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19話
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「皇后陛下、お呼び頂きありがとうございます。トレシア・サイラスです。」
直ぐに護身の方が扉を開けて下さった。
「トレシア、急に呼び出してごめんなさいね。」
「いえ、皇后陛下から呼ばれるなんて嬉しい限りです。」
「ふふ、王妃候補とはいえ誰も居ない時は肩を落として結構よ。さぁこちらに座って」
皇后陛下はそっと 手を椅子の方へ向けテーブル椅子に座るように催促する。
テーブルには洋菓子がたくさんのったアフタヌーンティースタンドがある。
そこには私が大好きだったお菓子も。
「美味しそうなお菓子がたくさん!!用意してくださってありがとうございます」
「このお菓子、トレシアが大好きだったでしょう?このお菓子を見るといつもあなたたちの子供の頃を思い出すのよ。さぁ食べましょう。」
そう言ってターキッシュデライトを見せてくれる皇后。
「ふふふ。私も懐かしいです。」
そう言って食べ始めたわいのない会話が続き一段落したところで私から本題を聞くことにした。
「皇后陛下、今日はなぜ私をお呼びになったのですか」
「あら、トレシアとのお話が楽しくてすっかり忘れてたわ。ラリヌエス氏の書類の件でね、トレシアの書類が1番その地区を考えてくれていると思ったの。だから今度の王妃候補としての視察や経営をアストレアに行って欲しいと思ったのよ。ただ、アストレアの状況は良くないからセオドアと他の護衛達も一緒にね。」
「セ…第1王子とですか!?アストレアの件はずっと頭から離れなかったんです。私を選んでくれてありがとうございます!!」
「誰もいないからいつも通りセオでいいのよ。さすがサイラス公爵の子だわ。こういう事に率先して行きたくなるのは昔から公爵に着いて行っていたからかしらね。」
「ふふふ。王妃候補としてのお返事ですからそこはきっちりしませんと。」
そう言いながらもふとエナと初めて会った時を思い出す。
エナもこういう気持ちだったんだなっ。
「まぁ。ふふふ。それでここからは個人的な話だけど…」
「??」
「トレシア、あなたはエフレインとセオドア、どちらが好きなのかしら。」
「ふぇ!?」
私の立場的にも王妃候補なのに皇后からこんな事を聞かれるなんて思いもせず思わず声が上擦った。
「ふふふ。だってね?エレンもセオドアもあなたの事を大事に想っているのは知ってたけれど、エフレインはあなたが王妃候補になっても奥手だけどセオドアってあなたの事になると何かと駆けつけて行くじゃない?この間の社交界の時も。あなたの親友を助けにいってたでしょう?だから親としても気になっちゃってね。ほらぁ、私の立場から言うのも何ですけどあなたは性格的にも正直王妃になりたいとも思ってないでしょうけど…もしシアにどちらかを思う気持ちが芽生えてるなら私としては好きな人と一緒に居て欲しいから」
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