
「トレシア、僕のことはエレンでいいよ。僕も君のことはシアと呼ぼう。これからも気軽に話してほしい。じゃあね」
まさか王子から愛称で呼ばれるなんて思いもせずびっくりした。
さっき会った第1王子様は怖くてそんな会話になりそうにもなかったのに……なんて思いながらもエレンとダンをお辞儀して見送った。
「シア!!国会が終わったら部屋で待っていたはずのシアがいなくてびっくりしたよ!さあ。帰ろう」
「あ、お父様……ごめんなさい!青いバラが美しくて……」
「そうか。ここは皇后様と第2王子様のお気に入りの場所なんだよ。だからここは人気があるとすぐ番犬が来る所なんだよ。だから綺麗だからと言って気軽に入っていい所ではないんだ。」
「ふふ。ダン……番犬と仲良しになったわ♪」
「な……なんと!番犬に会ったのか!シアは番犬とも仲良くなったのか。はははッさすがお母様の娘だね。番犬すら手懐けるとは。」
そんな事をお父様と話しながら帰り、それからはエレンとも会えば話すようになり仲のいいお友達になった。
______________________
「エフ……レイン第2王子、それは一体どういうことでしょうか」
「シア……。そんなにかしこまらないで。実は……そろそろ結婚する相手を見つけなさいと陛下から言われててね……。
王妃に見合った女性をしっかり見極めないと行けない。
でも僕は昔から……ほらッ寄ってくる女の子みんな王妃の座を狙ってるように見えて全員同じに見えるって言った事があっただろう。だから側近として見極めて欲しいんだ」
「まあ。そんな大役わたしに務まるとは思えないわ」
私は少し戸惑いながらも困り顔でニコッと微笑みながら返事をする。
「シア。君に人をみる力も平等に話すことも出来る。だからシアに頼んだんだ。昔もシアは僕が王子だと分かっても態度を変えずに話してくれただろう。」
王子はみんなから【王子】として見られがちで確かに結婚を狙うがために寄り付く令嬢は沢山いた。
第1王子のセオドアはそんな女性に嫌気が差して冷たい目で近づくな。という雰囲気を可持ち出しているために王妃を狙って近寄る女性も居ない。
エレンと仲良くなってセオドアも本当は温厚な姿を持っているということを知ったけれど。
逆にエレンは周りにニコッと愛想を振る舞ってくれるけれど誰1人信用できない状態だった。
そのため王位継承はいつも優しい目をしているエレンに人気を高めている。
「エレン……本当に私が側近なんか務まるかしら……」
「務まると思ってるから頼んでるんだよ。」
エレンは王子だから私に命令することも出来る。
だけどエレンは私に命令ではなく頼ってくれることに改めて大事な友達として見てくれてるんだなと思う。
「わかりました……。私に出来るかは分からないけど……。協力しますわ」
実際、ほんとに協力が出来るかは分からない。
私自身、エレン達と親しい友達だからといって寄ってくる令嬢も居れば、これを妬む令嬢も沢山いた。
親しくなったと思えばその父親から私でも断るだろうと分かるような事業提案を王子たちに話してくれなんていう伯爵もいた。
第1王子とも第2王子とも仲のいい私なんて王妃を狙ってる令嬢達には敵でしかない。
そんな中、私がエレンの婚約相手を見つけ出せるかと言われるとなんとも言えない。
「ありがとうシア!!僕だけでは絶対選べなかったから助かるよ……。」
エレンはホッとしたように喜んでいた。
「ふふ。大事な親友のためだもの。だけど……万が一王妃として相応しくない子だったとしても私を責めないでね。エレンの同意で決まるんだから」
「もちろんだよ!最終決断するのは僕だから……。それは安心してくれ。」
「決断って……結婚はそんな悪いものじゃないはずよ」
「はは。まあそのはずなんだけど…。それで……早速なんだけど近いうちに舞踏会があるから来て欲しい。その時王妃候補が何名か発表されるらしいから……」
「分かりました。ではまた舞踏会の日に」
「ああ。ごめんね。こんなこと頼めるのシアしか居なくて……」
「ふふ。頑張ってみますわ」
「ありがとう。では頼んだよ。」
「シア。昔から付き合いのある君に折り入って頼みたいことがあるんだ。」
私は第2王子から皇宮へ呼び出されていた。
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私は公爵家で育ち、お父様が皇宮へ行き来する事が多かった。
子供の頃、第1王子と初めてお会いした時は髪は黒く赤い瞳は冷たいような雰囲気で同じ子供なのにいかにも権力者という感じでなんとなく怖くて私は皇庭に逃げ込み青く美しいバラ園を見つけ青いバラの元へ向かうと大きな犬が私に向かって走ってきた。
「きゃあッ」
番犬であろう大きな犬に初めはびっくりして襲われるっともう死ぬかもしれないと子供ながらに考えていた。
そんな恐怖も知らない犬は私の前まで走るとスッとお座りし子犬のような目で私に向かって撫でて撫でてと見つめられ少しホッとしながらその犬を撫でた。
「あなたのお名前は?あら。ふふふお腹なんて出しちゃったら番犬として失格でしょう?」
クゥゥンなんて鳴きながら甘えてくれるわんちゃんに第1王子から逃げ出したことなんて忘れて夢中になって話しかけながら撫でていた。
「ダンッ!!探したじゃないか!君、怪我はないかい!?」
私はそっと後ろを向くとバラの花のような青い瞳に明らか正装を着ている男の子が居た。
だけどこの時私はこの方が第2王子ということを知らず正装…王子様なんだ。私と同じ年頃の男の子かな。綺麗な青い目の子だなぁ。なんて考えていた。
これが王子との初めての出会いだった。
私はハッとしてお辞儀し、
「怪我はございません。ご心配ありがとうございます。私はサイラス公爵の娘、トレシア・サイラスと申します。」
そう答えている間もダンは私に撫でて撫でてと催促する。
「僕はエフレイン・ミラーだ。よろしくね。怪我がなくて本当に安心したよ…。ダンがこんなに懐くなんてびっくりだ……。この子は番犬なんだ。だから知らない者が入れば僕に知らせに来るはずなんだけど……」
私はパッと顔を上げこの方がエフレイン様、第2王子なんだ、と少し呆れ気味の王子様の方を見た。
「まあ。やっぱり番犬だったのですね。ふふ。ここに来る時は走って来て少し怖かったのですが急にお座りしてくれたんです。」
そう言いながらダンの催促に耐えられず膝立ちしダンの頭をそっと撫で
「あなたダンって言うのね。ふふふ、飼い主様が来たんだから番犬らしくしないとねっ。」
クゥゥンなんて言いながらしっかりお座りし直す番犬にすら見えないほどの可愛らしい目でわたしを見つめてくれる姿にキュンとする。
「ははは。初めてダンらしくない姿を見たよ。トレシアは僕を見ても顔色ひとつ変わらないんだね。なんだかホッとするよ。また話せる事があれば話そう。じゃあ、ダンを連れて帰るよ。ダン!行くぞ!」
「???エフレイン様、お褒めのお言葉を感謝致します。では……」
「トレシア、僕のことはエレンでいいよ。僕も君のことはシアと呼ぼう。これからも気軽に話してほしい。じゃあね」
まさか王子から愛称で呼ばれるなんて思いもせずびっくりした。
さっき会った第1王子様は怖くてそんな会話になりそうにもなかったのに……なんて思いながらもエレンとダンをお辞儀して見送った。
「シア!!国会が終わったら部屋で待っていたはずのシアがいなくてびっくりしたよ!さあ。帰ろう」
「あ、お父様……ごめんなさい!青いバラが美しくて……」
「そうか。ここは皇后様と第2王子様のお気に入りの場所なんだよ。だからここは人気があるとすぐ番犬が来る所なんだよ。だから綺麗だからと言って気軽に入っていい所ではないんだ。」
「ふふ。ダン……番犬と仲良しになったわ♪」
「な……なんと!番犬に会ったのか!シアは番犬とも仲良くなったのか。はははッさすがお母様の娘だね。番犬すら手懐けるとは。」
そんな事をお父様と話しながら帰り、それからはエレンとも会えば話すようになり仲のいいお友達になった。
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「エフ……レイン第2王子、それは一体どういうことでしょうか」
「シア……。そんなにかしこまらないで。実は……そろそろ結婚する相手を見つけなさいと陛下から言われててね……。
王妃に見合った女性をしっかり見極めないと行けない。
でも僕は昔から……ほらッ寄ってくる女の子みんな王妃の座を狙ってるように見えて全員同じに見えるって言った事があっただろう。だから側近として見極めて欲しいんだ」
「まあ。そんな大役わたしに務まるとは思えないわ」
私は少し戸惑いながらも困り顔でニコッと微笑みながら返事をする。
「シア。君に人をみる力も平等に話すことも出来る。だからシアに頼んだんだ。昔もシアは僕が王子だと分かっても態度を変えずに話してくれただろう。」
王子はみんなから【王子】として見られがちで確かに結婚を狙うがために寄り付く令嬢は沢山いた。
第1王子のセオドアはそんな女性に嫌気が差して冷たい目で近づくな。という雰囲気を可持ち出しているために王妃を狙って近寄る女性も居ない。
エレンと仲良くなってセオドアも本当は温厚な姿を持っているということを知ったけれど。
逆にエレンは周りにニコッと愛想を振る舞ってくれるけれど誰1人信用できない状態だった。
そのため王位継承はいつも優しい目をしているエレンに人気を高めている。
「エレン……本当に私が側近なんか務まるかしら……」
「務まると思ってるから頼んでるんだよ。」
エレンは王子だから私に命令することも出来る。
だけどエレンは私に命令ではなく頼ってくれることに改めて大事な友達として見てくれてるんだなと思う。
「わかりました……。私に出来るかは分からないけど……。協力しますわ」
実際、ほんとに協力が出来るかは分からない。
私自身、エレン達と親しい友達だからといって寄ってくる令嬢も居れば、これを妬む令嬢も沢山いた。
親しくなったと思えばその父親から私でも断るだろうと分かるような事業提案を王子たちに話してくれなんていう伯爵もいた。
第1王子とも第2王子とも仲のいい私なんて王妃を狙ってる令嬢達には敵でしかない。
そんな中、私がエレンの婚約相手を見つけ出せるかと言われるとなんとも言えない。
「ありがとうシア!!僕だけでは絶対選べなかったから助かるよ……。」
エレンはホッとしたように喜んでいた。
「ふふ。大事な親友のためだもの。だけど……万が一王妃として相応しくない子だったとしても私を責めないでね。エレンの同意で決まるんだから」
「もちろんだよ!最終決断するのは僕だから……。それは安心してくれ。」
「決断って……結婚はそんな悪いものじゃないはずよ」
「はは。まあそのはずなんだけど…。それで……早速なんだけど近いうちに舞踏会があるから来て欲しい。その時王妃候補が何名か発表されるらしいから……」
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