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おともだち
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旦那は、最低な男だった。金は趣味の釣りとパチンコでほとんど使ってしまう。気に入らないことがあると、私を殴りつけた。ひどい時は、髪をつかんでテーブルに額を打ち付けてくることもあった。
私だけでなく、娘にまで手を出すことがあった。
離婚をすればよかったのかも知れないが、それを切り出したらまた暴力を振るわれるのは分かり切っていたし、離婚するにしても仕事を探さなけばならずすぐには動けなかった。
そのうち、娘の様子がおかしくなっていった。誰もいない場所にむかって話しかけるようになったのだ。
「本当? そうなんだ」
「うん、嫌な奴なんだよ」
今の隅に座り込み、ぼそぼそと何か言っている様子は、我が娘ながら不気味なものがあった。
「誰と話しているの?」
そう聞く自分の声が、少し震えていた。
「ミカちゃん! 友達なんだ!」
旦那に殴られたアザのある顔で微笑んだ。
だけれど、娘の前には旦那の暴力で穴の空いた、薄汚れた壁があるだけだ。
「と、友達?」
私は思わず娘の視線の先を確認した。しかしもちろんそこには誰もいない。
私たちの話し声を聞きつけたのか、自室から足音荒く旦那がやってきた。
「おい、なにこそこそ話してるんだ!」
「ご、ごめんなさい」
旦那は娘を睨みつけた。娘は身を小さくして固まっている。
「……フン」
旦那はただ鼻を鳴らしただけで去っていってくれた。
放っておけば、そのうちに止むだろうと思ったが、それから数日たっても娘は『ミカちゃん』とおしゃべりを続けていた。
調べてみたら、イマジナリーフレンドというものがあるらしい。
子供が空想上の友達を作ることだ。感受性の強い子に多いらしく、別におかしなことでもないそうだ。
それならあまりうるさく言って刺激しない方がいいと思ったけれど、どうしても気になった私は、聞いてみた。
「ミカちゃんって、どういう子なの?」
「かわいいコだよ! 私より一つお姉ちゃんなんだって!」
娘は隣をチラチラのぞき見ている。きっと、娘にはそこにミカちゃんが見えているのだろう。
「ミカちゃんは、私のこと好きなんだって! 私も、ミカちゃんが大好き!」
「そ、そう」
次に旦那が爆発したのは夕食の時だった。魚の皿を置いたはずみに、テーブルの隅にあったタバコが落ちてしまったのだ。
「何やってんだ、お前はよう!」
払い落された皿が床に散った。
旦那の手が、私の頬に飛んだ。
「皿一つまともに置けねえのかお前は! どいつもこいつも俺をイラだたせやがって! 気持ちよく飯を食うこともできねえんだ俺は!」
衝撃でぐらつく頭でも胸倉がつかまれたのが分かる。つぶった目から涙がこぼれ落ちる。
娘が大きな声で泣きだした。それで我に返ったのか、旦那は手を放した。
「ああ、ごめんよ。こんなことをするつもりじゃなかったんだ」
おろおろと旦那が私の頬をなでた。バタバタと音がして、娘が部屋を出ていった。私もその後を追う。
娘は、廊下の隅にうずくまって泣いている。
「大丈夫、大丈夫だからね」
私は震える小さな体を抱きしめ、その背中をなでた。
「うん、うん」
娘は小さくうなずいていた。
でも、なんだかおかしい。私の言葉ではなく、他人の言葉にうなずいているような。
すぐそばにいる私にかろうじて聞こえるような小さな声で、娘はなにかを呟いていた。
「……なの。……いつもなの」
私は思わず背をなでる手を止めた。
「え?」
娘の震えが段々と大きくなっていく。
「ふふ、ふふふ……」
娘は笑っていた。かすかに、息を漏らすようにして。
「本当? 本当に?」
きっと、ミカちゃんと話しをしているのだ。
「ど、どうしたの?」
「ミカちゃんが、約束してくれたの。お父さんのことなんとかしてくれるって」
「な、『なんとか』って……」
それではまるでミカちゃんが旦那に何かするみたいではないか。
まさか、そんなことはあり得ない。だって、ミカちゃんは娘の脳にいるのだから、現実世界をどうにかできるはずはない。
「でも……」
もしかしたら、娘に取り付いている守護霊みたいなものだろうか?
本当に旦那に罰をあててくれるのだろうか?
私は首を振った。そんなことがあるわけない。でも、少し期待してしまった自分は悪い人間なのだろうか。
それから、数日後、決定的な出来事が起こった。旦那が、階段から足を踏み外したのだった。
怪談の下を横切ろうとした私は、降りてくる旦那の足音に気づいた。無意識に見上げると、旦那は不機嫌そうにうつむいている。角度的に私をにらみつけているように見えた。
その瞬間だった。
旦那は、体をのけぞらした。
あ、と思った瞬間、ものすごい音をたてて旦那が階段を転げ落ちる。そして止まった。
倒れたまま旦那がうめき声をあげた。鼻から血を流しながら、ゆっくりと顔をあげる。
「誰だ!」
突き飛ばされたと思ったのか、旦那は階段を見上げた。しかし、当然そこには誰もいない。私も、娘も一階にいるのだから。
つんつんと娘が私の服を引っ張ってきた。
娘が口の横に手を添えている。何か、内緒で言いたいことがあるようだ。
身をかがめて、耳を娘に近づける。
「あのね、ミカちゃんがやったんだよ」
ふふ、と小さな唇から息が漏れる。
「なに笑ってやがる!」
窓辺に置かれた猫の置物を、旦那は娘に向けて投げつけた。幸い、娘には当たらず、置物は粉々に砕けた。
私は、娘を半分抱きかかえるようにして、自分の部屋に逃げ込んだ。そして必死にドアノブを押えた。
「おい、開けろ! なんで逃げるんだ!」
壊さんばかりの勢いで扉が叩かれる。涙がにじんだ目をかたく閉じ、私はノブをつかみ続けた。
あの旦那の転び方。本当に突き飛ばされたようだった。
イマジナリーフレンドなんかではない。ミカちゃんは、やはり霊のようなものなのだろう。悪霊は、守護霊か分からないが。
どうしてその時目が覚めたのか分からない。ふと横をみると、娘の布団がからっぽなのに気がついた。
鼓動が大きくなる。
(トイレ?)
あの子は怖がりで、まだ一人でトイレにいけないのに。
まるで悪い事でもしようとしているように、私はそろそろと布団を抜け出した。もしも明かりをつけてしまったら、恐ろしいものに見つかってしまうような気がした。
廊下に出て、ひんやりとした床板に足をつける。きしんだ音が意外と大きく響いて、心臓が止まるかと思った。
台所から、囁き声が聞こえてきた。娘の声だった。
戸の隙間から、なかを覗き込む。
窓から差し込む薄明かりの中、黒い影がうずくまっていた。壁からちょうどひと一人分離れた場所で。
「しかたないよ、たまたま失敗しちゃっただけだよ」
娘がくすくすと笑う。目の前にはもちろん誰もいない。
「本当? じゃあ、今度は、ちゃんとやるの?」
そして、またくすくすと笑う。
何をやるつもりなのだろう。でも、霊なんてものにどう対処すればいい?
見てはいけないものを見てしまった気だった。私は、布団の中に戻った。顔まで掛布団をかぶる。それこそ、怖い映画を見て眠れなくなった子供のように。
それからしばらくして、旦那は釣りに出かけていった。自分をいじめる者がいないおかげで、娘は居間のソファに横たわりゆっくり昼寝をしていた。
私も、深く安堵の溜息をつきながら洗濯物をたたんでいた。
電話が鳴って、慌てて受話器を取った。娘が起きたらかわいそうだ。
電話の相手は、警察だった。。
それは、旦那が海で足をすべらせ、溺れ死んだという。
私は、硬く唇を引き結んだ。そうしないと、声をあげてしまいそうだった。驚きと、喜びと、そして驚きだった。
ミカちゃんだ。ミカちゃんがやってくれたのだ。
『本当? じゃあ、今度は、ちゃんとやるの?』
台所で聞いた娘の呟き。
でも。でも、ミカちゃんがやったとして、それの何が悪いのだろう? 女子供に、ましてや自分の妻子に暴力をふるうなんて、罰が当たって当然だ。
そう。だから私はミカちゃんを放っておいたのだ。どうしようもないと自分に言い聞かせながら、『何もしない』ということをした。こうなることを期待して。
『それが……不思議なことがありまして』
電話越しの警官の声は、明らかに困惑していた。
『目撃者がこんなことを言っていたのです。子供が二人、旦那さんの足にしがみついていたと』
「二人?」
一瞬、息が止まった。
なぜ? 旦那を殺したのはミカちゃんじゃないの? 二人?
『一応、事件も視野も入れて捜査しますが……』
言外に期待しないでください、ということなのだろう。多分、ただの見間違いだと。
電話を切ると、小さく娘がうめいた。目が覚めたようだ。
「ど、どうしたの?」
娘は、寝汗でびっしょりだった。横たわっていたソファも、娘の形にぐっしょり濡れている。
まるで、そう、海に浸かったように。
小さい、緑色の物がソファの布に貼りついていた。震える手でそれをつまむ。
(これは……コケ?)
そういえば、海岸の岩にこんな感じの物がよく生えていた。
額に髪を貼りつかせて、娘が笑う。
「うん、お父さんを殺してきたの! ミカちゃんと一緒に!」
「え……何を言っているの?」
「ミカちゃんが右足、私が左足にぎゅってしたのよ」
緑色によどんだ海。落ちた男が、必死に手足をバタつかせる。水底から、四本の小さな手が伸びる。一人は右足、一人は左足。表情に笑みを浮かべながらしがみつく。
娘は、本当にそんなことをしたのだろうか。いつの間にか、人ならぬ者になってしまったのだろうか。ミカちゃんに魅入られて。
私だけでなく、娘にまで手を出すことがあった。
離婚をすればよかったのかも知れないが、それを切り出したらまた暴力を振るわれるのは分かり切っていたし、離婚するにしても仕事を探さなけばならずすぐには動けなかった。
そのうち、娘の様子がおかしくなっていった。誰もいない場所にむかって話しかけるようになったのだ。
「本当? そうなんだ」
「うん、嫌な奴なんだよ」
今の隅に座り込み、ぼそぼそと何か言っている様子は、我が娘ながら不気味なものがあった。
「誰と話しているの?」
そう聞く自分の声が、少し震えていた。
「ミカちゃん! 友達なんだ!」
旦那に殴られたアザのある顔で微笑んだ。
だけれど、娘の前には旦那の暴力で穴の空いた、薄汚れた壁があるだけだ。
「と、友達?」
私は思わず娘の視線の先を確認した。しかしもちろんそこには誰もいない。
私たちの話し声を聞きつけたのか、自室から足音荒く旦那がやってきた。
「おい、なにこそこそ話してるんだ!」
「ご、ごめんなさい」
旦那は娘を睨みつけた。娘は身を小さくして固まっている。
「……フン」
旦那はただ鼻を鳴らしただけで去っていってくれた。
放っておけば、そのうちに止むだろうと思ったが、それから数日たっても娘は『ミカちゃん』とおしゃべりを続けていた。
調べてみたら、イマジナリーフレンドというものがあるらしい。
子供が空想上の友達を作ることだ。感受性の強い子に多いらしく、別におかしなことでもないそうだ。
それならあまりうるさく言って刺激しない方がいいと思ったけれど、どうしても気になった私は、聞いてみた。
「ミカちゃんって、どういう子なの?」
「かわいいコだよ! 私より一つお姉ちゃんなんだって!」
娘は隣をチラチラのぞき見ている。きっと、娘にはそこにミカちゃんが見えているのだろう。
「ミカちゃんは、私のこと好きなんだって! 私も、ミカちゃんが大好き!」
「そ、そう」
次に旦那が爆発したのは夕食の時だった。魚の皿を置いたはずみに、テーブルの隅にあったタバコが落ちてしまったのだ。
「何やってんだ、お前はよう!」
払い落された皿が床に散った。
旦那の手が、私の頬に飛んだ。
「皿一つまともに置けねえのかお前は! どいつもこいつも俺をイラだたせやがって! 気持ちよく飯を食うこともできねえんだ俺は!」
衝撃でぐらつく頭でも胸倉がつかまれたのが分かる。つぶった目から涙がこぼれ落ちる。
娘が大きな声で泣きだした。それで我に返ったのか、旦那は手を放した。
「ああ、ごめんよ。こんなことをするつもりじゃなかったんだ」
おろおろと旦那が私の頬をなでた。バタバタと音がして、娘が部屋を出ていった。私もその後を追う。
娘は、廊下の隅にうずくまって泣いている。
「大丈夫、大丈夫だからね」
私は震える小さな体を抱きしめ、その背中をなでた。
「うん、うん」
娘は小さくうなずいていた。
でも、なんだかおかしい。私の言葉ではなく、他人の言葉にうなずいているような。
すぐそばにいる私にかろうじて聞こえるような小さな声で、娘はなにかを呟いていた。
「……なの。……いつもなの」
私は思わず背をなでる手を止めた。
「え?」
娘の震えが段々と大きくなっていく。
「ふふ、ふふふ……」
娘は笑っていた。かすかに、息を漏らすようにして。
「本当? 本当に?」
きっと、ミカちゃんと話しをしているのだ。
「ど、どうしたの?」
「ミカちゃんが、約束してくれたの。お父さんのことなんとかしてくれるって」
「な、『なんとか』って……」
それではまるでミカちゃんが旦那に何かするみたいではないか。
まさか、そんなことはあり得ない。だって、ミカちゃんは娘の脳にいるのだから、現実世界をどうにかできるはずはない。
「でも……」
もしかしたら、娘に取り付いている守護霊みたいなものだろうか?
本当に旦那に罰をあててくれるのだろうか?
私は首を振った。そんなことがあるわけない。でも、少し期待してしまった自分は悪い人間なのだろうか。
それから、数日後、決定的な出来事が起こった。旦那が、階段から足を踏み外したのだった。
怪談の下を横切ろうとした私は、降りてくる旦那の足音に気づいた。無意識に見上げると、旦那は不機嫌そうにうつむいている。角度的に私をにらみつけているように見えた。
その瞬間だった。
旦那は、体をのけぞらした。
あ、と思った瞬間、ものすごい音をたてて旦那が階段を転げ落ちる。そして止まった。
倒れたまま旦那がうめき声をあげた。鼻から血を流しながら、ゆっくりと顔をあげる。
「誰だ!」
突き飛ばされたと思ったのか、旦那は階段を見上げた。しかし、当然そこには誰もいない。私も、娘も一階にいるのだから。
つんつんと娘が私の服を引っ張ってきた。
娘が口の横に手を添えている。何か、内緒で言いたいことがあるようだ。
身をかがめて、耳を娘に近づける。
「あのね、ミカちゃんがやったんだよ」
ふふ、と小さな唇から息が漏れる。
「なに笑ってやがる!」
窓辺に置かれた猫の置物を、旦那は娘に向けて投げつけた。幸い、娘には当たらず、置物は粉々に砕けた。
私は、娘を半分抱きかかえるようにして、自分の部屋に逃げ込んだ。そして必死にドアノブを押えた。
「おい、開けろ! なんで逃げるんだ!」
壊さんばかりの勢いで扉が叩かれる。涙がにじんだ目をかたく閉じ、私はノブをつかみ続けた。
あの旦那の転び方。本当に突き飛ばされたようだった。
イマジナリーフレンドなんかではない。ミカちゃんは、やはり霊のようなものなのだろう。悪霊は、守護霊か分からないが。
どうしてその時目が覚めたのか分からない。ふと横をみると、娘の布団がからっぽなのに気がついた。
鼓動が大きくなる。
(トイレ?)
あの子は怖がりで、まだ一人でトイレにいけないのに。
まるで悪い事でもしようとしているように、私はそろそろと布団を抜け出した。もしも明かりをつけてしまったら、恐ろしいものに見つかってしまうような気がした。
廊下に出て、ひんやりとした床板に足をつける。きしんだ音が意外と大きく響いて、心臓が止まるかと思った。
台所から、囁き声が聞こえてきた。娘の声だった。
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それからしばらくして、旦那は釣りに出かけていった。自分をいじめる者がいないおかげで、娘は居間のソファに横たわりゆっくり昼寝をしていた。
私も、深く安堵の溜息をつきながら洗濯物をたたんでいた。
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『それが……不思議なことがありまして』
電話越しの警官の声は、明らかに困惑していた。
『目撃者がこんなことを言っていたのです。子供が二人、旦那さんの足にしがみついていたと』
「二人?」
一瞬、息が止まった。
なぜ? 旦那を殺したのはミカちゃんじゃないの? 二人?
『一応、事件も視野も入れて捜査しますが……』
言外に期待しないでください、ということなのだろう。多分、ただの見間違いだと。
電話を切ると、小さく娘がうめいた。目が覚めたようだ。
「ど、どうしたの?」
娘は、寝汗でびっしょりだった。横たわっていたソファも、娘の形にぐっしょり濡れている。
まるで、そう、海に浸かったように。
小さい、緑色の物がソファの布に貼りついていた。震える手でそれをつまむ。
(これは……コケ?)
そういえば、海岸の岩にこんな感じの物がよく生えていた。
額に髪を貼りつかせて、娘が笑う。
「うん、お父さんを殺してきたの! ミカちゃんと一緒に!」
「え……何を言っているの?」
「ミカちゃんが右足、私が左足にぎゅってしたのよ」
緑色によどんだ海。落ちた男が、必死に手足をバタつかせる。水底から、四本の小さな手が伸びる。一人は右足、一人は左足。表情に笑みを浮かべながらしがみつく。
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