特技は有効利用しよう。

……で？ っていう。

勉強不足なのか？

私に対して、王弟殿下のあたり・・・がなんとなくキツい気がする。
うん、冗談じゃなく。



イサナ公国へのお呼ばれする日が、刻々と近づいて来た。
何度か顔を合わせての、相談？　会談？　が行われたんだが。
何故か、王弟殿下から私への牽制か入った。

……。

なんだか、ものすごい生暖かい気分になった。

王弟殿下よ。
安心するがいい。
貴方の大事なケーリッシュ嬢にも、私にも女色の気けは無いから。

ケーリッシュ嬢が、私に対して妙に気安い感じてオカシな雰囲気で絡んでくるのは。

本人曰く、親しい友人との付き合い方が、よく分からない……。

……ってゆー、なんか悲しい事実と、今イチ理解しがたいお貴族サマジョークで私に絡んでるだけだ。

若い娘のおフザケを、真っ向勝負で受け止めた上で、まるっと信じ込むなよ。

ったく。
これだから妄想著いちじるしいとウワサのDのTは。

って、三十路のおっさんが、十代後半のように妄想滾らせてんのって……。
ハタから見て、Doよ？

王族って、そっち方面の……いわゆる性教育とか実地で済ませてるモンじゃないのか？
若くして儚くなった婚約者に操立てとかしてたんかよ王弟殿下。
15の純情引きずり捲った結果、拗こじらせたんか？

そのあたり、兄としてナンとかしとけよ王サマよ。



１人滾る王弟殿下に、幸せそうにそっと寄り添うケーリッシュ嬢が嬉しそうだから、いいけどさ。

どーしても、生暖かい目を王弟殿下に向けてしまう私だった。



まあ、王弟殿下的には、失った青春を取り戻して、今！

的な？

生暖かい目だけじゃ、足りんカモ？



え、ケーリッシュ嬢も私も、ちゃ～んとそっち方面の教育済ませてるさ。
座学オンリーだけどな。

耳年増、とか言わないように。
貴族令嬢が実技を習うワケにはいかないだろう？

特にケーリッシュ嬢。
公爵家のご令嬢が、そっちの実技を済ませてるとか言ったら、ちょっとした問題発生だ。



私？
上っ面のキレイ事も、リアルな修羅場もある程度知ってるぞ。
ギルドの趣味人どもが、要らん事まで教えてくれたからな。

まさに、耳年増。