伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン

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​「……っ、あ……! ガル、ド……ッ!」

​視界が真っ白に明滅する。
シーツの海で溺れる小舟のように激しく揺さぶられていた。

​「薫……! 良い匂いだ……! 君の内壁が俺を締め付けるたびに、君の命の香りが爆発している……!」

​ガルドの太く熱い楔が、俺の一番奥を容赦なく穿つ。
引き抜かれるたびに空虚感に襲われ、打ち付けられるたびに頭の先まで痺れるような快楽が弾ける。
痛いほどに深い。でも、それがたまらなく気持ちよかった。

​「あ、ああっ……! もっと……っ、奥、きて……っ!」
「……っ! 薫、君という奴は……!」

​自分から腰を浮かせ、ガルドをさらに深く迎え入れると、彼の理性が完全に吹き飛んだのがわかった。
突き上げる速度と重量が跳ね上がる。

​「スゥゥゥッ! ハァッ……! 薫ッ!」

​激しいピストンの最中も、ガルドは俺のうなじ、耳の裏、鎖骨へと次々に顔を埋め、酸素を補給するように匂いを吸い込み続けている。
彼の熱い吐息が皮膚にかかるたび、全身がビクンビクンと痙攣した。

​「……んあぁっ! や、やぁ……イ、イクッ……あっ!」
「一緒に……! 俺も、君の中に全てを……!」

​砕けんばかりの力で抱きしめられ、背中に回された彼の腕が、筋肉の隆起を伝えてくる。
互いの汗が混ざり合い、部屋中に濃厚な野生の香りと果実酒の甘い匂いが充満していた。

​「ガルドッ……ッ!!」
「薫ッ!!!」

​最奥で、熱い塊が爆発した。
それと同時に、俺の意識も真っ白な光の中に溶け落ちていった。

​   ◇

​「……うぅ……頭痛い……」

​翌朝。
ガンガンと痛む頭と、それ以上にバキバキに砕けそうな腰の痛みに顔をしかめながら目を覚ました。

​「おはよう、俺の極上ヴィンテージ」 

​隣から、やけに爽やかで、キラキラとしたオーラを放つガルドの声がした。
肌はツヤツヤ、魔力は満タン。昨夜、俺からすべてを吸い尽くした英雄は、この上なく絶好調のようだ。

​「……おはようございます。腰が死にました」
「すまない。だが、昨夜の君があまりにも可愛くて、色っぽくて……俺は五回目で記憶が飛んでいる」
「五回!? 嘘だろ、俺そんなにされたの!?」

​慌てて布団をめくると、体には胸から太ももにかけて、赤いキスマークと噛み跡で埋め尽くされていた。
惨状である。
​そして、徐々に昨夜の記憶が蘇ってくる。
自分から袖を引き、「もっとくっついてないと寂しい」と甘え、「全部あんたで埋めて」と強請った記憶が。

​「……っっっ!!!」

​俺は顔から火が出るほどの羞恥に襲われ、布団を頭まで被った。

​「薫? どうした、熱がぶり返したか?」
「見るな! 思い出すな! 昨日の俺は俺じゃない! エルフの酒の悪霊が憑依してたんだ!」
「何を言う。あんなに素直で可愛い君を見られて、俺は幸福の絶頂にいるのに」

​ガルドは布団ごと俺を抱きしめ、布団の上からスゥーッと息を吸い込んだ。

​「決めたぞ、薫。これからは毎週末、エルフの酒を取り寄せて晩酌をしよう」
「絶対に嫌だ!! もう二度と一滴も飲まない!!」

​俺の悲痛な叫びも虚しく、ガルドは俺を抱きしめたまま嬉しそうに喉を鳴らしていた。
こうして、ベルンシュタイン邸における「エルフの果実酒」は、ガルドによって極秘の特級指定アイテムとして厳重にストックされることになったのだった。


[完]
感想 6

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みんなの感想(6件)

ちー
2026.03.19 ちー

おじさん攻め、最高でした>"<
最高すぎて一気に読んでしまいました。他の作品も読ませていただいたんですが、どれも良すぎてすぐ読み終わってしまいました> ̫<♩

2026.04.07 マンスーン

感想ありがとうございます!
他の作品も読んでくださってありがとうございます!😳💗

解除
s.yk
2026.03.01 s.yk

面白かったです!
一気読みしました!
おじさん攻め良きですねぇ〜( ̄▽ ̄)
ガルドと薫のビジュ想像してニヤけが止まりませんでしたヘヘ
素敵な作品をありがとうございます!

2026.03.19 マンスーン

感想ありがとうございます!
おじさん攻めいいですよね〜!
私も2人の掛け合いを考えながらニヤニヤしていました……🤭

解除
U
2026.02.22 U

まだまだ全然序盤なんですけども面白すぎて…ꉂ(ˊᗜˋ*)ʬʬʬ
毎話最後あたりの情景がはっきりと見えるようです!主に三上の目が死んでるんだろうな…みたいな情景が…笑
読む手が止まりません!

2026.02.23 マンスーン

ありがとうございます!
嬉しいです!三上の死んだ目(笑)、ぜひこれからも注目してください!番外編もお楽しみに。

解除

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