レイブン領の面倒姫

庭にハニワ

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「妹、説明」

えー。
面倒クサい。
…じゃあ簡単に。

「…一人の男が多数の女の愛人を囲っているのが、いわゆるハーレム。
男女の立場が逆だから、逆ハーレム。略して逆ハー」

一つ頷いて、魔術君は逆ハーレムの方を見る。

「なるほど。あれは間違いなく逆ハーレム。…王子殿下はもう駄目なのかもしれないな…」

逆ハーメンバーは、全員こちらを睨んでいる。
魔術君が抜け出したのが、相当気に入らないらしい。
…って、元々メンバーじゃなかったみたいですケド?

「普通の逆ハーレムとやらならば、一人抜けたらライバルが減った、って喜びそうなものだけど」

魔術君は不思議そうだ。

「精神同調が進んじゃってるんだよ」
「だな。あの女はもう人間を止めてるな」

冷静に判断を下した。

「人間を止める…レイブン?」
「妹、説明」
「…兄…」

しれっと面倒事を妹に押し付ける兄。

「得意分野だろう。溜め込んだ知識を披露しろよ」
「兄…物理特化の脳筋だもんね~」
「脳筋言うな」
「レーイーブーンー…」

魔術君が、ジト目になっている。

ええい面倒な。

「邪香水の中でも、あの逆ハー女が使っているのはアルラウネの邪香水。周囲の男を引き寄せて、使用者の意のままに操れるように調合されたもの。本来ならここぞ、という時に使うモノだけど、兄の話じゃあの女、二年前…学院入学時からずーっと使ってるそうじゃない。しかもだんだん香り…つかニオイが強くなってきてるって」
「他の生徒や教師達に影響が出ないように、学院側には情報流してたケドな。対策立てたのはフリード、お前んトコの親父さんだろ」
「ええそうです。あの女の邪香水に対抗する魔道具作成にちょっと時間かかりましたけどね。
あの女、私にもやたらとまとわりついてきてましたから、これ幸いと情報収集の為に逆ハーレムに潜入したわけです。魔道具で鼻がバカになってニオイが逆転してますから、邪香水は効かないですし」

ほほう。
匂いが逆転する魔道具とな。
良い香りが悪臭に感じるのか。

魔術君は、心底嫌そうな顔で言い放った。

「こちらの事情もロクに知らない癖に、耳触りだけは良い、薄っぺらな美辞麗句を並べ立て、表面の自分に都合の良いところだけを見て取って、さも自分だけは貴方の味方です、みたいな顔してすり寄ってくる。クサいニオイを振りまきながら、ね」





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