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サイコパスと剣術
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魔法の訓練中にエドワードを殺し損ねた次の日、カインは現皇帝陛下並びにカインの父親でもあるケインと母親であるメルヴィンと朝食を食べながら一家だんらんを楽しんでいた。外面だけではあるが…
「カイン君、聞いて頂戴。最近お父さんが貴方のメイドに色目を使っていたのよ」
「え!ふつーに気持ち悪いですね」
カインが狙っていた女にも関わらず横取りされるのは納得がいかず、父親を睨みつける。当の本人は知らんぷりをしているつもりだろうが顔が明らかに動揺している。
「まぁそんなことは置いといてだ」
「あからさまに話を逸らしたわね」
「カイン聞いたぞ、お前はもうLv6の魔法が使えるのだなぁ」
「まーある程度ですけどね」
「もお、お前に魔法の家庭教師は必要ないだろう。代わりに剣術の先生をつけてやる」
どうやら昨日の対エドワードが相当効いたようだ。お陰で魔法の訓練はしなくて良くなった。訓練は嫌いではないが必要ない。僕からすると時間の無駄だ。しかし、次は剣術か。前の世界でも散々人を斬ってきたから腕は鈍ってないと思うが、まだ五歳。いかんせん体ができてない為良い運動になるだろう。
「承知しました。これからは剣術も磨いて参ります。」
「うむ、その心意気だ。頑張れ」
「まぁカイン君偉いわ!無理しなくてもいいのよ」
「お母様、問題ありません。剣術も一流になってみせます」
父親や母親、身の周りの者たちも当然カインが何者であるかは知るよしもない。親の前では特にいい子を装うのである。カインはこういった家族ゲームも意外と好みであり、敵を騙すにはまず味方からとは良くいったものである。
「それと今回の剣術の先生がお前の直属護衛になる予定だからな」
「どんな人なんですか?」
「現ブラックナインの一角だ。あいつだったら全く問題ないだろう」
ブラックナインとは帝国を守護する最強の九人のことだ。他国でいう近衛騎士的な存在である。詳しい話は学院でするが、ブラックナインは帝国中に散らばり、それぞれ五百人のブラックナイトを率いて常に他国や魔物から帝国を守っている。
「それじゃあ俺は公務に戻る」
「カイン君、頑張ってちょうだいね」
両親が朝食を終え仕事に行くと、一気に閑散とした空気になった。僕もそろそろ動き出そうと立ち上がる。スキップしながら長い廊下を歩く姿は年相応のものだったのだが…
「はじめまして!皇太子殿下!私はブラックナインが一人、シルフィー=クラウシスと申します。これからよろしくお願いします!」
そう名乗った女性は、エルフ特有の白く透き通るような肌に太陽に照らされて輝く金色の髪を丁寧に纏めていた。カインは彼女を一目見て恋人(奴隷)にすると決めたのだった。
「そうか、僕がカイン=フォン=シルヴォードだ。よろしく頼むよ」
「はっ!誠心誠意お仕えさせて頂きます!」
この凛々しい印象は最初の方だけで後からおっちょこちゃいがバレるタイプか。だが、それも悪くない。あっちの方も世話させてやろう。いや、僕がするのか。まぁどっちでもいい
「では、カイン様。最初は体作りから始めましょう。この庭を一周します。勿論私も走りますので!」
カインとシルフィーはおよそ十キロはある庭の隅を無心で走っていたのだった。三時間以上かけて走りきったカインの体力は残っているはずもなく、芝の上で仰向けになっている。
「も、申し訳ございません!殿下!いきなり十キロも走らせてしまって」
「はぁ、はぁ、はぁ。お前は絶対許さん、いつかお仕置きしてやる」
シルフィーは寝転がるカインに向けて何度も地に頭をつけ許しを乞う。その光景を満足げに眺め、十回目の謝罪でようやく許すのだった。それから一時間ほど休憩した後に、剣術の指導が始まった。
「殿下!その振りはどこで習ったのでしょうか?」
「これはお前たちが練習してたのを見て真似たのだ。なんか変なところがあるか?」
「いえ、何というか…人を斬るのに特化している様なそんな感じが…」
ほぅ、流石は我が国の最強の一人。
なかなか見る目があるな。
こいつは僕が早々に唾をつけておくべきだと改めて直感する。
「それでは殿下!私に斬りかかってきて下さい!」
「じゃあ、いくぞ!」
カインは生まれ持っていや、前世から【閃光斬】という相手を一瞬で斬り伏せるスキルを所持しているが、シルフィーのこと気に入っている為、自力だけで挑む。
カインの身長はまだまだ低く体重も軽いため、剣の速さでシルフィーに挑もうとするが上手くいなされ三十回は剣を振ったが、一度も体に当てることは叶わなかった。
「殿下!素晴らしい剣筋とスピードでした!これなら騎士学園にも楽々入学できますよ!」
「いや、僕は魔法学院に入る予定だから」
「な、なんと…いえ、確かに殿下は魔法の才も素晴らしいと聞きますし…」
シルフィーは僕に騎士学園に入って欲しかったのか残念そうな顔をしてこちらを伺ってくる。
しかし、僕は魔法学院の方に入学すると決めている。理由は、王都にある国立シークリー魔法学院には裏研究所というものが併設されており、そこには国中からマッドサイエンティストが集まり日々、非人道的な実験が繰り返されているのである。そこで研究したいがために魔法学院に通おうとするのは流石、サイコパスである。
「殿下!今日の指導はここまでとさせて頂きます」
「あぁ、楽しかったぞ。後十キロ走らされた恩は仇で返してやる」
「し、失礼します!それでは!」
カインは魔法ではその才能を存分に披露し、剣術でも幼いながら常人離れした技術と速さで大人たちを驚かせるのだった。
「カイン君、聞いて頂戴。最近お父さんが貴方のメイドに色目を使っていたのよ」
「え!ふつーに気持ち悪いですね」
カインが狙っていた女にも関わらず横取りされるのは納得がいかず、父親を睨みつける。当の本人は知らんぷりをしているつもりだろうが顔が明らかに動揺している。
「まぁそんなことは置いといてだ」
「あからさまに話を逸らしたわね」
「カイン聞いたぞ、お前はもうLv6の魔法が使えるのだなぁ」
「まーある程度ですけどね」
「もお、お前に魔法の家庭教師は必要ないだろう。代わりに剣術の先生をつけてやる」
どうやら昨日の対エドワードが相当効いたようだ。お陰で魔法の訓練はしなくて良くなった。訓練は嫌いではないが必要ない。僕からすると時間の無駄だ。しかし、次は剣術か。前の世界でも散々人を斬ってきたから腕は鈍ってないと思うが、まだ五歳。いかんせん体ができてない為良い運動になるだろう。
「承知しました。これからは剣術も磨いて参ります。」
「うむ、その心意気だ。頑張れ」
「まぁカイン君偉いわ!無理しなくてもいいのよ」
「お母様、問題ありません。剣術も一流になってみせます」
父親や母親、身の周りの者たちも当然カインが何者であるかは知るよしもない。親の前では特にいい子を装うのである。カインはこういった家族ゲームも意外と好みであり、敵を騙すにはまず味方からとは良くいったものである。
「それと今回の剣術の先生がお前の直属護衛になる予定だからな」
「どんな人なんですか?」
「現ブラックナインの一角だ。あいつだったら全く問題ないだろう」
ブラックナインとは帝国を守護する最強の九人のことだ。他国でいう近衛騎士的な存在である。詳しい話は学院でするが、ブラックナインは帝国中に散らばり、それぞれ五百人のブラックナイトを率いて常に他国や魔物から帝国を守っている。
「それじゃあ俺は公務に戻る」
「カイン君、頑張ってちょうだいね」
両親が朝食を終え仕事に行くと、一気に閑散とした空気になった。僕もそろそろ動き出そうと立ち上がる。スキップしながら長い廊下を歩く姿は年相応のものだったのだが…
「はじめまして!皇太子殿下!私はブラックナインが一人、シルフィー=クラウシスと申します。これからよろしくお願いします!」
そう名乗った女性は、エルフ特有の白く透き通るような肌に太陽に照らされて輝く金色の髪を丁寧に纏めていた。カインは彼女を一目見て恋人(奴隷)にすると決めたのだった。
「そうか、僕がカイン=フォン=シルヴォードだ。よろしく頼むよ」
「はっ!誠心誠意お仕えさせて頂きます!」
この凛々しい印象は最初の方だけで後からおっちょこちゃいがバレるタイプか。だが、それも悪くない。あっちの方も世話させてやろう。いや、僕がするのか。まぁどっちでもいい
「では、カイン様。最初は体作りから始めましょう。この庭を一周します。勿論私も走りますので!」
カインとシルフィーはおよそ十キロはある庭の隅を無心で走っていたのだった。三時間以上かけて走りきったカインの体力は残っているはずもなく、芝の上で仰向けになっている。
「も、申し訳ございません!殿下!いきなり十キロも走らせてしまって」
「はぁ、はぁ、はぁ。お前は絶対許さん、いつかお仕置きしてやる」
シルフィーは寝転がるカインに向けて何度も地に頭をつけ許しを乞う。その光景を満足げに眺め、十回目の謝罪でようやく許すのだった。それから一時間ほど休憩した後に、剣術の指導が始まった。
「殿下!その振りはどこで習ったのでしょうか?」
「これはお前たちが練習してたのを見て真似たのだ。なんか変なところがあるか?」
「いえ、何というか…人を斬るのに特化している様なそんな感じが…」
ほぅ、流石は我が国の最強の一人。
なかなか見る目があるな。
こいつは僕が早々に唾をつけておくべきだと改めて直感する。
「それでは殿下!私に斬りかかってきて下さい!」
「じゃあ、いくぞ!」
カインは生まれ持っていや、前世から【閃光斬】という相手を一瞬で斬り伏せるスキルを所持しているが、シルフィーのこと気に入っている為、自力だけで挑む。
カインの身長はまだまだ低く体重も軽いため、剣の速さでシルフィーに挑もうとするが上手くいなされ三十回は剣を振ったが、一度も体に当てることは叶わなかった。
「殿下!素晴らしい剣筋とスピードでした!これなら騎士学園にも楽々入学できますよ!」
「いや、僕は魔法学院に入る予定だから」
「な、なんと…いえ、確かに殿下は魔法の才も素晴らしいと聞きますし…」
シルフィーは僕に騎士学園に入って欲しかったのか残念そうな顔をしてこちらを伺ってくる。
しかし、僕は魔法学院の方に入学すると決めている。理由は、王都にある国立シークリー魔法学院には裏研究所というものが併設されており、そこには国中からマッドサイエンティストが集まり日々、非人道的な実験が繰り返されているのである。そこで研究したいがために魔法学院に通おうとするのは流石、サイコパスである。
「殿下!今日の指導はここまでとさせて頂きます」
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