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20話
しおりを挟む「皇后陛下…私は第2王子の王妃候補ですから第2王子ではなく第1王子を想えば世間からは許されないでしょう」
「あら。ということはやっぱりセオドアが?
もともと王妃候補としてではなく側近として入ったのだから後からでもなんとでもなるわ。それに私が文句を言わせません。
それにしても…セオドアは外から見たら冷たいのにあなたの事になると行動的で熱意を感じるものね。エフレインはみんなに優しいのに心を許したものにしか甘えたりしないしセオドアは心を許したものにしか熱意がわかない。これを言えばただの親バカでしょうけど…どちらもそれぞれの魅力があるのよね。私から2人のどちらかを応援すればどちらかが結果辛い思いをしなくちゃならないのは私も辛くて…ふと考えたの。それならトレシアの応援をすればいいんじゃない?って。」
…皇后陛下…皇后陛下は仕事中は女性でも惚れるほどのカッコイイ姿なのに仕事を抜けばThe天然というかなんというか……この姿を知ってるのは極少数なんだろうなぁ。
でももし私がセオドアを選べば…エレンとの仲はどうなるの。昔から3人で遊んでいたのに簡単には遊べなくなってしまうのよね…。そう考えると簡単に答えは出せない…。
「ずっと2人とは大事な親友だったから…私にもまだ考える時間が必要で…。それより皇后陛下、私たちの量の数倍の書類を毎日こなしてるとお聞きして驚きました…。」
皇后陛下は話をそらされたことに一瞬しゅんとした素振りを出しながらもすぐに態度を戻し返事をする
この一瞬のしゅんとした顔がエレンそっくりで微笑ましくなりニヤケそうになるのを我慢しながら返事を待つ。
「あら、どうして数倍と言われてるのかしら書類の量は数倍では無いですよ。王妃候補達にはだいたい7割くらいの量ね。けれど最近は少し増えているのは確かね。最近は世代交代も増えてるから少しの間は仕方ないのかもしれませんね。」
7割くらいの量と聞いて少しホッとした。
「そうだったのですね。。あの量の書類でもやっとなのに数倍あると思うとゾッとしてたけれど安心してましたわ…。」
「ふふふ。そんな事を言いながらもトレシアなら難なくこなしそうよ。まぁあなたがエフレインとセオドア、どちらかを選ぶことになっても何の問題も無いことだけは頭に入れておきなさい。話は以上よ」
私はそんな事を簡単に言われても困るなぁ…なんて思いながらも私はニコッと微笑んだ…。
「そんな、王妃候補になってからまだまだ勉強が足りないと感じています。寛大なお言葉感謝いたします皇后陛下。」
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