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三章
幸せな終わり、あるいは忠誠ではなく伴侶のキスを
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「どうです? 私の描いたこのお芝居は!」
刺繍の施された豪華な布張りのイスに座り、ラティラスはしたり顔で言った。
トルバドの王宮の一室は人払いがしてあり、秘密の話をするにはうってつけだ。
豪華な置き時計がコチコチと時を刻み、テーブルには香りのいい茶と菓子が乗っていた。
二組同時という異例の結婚式を終え、四人はようやく一休みすることができた。
「まさかあのホログラムを使うなんて」
侍女の格好のまま、ファネットは両手で口を押さえて上品に笑った。
「いやいや、あんな便利な道具があってよかったですよ。あれって古い記録を消して、新しい記録を入れることができるのですね!」
ラティラスはまだ結婚式の余韻が抜けないらしく、少しハイになっていた。
ルイドバードがイスから身を乗り出し、誰にも聞こえないように小声で言った。
「まさか、天使がファネットだとバレないだろうな」
「ええ、羽の飾り物をつけて、顔が分からないよう映像、ええと、つまり幻像を荒くしてますから、まず分かりません」
ファネットはほんの少しだけ得意そうに笑った。
あの治療機の前で、『リティシアが見た過去を映す機械を使えないか』と言ったのはラティラスだった。
『もし神様直々、いや、せめて天使がこの結婚に文句を言う幻影を作り出せたら! そしてファネットさんが女神の血統……ではありませんが、女神の一族であることを証明してくれれば!』
天使役はファネットに決まった。王族の二人や、一時期お尋ね者になったラティラスよりは顔が知られていなかったからだ。
ファネットはラティラス達にやり方を教え、天使の姿をした自分が動く様子をホログラフィに記録させた。
祭壇の位置や、従者の控えてる場所などは決まりがあるので、大体の場所は分かっている。
婚礼準備のどさくさにまぎれ、その装置を城に運び込み、祭壇の下に仕込むのは簡単なことだった。
「それにしても本当にあの幻がしゃべっているみたいだったな」
「バレるんじゃないかとドキドキしましたわ!」
ルイドバードとファネットの言葉に、にっこりとラティラスが笑った。
そして右手を影絵の狐の形に曲げ、口に当たる指をぱくぱくと動かしてみせた。
「ははは、ちょっとしたもんでしょう? まさかこの腹話術の特技が役にたつとは思いませんでしたよ」
そういうラティラスの口は動いているように見えない。
この作戦を練ったとき、困ったのは天使の声だった。
もしも天使が現われれば、民衆の誰かや神官が声をかけてくることも考えられた。そのときに、記録しただけの言葉ではちぐはぐで会話にならないだろう。
実際に、神官に話かけられたし、映像の中のファネットに合わせ、ラティラスが腹話術をすることにするのは正解だった。
「しかし、ヘーディダル王は納得したのか。一人娘を道化に嫁がせるなど」
「なにせ、神の使い直々(じきじき)のとりなしですからね。私達の決断に文句をいう者はいないでしょう。式は先に挙げることになりましたが、これからファネットさんはヘーディダル王の養女になって、それからルイドバード殿下のお妃様になるんですから、問題はないでしょう」
この政略結婚は、もともとトルバド国の金とロアーディアル国の箔(ハク)の交換だ。
ルイドバードの気持ちはともかく、ロアーディアルの一族の娘をもらえるなら、トルバドの国としては誰でもいいわけで、天使に女神の一族と言われた娘をもらえるのだ。トルバドの方でも文句はないだろう。
「それに……その、なんですか。私がいうのもなんですが」
「状況が許すなら、父は私をラティラスの下(もと)にやりたいと思っていたのだろう。それは、その、私の気持ちは分かっていただろうからな」
ラティラスが言い辛いことをリティシアが代わりに言った。
「二人とも、これからどうするつもりだ?」
多少心配そうな様子でルイドバードが聞いてくる。
「私はファネットと入れ代わりに王籍から抜けることになるだろうな。どこか静かなところで暮らすつもりだ」
「ま、王様からちょっとした家と一生遊んで暮らせるだけのお金はいただくつもりですよ」
そのラティラスの言葉にルイドバードは驚いたようだった。
「お前、そんなちょっぴりでいいのか? 姫の命を救い、国に巣くった不穏分子を炙り出したんだ。本来だったら然るべき位と領地をもらうところだぞ!」
ラティラスは笑いながらぱたぱたと手を振った。
「ガラじゃありませんよ! それに命より大切な娘さんをいただくのに、その父親にさらに位と領地を、なんてずうずうしくて言えませんよ!」
リティシアは照れ臭そうに苦笑した。
「そうだ。あとで……あとで師匠の墓に参りましょう。師匠もリティシア様に会いたいでしょうから」
「ああ」
リティシアは深く溜息をついた。
きっと色々なことがありすぎて、いまいちベイナーが死んだことが実感できないのだろう。墓を見て、初めて彼女は泣くのだろうとラティラスは思った。
「ロルオンは結局見つからなかったな」
誰にともなくルイドバードは呟いた。
「やっぱり、あの塔で亡くなったんでしょうね。まあ、生きていたとしても、こちらはルイドバードの父上が出した条件は文句なく満たした。あなたは自らの力でリティシア様を見付けだし、ロアーディアの血を持つファネットさんと結婚した。あなたはトルバド王になれる」
なんだか色々なことが変わってしまった。ラティラスは、リティシアがさらわれる前の生活を少しだけ懐かしく思い出した。
リティシアはルイドバードに顔をむけた。
「今度から二つの国を頼むぞルイドバード」
「わかりました」
「それから、ファネットの友人として、彼女のこともな」
ファネットは少し驚いたような顔をしたが、ルイドバードにほほ笑みかけた。
「それもおまかせを」
さすが王子だけあって、ルイドバードは人前ではしたなくファネットを抱き締めたり口づけたりはしなかった。ただ、愛情とほほ笑みを含んだ目でファネットを見つめただけだった。
部屋の置時計がかわいらしいチャイムを鳴らす。
「ああ、もうこんな時間か」
ルイドバードは立ち上がって腰を伸ばした。
「私もさすがに疲れた。そろそろ自分達の部屋に戻ろう」
ルイドバードに、ファネットも続いた。
ラティラスは扉までついていって二人を見送ることにした。
「よい夜を、お二方」
「お前もな」
ルイドバードとリティシアは、部屋を出るときに少し振り返って微笑んでくれた。
扉が閉まるのを待って、ラティラスはリティシアに向き直った。
二人きりになるのはロアーディアルの城で花嫁衣裳のリティシアを見たとき以来だ。
今またリティシアは花嫁衣裳を着ている。今度はルイドバードのためではなく、ただラティラスのためだけに。
酔ってもいないはずなのに、足元がふわふわとする。いや、酔っているというなら、自分は酒ではなくて幸せに酔い痴れているのだろう。
「ねえ、姫(ひい)様! 今回私は活躍したでしょう?」
「当たり前だ。お前がいなかったら私はとっくに死んでいただろう」
「では畏(おそ)れながら、この道化、リティシア様からご褒美をいただきたく」
「だが褒美といっても、何が欲しいんだ? 王籍を捨てる私に、与えられる物など……」
ラティラスはリティシアの前にひざまずいた。
「あなたご自身を、リティシア様」
ラティラスはうやうやしくリティシアの手を取り、口づけた。
「ワタシの身体(からだ)も魂も、すべてはあなたの物。ですから、あなたもワタシに同じ物を。このワタシに、どうかあなた様のすべてを」
リティシアの瞳に涙がにじんだ。白い頬に朱がはしる。
「だったら、ひとつ条件が」
「なんです?」
「これからは、忠誠のキスではなく、恋人同士、いや、伴侶(はんりょ)としてのキスを」
「喜んでその条件を呑みましょう、リティシア」
条件を受け入れた証拠に、ラティラスはもう一度リティシアに口づけをした。手の甲ではなく、その唇に。
刺繍の施された豪華な布張りのイスに座り、ラティラスはしたり顔で言った。
トルバドの王宮の一室は人払いがしてあり、秘密の話をするにはうってつけだ。
豪華な置き時計がコチコチと時を刻み、テーブルには香りのいい茶と菓子が乗っていた。
二組同時という異例の結婚式を終え、四人はようやく一休みすることができた。
「まさかあのホログラムを使うなんて」
侍女の格好のまま、ファネットは両手で口を押さえて上品に笑った。
「いやいや、あんな便利な道具があってよかったですよ。あれって古い記録を消して、新しい記録を入れることができるのですね!」
ラティラスはまだ結婚式の余韻が抜けないらしく、少しハイになっていた。
ルイドバードがイスから身を乗り出し、誰にも聞こえないように小声で言った。
「まさか、天使がファネットだとバレないだろうな」
「ええ、羽の飾り物をつけて、顔が分からないよう映像、ええと、つまり幻像を荒くしてますから、まず分かりません」
ファネットはほんの少しだけ得意そうに笑った。
あの治療機の前で、『リティシアが見た過去を映す機械を使えないか』と言ったのはラティラスだった。
『もし神様直々、いや、せめて天使がこの結婚に文句を言う幻影を作り出せたら! そしてファネットさんが女神の血統……ではありませんが、女神の一族であることを証明してくれれば!』
天使役はファネットに決まった。王族の二人や、一時期お尋ね者になったラティラスよりは顔が知られていなかったからだ。
ファネットはラティラス達にやり方を教え、天使の姿をした自分が動く様子をホログラフィに記録させた。
祭壇の位置や、従者の控えてる場所などは決まりがあるので、大体の場所は分かっている。
婚礼準備のどさくさにまぎれ、その装置を城に運び込み、祭壇の下に仕込むのは簡単なことだった。
「それにしても本当にあの幻がしゃべっているみたいだったな」
「バレるんじゃないかとドキドキしましたわ!」
ルイドバードとファネットの言葉に、にっこりとラティラスが笑った。
そして右手を影絵の狐の形に曲げ、口に当たる指をぱくぱくと動かしてみせた。
「ははは、ちょっとしたもんでしょう? まさかこの腹話術の特技が役にたつとは思いませんでしたよ」
そういうラティラスの口は動いているように見えない。
この作戦を練ったとき、困ったのは天使の声だった。
もしも天使が現われれば、民衆の誰かや神官が声をかけてくることも考えられた。そのときに、記録しただけの言葉ではちぐはぐで会話にならないだろう。
実際に、神官に話かけられたし、映像の中のファネットに合わせ、ラティラスが腹話術をすることにするのは正解だった。
「しかし、ヘーディダル王は納得したのか。一人娘を道化に嫁がせるなど」
「なにせ、神の使い直々(じきじき)のとりなしですからね。私達の決断に文句をいう者はいないでしょう。式は先に挙げることになりましたが、これからファネットさんはヘーディダル王の養女になって、それからルイドバード殿下のお妃様になるんですから、問題はないでしょう」
この政略結婚は、もともとトルバド国の金とロアーディアル国の箔(ハク)の交換だ。
ルイドバードの気持ちはともかく、ロアーディアルの一族の娘をもらえるなら、トルバドの国としては誰でもいいわけで、天使に女神の一族と言われた娘をもらえるのだ。トルバドの方でも文句はないだろう。
「それに……その、なんですか。私がいうのもなんですが」
「状況が許すなら、父は私をラティラスの下(もと)にやりたいと思っていたのだろう。それは、その、私の気持ちは分かっていただろうからな」
ラティラスが言い辛いことをリティシアが代わりに言った。
「二人とも、これからどうするつもりだ?」
多少心配そうな様子でルイドバードが聞いてくる。
「私はファネットと入れ代わりに王籍から抜けることになるだろうな。どこか静かなところで暮らすつもりだ」
「ま、王様からちょっとした家と一生遊んで暮らせるだけのお金はいただくつもりですよ」
そのラティラスの言葉にルイドバードは驚いたようだった。
「お前、そんなちょっぴりでいいのか? 姫の命を救い、国に巣くった不穏分子を炙り出したんだ。本来だったら然るべき位と領地をもらうところだぞ!」
ラティラスは笑いながらぱたぱたと手を振った。
「ガラじゃありませんよ! それに命より大切な娘さんをいただくのに、その父親にさらに位と領地を、なんてずうずうしくて言えませんよ!」
リティシアは照れ臭そうに苦笑した。
「そうだ。あとで……あとで師匠の墓に参りましょう。師匠もリティシア様に会いたいでしょうから」
「ああ」
リティシアは深く溜息をついた。
きっと色々なことがありすぎて、いまいちベイナーが死んだことが実感できないのだろう。墓を見て、初めて彼女は泣くのだろうとラティラスは思った。
「ロルオンは結局見つからなかったな」
誰にともなくルイドバードは呟いた。
「やっぱり、あの塔で亡くなったんでしょうね。まあ、生きていたとしても、こちらはルイドバードの父上が出した条件は文句なく満たした。あなたは自らの力でリティシア様を見付けだし、ロアーディアの血を持つファネットさんと結婚した。あなたはトルバド王になれる」
なんだか色々なことが変わってしまった。ラティラスは、リティシアがさらわれる前の生活を少しだけ懐かしく思い出した。
リティシアはルイドバードに顔をむけた。
「今度から二つの国を頼むぞルイドバード」
「わかりました」
「それから、ファネットの友人として、彼女のこともな」
ファネットは少し驚いたような顔をしたが、ルイドバードにほほ笑みかけた。
「それもおまかせを」
さすが王子だけあって、ルイドバードは人前ではしたなくファネットを抱き締めたり口づけたりはしなかった。ただ、愛情とほほ笑みを含んだ目でファネットを見つめただけだった。
部屋の置時計がかわいらしいチャイムを鳴らす。
「ああ、もうこんな時間か」
ルイドバードは立ち上がって腰を伸ばした。
「私もさすがに疲れた。そろそろ自分達の部屋に戻ろう」
ルイドバードに、ファネットも続いた。
ラティラスは扉までついていって二人を見送ることにした。
「よい夜を、お二方」
「お前もな」
ルイドバードとリティシアは、部屋を出るときに少し振り返って微笑んでくれた。
扉が閉まるのを待って、ラティラスはリティシアに向き直った。
二人きりになるのはロアーディアルの城で花嫁衣裳のリティシアを見たとき以来だ。
今またリティシアは花嫁衣裳を着ている。今度はルイドバードのためではなく、ただラティラスのためだけに。
酔ってもいないはずなのに、足元がふわふわとする。いや、酔っているというなら、自分は酒ではなくて幸せに酔い痴れているのだろう。
「ねえ、姫(ひい)様! 今回私は活躍したでしょう?」
「当たり前だ。お前がいなかったら私はとっくに死んでいただろう」
「では畏(おそ)れながら、この道化、リティシア様からご褒美をいただきたく」
「だが褒美といっても、何が欲しいんだ? 王籍を捨てる私に、与えられる物など……」
ラティラスはリティシアの前にひざまずいた。
「あなたご自身を、リティシア様」
ラティラスはうやうやしくリティシアの手を取り、口づけた。
「ワタシの身体(からだ)も魂も、すべてはあなたの物。ですから、あなたもワタシに同じ物を。このワタシに、どうかあなた様のすべてを」
リティシアの瞳に涙がにじんだ。白い頬に朱がはしる。
「だったら、ひとつ条件が」
「なんです?」
「これからは、忠誠のキスではなく、恋人同士、いや、伴侶(はんりょ)としてのキスを」
「喜んでその条件を呑みましょう、リティシア」
条件を受け入れた証拠に、ラティラスはもう一度リティシアに口づけをした。手の甲ではなく、その唇に。
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