最強の暗殺者は、平凡な12歳だった

結愛

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第二章

第四話 ~お出かけ~

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  「外あちぃ~。こりゃ出たくねぇな」

   「プールだよ、プール!   午後行こーよー!」

   外で郵便物を取りに行ったリクが呻く。数分しか外に出ていないのに、何を言うか。すぐさま扇風機の前を陣取り、スマホをいじった。

    リミは、リクが家に入るなり、周りで騒いでいる。扇風機の前では、後ろから首に抱きつくようにリミも風に当たっていた。

   昼食の片付けを終えたレナは、一瞥して冷蔵庫の中を見る。

   「今日の夕飯はなにがいい?」

   二人に聞くと、すぐ答えは返ってきた。

   「カレー」

   「肉!!」

   「よし、ビーフシチューな」

   中間なのかよく分からないが、とりあえず決めた。あとはおかずだ。サラダを作って、あとはパンだろう。

   メモに足りない分を書き、ついでに明日のごはんの分も考える。これは特に聞かなかった。

   スラスラとペンを走らせ、書き終わると、ナイフを隠し持っているポーチにメモと、小さくたためるエコバッグ、財布を入れる。

   「んじゃ、買い物行ってくる。荷物持ちでリクよろしく。リミは警備と、施設のシステムハッキングして全て把握で」

   「荷物持ちかよ······」

   「ラジャー!!」

   頭を手で抑えて、リクはまた呻く。だが、拒否はしないようだ。拒否したところで無理やり連れてかれるのは目に見えているからだろう。リミは、元気よく敬礼のポーズをする。ハッキングは、リミの得意分野だ。

   二人して買い物に出かけ、スーパーへと向かう。その途中に公園があったが、多くの子どもが遊んでいた。それをみて、リクは「あちぃのによく動けるなぁ。若ぇな」と呟いた。レナは静かに「お前も十分若いぞ」とツッコミを入れる。

   そんなこんなでスーパーに着くと、メモに書いた通りのものをカゴに入れていく。衝動買いなどしない。そのため、広いスーパーでも長くいることはない。

   「あ、これいいな」

   「却下」

   リクがみて手に取ったものを、レナは寸分違わず取り上げ、戻す。そのはやいこと。リクが驚きの顔でまた手を伸ばそうとすると、その手の甲をレナにはたかれる。まるで、シャーッ!   と猫になったように、黙々とレナはリクのその行動を何度も阻止した。

   「無駄な出費」

   「ちっ」

   ことごとくやられ、リクは諦める。腕を引っ張られ、その場から剥がされた。レナは自分にも他人にも厳しい。

   そのまま、計画通りに買い物を終え、スーパーを出ると、なにやら違和感がある。

   トゲトゲしているような、妙な違和感。よく感じたことのある違和感だ。特に、レナは敏感なので、日常でも感じる。

   一方で、リクも感じていた。だが、やはり確実には分からないようで少し戸惑いの顔を見せていた。

   「リク。ちょっと私は用があるから先帰ってて」

   レナは、ポーチに入っている財布を、リクのミニショルダーバッグに入れる。されるがままにリクはなっていたが、エコバッグを持ち直し、言う。

   「いや。俺も行く」

   リクはレナの用の理由を分かっている。だが、レナは向き直ると、キョトンとした顔で返した。

   「え?   私は今からたい焼きを買いに行くだけだ。なにを勘違いしてるの?」

   レナは、リクの後ろを指さす。つられてリクも見ると、そこには「天然」とのぼりをあげた、たい焼き屋があった。それで、なんとなく納得してしまう。

   レナは、生粋のたい焼き好きだ。中でもカスタードがうまいという。しかも、たい焼きの天然が好きだそうだ。何が違うのかよくわからないが、レナを突き動かすのは、大体食べ物なのはわかる。

   「あー。わかった。先行ってる。リミにあずき買っといてくれよ」

   「おーおー。なんだかんだで優しいなぁ」

   冗談混じりに言い、レナはリクの横を通り過ぎてたい焼き屋に向かう。後ろに手を振りながら行くレナを横目に、リクは施設に戻った。

   「たい焼きカスタード、あずき一つずつでー」

   本当に買いに行き、レナはたい焼きのあずきを入れた袋を片手に、紙に包まれたたい焼きのカスタードを口に含む。

   「んぅ。うまぁい。スーパー恐るべし。たい焼き屋の情報も仕入れないとかな」

   私情に暗殺者の力を使おうとしているのはなんとなく抗議されそうだが、レナにそんなことはどうでもよく、ただただたい焼きを頬張る。

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