勇者召喚に巻き込まれました。自分無関係ですが…。

なあ、邪なるモノって…。

すりこ木の勇者、爆誕。

「アノ娘が勇者だなんて、認めないわ」
通りすがりに聖女がそう言うのが聞こえた。
アタシ達を誘拐同然で連れて来たくせに、最初からずっとアタシを拒否してる。
カノ女としては、自分の取り巻きになるべき人＝リュウちゃんが、カノ女の勇者だったんだろう。
ま、ね。
カノ女の周囲って、おじさんばっかりだもの。
加齢臭すごいわよね。
なんて哀れんでいたら、ヴィンセント君が言い出したの。
聖女が意見出来ないような、確たる証拠を手に入れようって。
神殿に行けば、神聖な武具や道具が沢山あるからその中にさくらにふさわしいモノがあるハズだって。
あんな聖女に口出しさせないって。
で、ヴィンセント君に連れられて神殿に行ったわ。
みんなと一緒に、ね。
神殿では宝物庫に入るのにスムーズに入れなかったけど、ヴィンセント君がナントかしてくれたわ。
宝物庫の中は予想より雑然としてたわ。
宝物庫って言うより倉庫ってカンジで。
でも神聖なモノばかりだって言うのよね。
…って、なんでこんなトコにすりこ木があるの？
しかも光ってるし。
…え？
コレが、アタシの聖具？
すりこ木？
すりこ木だけでどうしろって言うの？