特技は有効利用しよう。

庭にハニワ

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いやん、バレた?

毎度ありがとうございます!

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感極まってる紳士──イサナ公国宰相補佐、ランカ・シオン殿だっけか。

感極まった勢いで、ぺらぺらと私について語ってくれちゃってる。

曰く、公国の民がしばらくやっていけるだけの物資を提供してくれた。

公国に巣食っていた飛竜を、あっさりと退治してくれた。

公国の総力を上げて調べた結果、倒竜姫は商業ギルド所属の商人。
大量の物資を1人で、しかも、とても速く届ける事が可能な、有能な商人だそうだ。

etc. etc. … … 。

まー、が全力で隠していた特技、ぺらぺらと語ってくれちゃって……。

国賓でさえなければ、余計なコトをお喋りするその口、物理的にふさいでやるのに。

「……ゴルディアス嬢」

ケーリッシュ嬢が不思議そうに。

「貴女は、いったい何者ですの?」

あ~……。

「ただの運送屋です」

ちょっと他の人よりも、扱える量が多くて移動時間が少ないだけの、運送屋です。




大広間にいる人々からの視線が痛い。
特に、王族サマ方がいらっしゃる方からの圧が強い。

ホントに要らんコト言いよって。

イサナ公国だったっけ?

イサナ公国……飛竜……。

あ。




確か、あれは……。

領地の天災による被害&義妹の浪費癖のせい・・で、領地の運営費が真っ赤になって。
切り詰められるところは、出来るだけ切り詰めて復興に勤しんでいたんだが。
義妹のヤツ、王都で盛大にムダ遣いしよってさ。
……同じドレス、三着もいらんだろ? って私の意見に対し、義妹曰く。

「こっちはハイウエストで切り替えてて、こっちはレース使いが素敵で、こっちはリボンが付いた……」

知らんがな。
同じ色、同じ型の高級ドレスとか、いくら掛かると思ってんだ?
三着並べて見ても、あんまし大差無いぞ?

支払いは、当然こっちに回してきて……。

ふざけんな。
お前のドレス一着、ウチの領地一月ひとつき分だぞ?




これはもう、しょうがないんじゃないか?
あの阿呆義妹がいる限り、領地の復興なんて夢のまた夢。
使えるモノ異能は使うべきだ。
という話し合いを家族──義妹は除く──で行い、私は運送屋になった。

いや、私の特技──ってゆーか。
私が生まれつき持ってた異能力は、カンタンに言えば、『収納』と『転移』だったワケだ。
荷物運びに最適。
こりゃやるしかないでしょう、運送屋。

と、いう訳で。

私は冒険者ギルドと商業ギルド、両方に所属。
晴れて運送屋となった。







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