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7.新たな料理男子、生徒会に目をつけられる
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遅くなるついでだと、本屋に立ち寄った。
聖也くんにまた遭遇すればいいななんて考えながら、携帯の履歴を見ながら十字路で待ち伏せる。
本屋でお母さんにメールして、ここまで歩いてきて、前よりちょっと早いくらいかな、などと頭の中で計算していたら、話し声が聞こえてきた。
男子と女子。
聞き覚えのある二人の声。
出ていってまじればいいのに、なぜだか怖じ気づいて、寸前のところで電柱の影に隠れてしまった。
「――そろそろ、サッカーが恋しいんじゃない?」
まるで、その言葉にタブーなど存在しないかのように、美涼ちゃんがそういっているのが聞こえた。
すぐそばを通っている。
「なんだよ、その別れた恋人に未練たらたらみたいな言い方」
怒っているようでいて、気心知れたふたりだから許されるやりとりに、なおさら入っていけないと勇気が出なかった。
ポケットに手をつっこみ、うつむき加減に通りすがっていく聖也くんをそっと見送る。
「じゃあなんなのよ」
「まぁ、……やっぱり恋い焦がれるかんじ?」
「同じじゃない。恋もしたことないくせに、なにいってんの」
「恋したとか、そんなこと、いちいち報告するかよ」
「らちがあかないんだったら、協力してやってもいいんだからね――」
それ以上はふたりのやりとりを聞いてられなかった。
協力してもいいって、美涼ちゃん、相手が誰であっても協力するつもりなのだろうか。
それとも、誰に恋しているかなんて言うわけがないと思って、冗談としてただそういってるだけなの?
美涼ちゃんにだれの味方なの?ってせまるつもりはないけど、ちょっぴり悲しい。
聖也くんにまた遭遇すればいいななんて考えながら、携帯の履歴を見ながら十字路で待ち伏せる。
本屋でお母さんにメールして、ここまで歩いてきて、前よりちょっと早いくらいかな、などと頭の中で計算していたら、話し声が聞こえてきた。
男子と女子。
聞き覚えのある二人の声。
出ていってまじればいいのに、なぜだか怖じ気づいて、寸前のところで電柱の影に隠れてしまった。
「――そろそろ、サッカーが恋しいんじゃない?」
まるで、その言葉にタブーなど存在しないかのように、美涼ちゃんがそういっているのが聞こえた。
すぐそばを通っている。
「なんだよ、その別れた恋人に未練たらたらみたいな言い方」
怒っているようでいて、気心知れたふたりだから許されるやりとりに、なおさら入っていけないと勇気が出なかった。
ポケットに手をつっこみ、うつむき加減に通りすがっていく聖也くんをそっと見送る。
「じゃあなんなのよ」
「まぁ、……やっぱり恋い焦がれるかんじ?」
「同じじゃない。恋もしたことないくせに、なにいってんの」
「恋したとか、そんなこと、いちいち報告するかよ」
「らちがあかないんだったら、協力してやってもいいんだからね――」
それ以上はふたりのやりとりを聞いてられなかった。
協力してもいいって、美涼ちゃん、相手が誰であっても協力するつもりなのだろうか。
それとも、誰に恋しているかなんて言うわけがないと思って、冗談としてただそういってるだけなの?
美涼ちゃんにだれの味方なの?ってせまるつもりはないけど、ちょっぴり悲しい。
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