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彼女は世界を抱いている7
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上から焼け焦げた厚紙が落ちてきて、俺は初めて爆発したのがデスクにあった段ボール箱だと知った。
若葉が、円いボタンが一つついたスイッチを持っていた。おそらく俺が隠れようともそもそやっている間に、机の上から取ってきていたのだろう。
出会ったばかりのときに若葉と交わした会話が頭に浮かんだ。
『そういえば、若葉ば生前なにしてたの?』
『嘘。テロリスト』
まさか本当に……?
長々と体を伸ばして倒れている犯人を見ながら、俺は茫然としていた。
それから、俺は犯人をほったらかして外に出た。もちろん、犯人を運んできたスーつケースは回収してある。あとで粗大ごみの日に捨てるつもりだ。こうした場合、どこかの山に埋めたり、燃やしたりして変に証拠隠滅しない方がいいような気がする。
地下道の近くに防犯カメラなどなく、警察に捕まった犯人が、俺に対する殺人未遂をバラしてまで自分が襲われたことを言うとは思えない。安心はできないが、まあ大丈夫だろう。
若葉は――若葉の手は――いつの間にか居なくなっていた。さよならの握手もできなかった。きっと、犯人が捕まって成仏したのだろう。もしも、俺の近くに人の右手なんかがあったら大騒ぎになる。死期を察した猫のように、どこか人気のない場所にいって。
それにしても、若葉は、なんであんな所に爆弾があるのを知っていたのだろう?
これは俺の推測になるのだけれど、あの爆弾を作ったのはやっぱり若葉なのだろう。今はスマホ一つあれば爆弾の作り方なんて簡単に調べられる。生前、ちょくちょくこのビルに来ていたとしたら、なにかで非常階段の暗証番号を知っていたとしても不思議ではない。一度入り込めば、ビル内に残された書類を調べることなど簡単なのだから。
『テロリスト』
と若葉は自分の事を言っていた。本当にあの爆弾を人ゴミで爆発させるつもりだったのだろうか?
そうちらっと思ったけれど、多分それは違う。あの爆弾は人を殺すほどの威力はなかった。現に、あんな近くで爆発を喰らった犯人は、衝撃で気絶しただけだった。
きっと、思い通りにならない世の中で、少し強い力を持ってみたかっただけ。イキッた中学生が、鞄の中にナイフを隠し持つような物だ。なんだか、本人になったように彼女の気持ちが分かるのは不思議な感覚だった。
犯人が捕まったのと、爆発があったせいで、しばらくの間警官が出入りして、あの廃ビルには近寄れなくなってしまった。
若葉が、円いボタンが一つついたスイッチを持っていた。おそらく俺が隠れようともそもそやっている間に、机の上から取ってきていたのだろう。
出会ったばかりのときに若葉と交わした会話が頭に浮かんだ。
『そういえば、若葉ば生前なにしてたの?』
『嘘。テロリスト』
まさか本当に……?
長々と体を伸ばして倒れている犯人を見ながら、俺は茫然としていた。
それから、俺は犯人をほったらかして外に出た。もちろん、犯人を運んできたスーつケースは回収してある。あとで粗大ごみの日に捨てるつもりだ。こうした場合、どこかの山に埋めたり、燃やしたりして変に証拠隠滅しない方がいいような気がする。
地下道の近くに防犯カメラなどなく、警察に捕まった犯人が、俺に対する殺人未遂をバラしてまで自分が襲われたことを言うとは思えない。安心はできないが、まあ大丈夫だろう。
若葉は――若葉の手は――いつの間にか居なくなっていた。さよならの握手もできなかった。きっと、犯人が捕まって成仏したのだろう。もしも、俺の近くに人の右手なんかがあったら大騒ぎになる。死期を察した猫のように、どこか人気のない場所にいって。
それにしても、若葉は、なんであんな所に爆弾があるのを知っていたのだろう?
これは俺の推測になるのだけれど、あの爆弾を作ったのはやっぱり若葉なのだろう。今はスマホ一つあれば爆弾の作り方なんて簡単に調べられる。生前、ちょくちょくこのビルに来ていたとしたら、なにかで非常階段の暗証番号を知っていたとしても不思議ではない。一度入り込めば、ビル内に残された書類を調べることなど簡単なのだから。
『テロリスト』
と若葉は自分の事を言っていた。本当にあの爆弾を人ゴミで爆発させるつもりだったのだろうか?
そうちらっと思ったけれど、多分それは違う。あの爆弾は人を殺すほどの威力はなかった。現に、あんな近くで爆発を喰らった犯人は、衝撃で気絶しただけだった。
きっと、思い通りにならない世の中で、少し強い力を持ってみたかっただけ。イキッた中学生が、鞄の中にナイフを隠し持つような物だ。なんだか、本人になったように彼女の気持ちが分かるのは不思議な感覚だった。
犯人が捕まったのと、爆発があったせいで、しばらくの間警官が出入りして、あの廃ビルには近寄れなくなってしまった。
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