特技は有効利用しよう。

庭にハニワ

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……で? っていう。

西河の河の女神、の。

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豊穣と多産の女神で、広大な砂漠地帯のど真ん中を流れる西河の女神と言われている。
何年かに一度氾濫し、上流地帯の肥沃な土を下流にもたらす河を女神に擬人化したモノ。
河の神は女神とされる事が多く、氾濫した後は豊かな実りが約束されるが故に、豊穣と多産の女神とされた。

……とかナンとか。

この女神の神殿で、女神に使える神使──まあ、巫女だな──が私が言うところの職人達だ。

どーやって縁を繋いだかとか、わざわざ他人に聞かせる理由は無いので華麗にスルーして。
女神の神使が仕立てた羽毛布団に祈願してくれるのは、神殿のトップだぞ、と話したところ。

「………」

公爵夫人がぶっ倒れた。

どーやら予想外だったらしい。

まあ、西河の水鳥の羽毛を使用って時点で高級品決定だし。
神の使いが手ずから一つ一つの羽毛を広い集めて、西河の水を祈祷して清めた水で一枚一枚洗い浄め、天日干しした羽毛。
それを織物を得意とする神使が織り上げた布を使い、仕立てあげ、緻密な刺繍を施されて仕上げた布団に詰め込み。
更に天日干しした後、最高神使により祈祷された……確実に子宝を授かる事が約束された羽毛布団セット。
完全受注生産の、完璧手作業の。
特注品だぞ、ありがたいだろう?

ぶっちゃけた話、どこぞの小国の国家予算並みのお値段である。

なんと言っても、一撃必中の祈願はプライスレスだ。

そりゃトンでもない価値の布団セットになるだろう。

が。

大丈夫だ、問題ない。

河の女神の神殿には、私、個人的にごん太いコネがある。

あと、あの職人達が本気だしたらどんなモノが仕上がるのか見てみたい。

そんな理由もある。






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