地球防衛…隊??(※部活です)〜守秘義務から始まる青春〜

明見朋夜

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3話 地球防衛隊部の人たち

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アイスを食べながら、リコは移動していた。

右にミホ。左にタカコ。

『どこに連行されてるんだ私は…』

いつものアイスがおいしく感じない。

「今日は顔合わせだけにしようね」

ミホがいつもの、ほわっとした声で言った。
顔合わせ。顔合わせって、普通こういう配置になる?
階段を上がり、二階へ。突き当たりの部屋の前で、ミホが立ち止まった。

ガラガラ。

引き戸が開く。
そこにいたのは、ピンク髪の少女だった。

「あ」

リコは知っていた。

谷田部優華やたべゆか。クラスで目立つ、陽キャの塊みたいな人。
明るくて、いつも笑い声が響いてて、人に囲まれてるタイプ。正直、あんまり近づきたくない。

その横には、もう一人。

眼鏡の男子。笠間冷太かなた
存在感が薄く、壁と同化している。見るからに陰キャ丸出しで話しかけたいとは、あまり思わなかった。

「ユカ、新入部員つれてきたよ」

ミホが、ほわっと報告した。

その瞬間。

ユカが、キラキラした何かを振りまきながら、私の前に立った。

「最近転校してきた高萩さんだよね!嬉しい!私は部長の谷田部優華やたべゆかです!」

眩しい。さっきのイケメンとは別方向の圧。

「カナちゃんも、挨拶して!」

ユカは床に座り込んでゲームしている男子に、強めの口調で言った。
カナタは一瞬だけ、私を見る。

……すぐ、画面に戻った。

「今ボス戦だから無理」
『私も、ゲームオタクは無理』

心の中で、そっと距離を置いた。

「もう!」

ユカは怒っているようだったけど、全然怖くない。

「仕方ないヤツだな」

タカコが、ちょっとだけ本気でキレていた。そっちは怖い。

「カナタはゲームが好きなんだ。落ち着いてから挨拶しよ」

ミホがフォローしてくれる。

「……高萩里子です」

私は一応、名乗った。

「二人に連れてこられてきたけど、ここ、何の部活なんですか?」

恐る恐る聞くと、ユカは迷いなく答えた。

「地球防衛隊部です!」
「……?」

初めて聞く部活名だった。落ち着くために、アイスを一口かじる。

「聞こえなかったので、もう一度いいですか?」
「地球防衛隊部です!!」「地球防衛隊部」「地球防衛隊部だよ」

三方向から被せられた。

「……何するんですか?」
「その名の通りだよ!悪いものをなくして、地球のみんなをハッピーにする活動!」

抽象的すぎて、理解が追いつかない。

「さっき見えた黒いヤツ、退治するの」

タカコが、端的に言った。

「あの黒いのが悪さするんだ。消していくと、悪い事が起きなくなるんだよ」

ミホも補足する。

「……お札貼ればいいの?」
「それ、ミホがつくったやつ」

急に、カナタが口を開いた。
情報整理が追い付かず、リコが混乱しているとガラガラと戸が開いた。
カナタ以外、戸に視線を向けた。

リコ達年上の女性、ジャージを着ていたが胸が大きいのがすぐにわかった。

「守谷くんが言ってた子ね。」
「そう!新入部員だよ!」

ユカが嬉しそうに言う。

「私は古河灯こがあかりといいます。部活の顧問してます。」

『普通そうな人だけど…』

「守谷くんと書類の手続きをしたのよね?」

リコはうなずくと灯が続けた。

「そうしたら、クラス替えの手続きもしてると思うので明日は今までの自分のクラスじゃなくて2年Z組に行ってください。」

「…ぜっと?」
「僕たちみんなZ組なんだ」
「私、転校したばかりで1組にいたんだけど…」
「部活都合でクラス変更になります。」

灯は淡々という。

「Z組……?」

アルファベットの最後。これ以上先がない、崖っぷちのような響き。嫌な予感しかしない。

「明日から毎日一緒だね」

『普通の高校生活送れる気がしない』

「あ、アイス落ちるよ」

アイスの方を見ると、棒からアイスがボトっと落ちていた。

平穏な日常生活が遠のく音がした。
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